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【編集後記】武士魂
身体があってこその鎧
【なずな】 2014年02月24日
先日、野口哲哉展「野口哲哉の武者分類図鑑」に行ってきました。
レポートはこちら ⇒ http://evenear.com/article/detail/129/
本当は初日に行きたかったんですが、なんと大雪で空調に不具合が
出てしまったそうで・・・。本当に色んなところに影響を与えた雪でした。
駅前から美術館までの道にもフラッグ(?)が
こういう角度をつけた看板は珍しいかも
写真の撮影許可をいただいております
作者自画像。こういうタッチで似顔絵描いてくれて、
ちゃんと掛け軸風に表装してくれるるサービスが
あったら、結構需要があるのではないだろうか。
チケットを持って喜ぶ侍。可愛い。
桃山時代と未来の侍(作品名ではありません)
オシャレチック侍(作品名ではありません)
このショルダーバック、トークイベントで野口さんも
持っていたらしい!?
アンニュイ侍(作品名ではありません)
ヨロシク侍(作品名ではありません)
いい表情してるなぁー
兵士たちは食生活、訓練法、装備など、様々な格差が
あったそう。それがこの大きさの差に表れている。
プロペラ、風船などで飛んでいる武士たち。ファンシー。
「この若造め!」とか言ってそう
背景は海外の画家の部分模写。意外と違和感ない。
天明屋尚氏とのコラボ。白虎、かっこいい!
箱入り侍(作品名ではありません)
これ、すごいかっこよかった。子孫に向けて「これが
武士の道たる姿、良く見とけよ!!」ということで作ら
れたそう。オリジナルは絵画で、そちらも必見。
昔の人はブルーライトとかとも無縁で、きっと
今よりかなり眼も良かったんだろうなぁー。
おシャネルの甲冑ですのよ。まさに、勝負服。
野口さんが影響を受けた絵画、絵巻物、雑誌、プラモデルなども展示されていて、
野口ワールドがいかにして出来上がったのかが良く分かった。
それから、明治時代の「戦国マニア」みたいな人たちが集まって、自分で鎧とかを
作ってコスプレ撮影会みたいなことをしてたらしく、そういう写真も面白かった。
日本人て変わらないね。海外にも甲冑マニアとかいるから、全世界共通なのかも
しれない。やっぱりいつの時代もカッコいいモノはカッコいい!
どの侍たちもすごく生き生きとしてて、なんだか今にも動き出しそう。全体的に
小さめの作品が多かったんだけど、野口さんは敢えて1/1スケールでは作らない
ことにしているんだそうだ。それは模写は模写で、その立場をわきまえる、という
考えらしい。
すごく古い作品のように見えるけれど、説明を見ると「アクリル彩色 2012年」とか
で、年代と使っている素材が新しい、というギャップが面白かった。
印象的だったのは、鎧兜という‘殻’の中には、肉体を持つ人がいて、鎧の中の人間
の骨格とか、筋肉が人のシルエットを作る、というような言葉。鎧兜に人の肉体が
入ることで、生命が宿った人になる、ということらしい。確かに、飾られている鎧は
ただの置物で、空蝉の殻みたいなもので、実際に人が着てこそ生きてくるものだ。
あり得ないようだけど、実際にあったかもしれない物たち。形式的には存在したはず
だが、遺物がない、あったけれど戦災や、流出で失われてしまったものは実際に
沢山あるだろう。そんなものたちがここで見られるかもしれない。