面白いイベント情報を求めてイベニア

きわどいスケジュールを縫って土橋安騎夫のライブに行ってきた。
土橋の他、鈴木桃子、国岡真由美、そしてゲストにミズノマリ。

土橋安騎夫はレベッカの元ベース。
鈴木桃子は元COSA NOSTRAの元ボーカル。
国岡真由美は元ICEボーカル。
ミズノマリはparis match。
レベッカ、COSA NOSTRA、ICEはいわゆる渋谷系。
今の人は誰も知らないだろうな。

渋谷系とは丁度バブルが弾けた頃、1990年代中頃から流行したJ-POP。
この頃から少しずつディスコからクラブに遷移して行った気がする。
「ユーロのクラブシーンではさ、、、」みたいなセリフがタワーレコーズとかでチラホラと。
 

当時僕は、特にCOSA NOSTRAにのめり込んでいた。
金曜日に東京へライブに行き、月曜の朝一の飛行機で札幌に出社とか。
COSA NOSTRAの札幌でのライブはほとんど行っていた。
「ザナドゥ」ってところで、バブルっぽいところ。
 

バブルが弾けたのは一般的には1990年の不動産取引の総量規制からと言われているけど、当時の実感としてはまだまだ景気は良かった。
その後、湾岸戦争や細川政権やらあって、結局、拓銀・長銀・山一證券の倒産を目にして初めて「こりゃ大変だ」と。

そして、COSA NOSTRAは佐々木潤や鈴木など主要メンバーが抜け、ICEは宮内が若くして死に、国岡が残された。
1999年を過ぎても僕らは生き続け、気が付くと20世紀から21世紀へ時代は移っていた。

2001年、ブッシュがいささか怪しい投票で第43代アメリカ大統領となり、日本ではまさかの小泉純一郎が第87代首相に就任。
イチローは新人最多安打記録を更新、メジャー史上初となるアメリカンリーグの新人王・MVP・首位打者・盗塁王・シルバースラッガー賞・ゴールドグラブ賞の同時受賞を達成した。

そういった目まぐるしい年の9月11日の夜10時頃、僕は狸小路のラーメン屋で塩ラーメンを食べていた。
ふとテレビを見るとアメリカン航空11便がニューヨーク世界貿易センターに突っ込んで行くシーンが流れていた。
「エッ、事故？」というのが最初の印象。
しばらく呆然としてテレビを見ていたら、第二報が入って、ユナイテッド航空175便が突入していく様子が。
ほとんどリアルタイムだった。
ラーメン店から自宅に帰り、朝までテレビを見た。
そんな事はベルリンの壁が崩壊した時以来だった。
数時間後、貿易センターが崩れ落ちた。
それから数か月後、アメリカは「テロとの戦争」を宣言しアフガンへ派兵、やがてイラク戦争に突入して行く。

確かその年の12月だった。（と思うが、あるいは翌年だったかも。いずれにしても冬。）
ほとんど解散同然のCOSA NOSTRAがワンナイト復活でライブを行った。
場所は「ザナドゥ」ではなく、「札幌ZEPP」。
もはや、バブルの残滓もない頃。
久しぶりのメンバーが懐かしかったし、眩しかった。
ステージの右上には大きくライトでくり抜いた文字が浮かんでいた。
「Love and Peace」と。