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「鬼の土門」写真展
突き進めていけば、何かがわかる
【セリ】 2012年04月10日
セリです。
「面白いイベント」というものは、絶対的な主観でしか存在しません。
万人に、興味も持ってもらえるイベントというものは、ほとんど有り得ないでしょう。
だから、イベントを紹介する、と言っても、
要は自分が
「コレ、オモシロイな」
と思ったものを
ただ、そのままの気持ちで紹介すればいいでしょう。
たとえ、世界のほとんどの人に、その想いを否定されたとしても、
その時、自分に沸き起こった気持ちを、ありのまま押し出す。
ひょっとしたら、誰か一人でも、それに共感してくれるかもしれません。
うまくすれば、もっともっと多くの人に。
そして、多くの人の主観を集めてみたら、きっと、それも面白い。
いつか、そんな光景を見てみたいですね。
だからこそ続ける価値もあるかな、と。
さて、本日のイベント紹介です。
「土門拳の昭和と沖縄」
http://evenear.com/event/detail/3915/
沖縄県立博物館・美術館で5/15~6/24まで開催。
「鬼の土門」と言われた戦後を代表する写真家・土門拳の作品が紹介されます。
リアリズムを追求し、
全ての写真に、「真実性」を求めた土門。
完璧主義者で、どんなに時間がかかり、労力がかかり、お金がかかっても、
「偶然」「絶対非演出」という名の成果を待ち続けた撮影方法でした。
「良い写真というのは撮るのではなく、写る。それを鬼が撮ったという」
撮影中は、何も食べず、飲まず、
真夜中の撮影でも人工の灯りを使わず、
雪の中、病気であろうが、なんだろうが、かまわず撮影続行。
脳出血で右半身不随になっても、構わず撮影。
何より強面。
その鬼気迫る、撮影ぶりは、数々の伝説を産みました。
弟子にも厳しかったそうですが、
何しろ土門自体が先陣切って厳しい撮影に身を置く為、尊敬を集めたそうです。
もともと、彼は生来不器用で、女性も全然ダメ(奥さんの民子氏談)。
「子供は好きだけど、女性誌の撮影は、全然だめです。女性の顔なんてまともに見られないんじゃないかしら」
押し掛けてくる弟子志願者も「図々しいな」と笑いながら受け入れていたそうです。
彼のヒューマニズム溢れる写真もそうですが、
彼のストイックな姿勢の方に興味が沸きます。
何が、土門を「鬼」たらしめたのか。
この展示は、昭和と沖縄をテーマにして、土門が撮影した数々の作品が展示されます。
虚飾を一切はぎ取った、
人間の有りのままの姿。
「鬼」が撮った写真。
是非、機会があったら見てみてください。