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アウトサイダーアート
自らを表現するのに必要なもの
【セリ】 2012年01月20日
セリです。
絵が描けない・・・。
イメージを伝えるのにイラストを使わないといけない場面に遭遇することが
最近多いのです。
しかし、こちとらびっくりするくらい絵心が無いので困ってしまう。
仕方が無いので、他の人に頼んでいる始末。
でも、本来なら僕が希望したものなんだから、僕が描かなきゃいけないんですよね。
頭の中で思い浮かぶ像はあるんですけど、それが上手く伝えられないもどかしさ。
子供の頃から絵を描くという習慣が無いせいか、
上手い、下手の前に、物事を正確に絵で表すということができないんですね。
それでちょっと困っています。
絵の上手さというのは、ある程度は反復だと思うんですよね。
描いて、描いて、描きまくると、
自然と自分が思ったものが表現できてくるんじゃないでしょうか。
僕も、ドラえもんは小さい頃何故か沢山描かなきゃいけない時があって、
だから、今でも描こうと思えば描けますからね。
いかに日常に「描く」という行為を取りこんでいるかが鍵だと思います。
落書きでもなんでも、そんな蓄積が活きてくるのでしょう。
ネット時代になって、今までは素人として埋もれていた人達の才能が開花しているのを
感じます。
自分を表現する術を持っている人は素晴らしいです。
絵でも、音楽でも、スポーツでも。
なんの技術も無い人は自分を表す事はできないのか・・・!
本日のイベント紹介。
「解剖と変容:プルニー&ゼマーンコヴァー」
http://evenear.com/event/detail/3099
2月4日から3月25日まで、兵庫県立美術館で開催される、
アール・ブリュット画家のアンナ・ゼマーンコヴァーとルボシュ・プルニーの作品展です。
アール・ブリュット
別名アウトサイダーアート
既成の技術に囚われず、自由な発想から新しい表現を創り出す芸術です。
子供の絵なんてのもそうなんでしょう。
彼らは自由です。
大きく感じたものを大きく、赤いと感じたものを赤く描きます。
それは、写実からはほど遠いかもしれませんが、
表現しているという意味では同じなのかもしれない・・・です。
僕の大好きな、建造物に『シュヴァルの理想宮』というものがフランスにあります。
郵便配達夫であるシュバルが、ある日みつけた不思議な石から、閃きを得て、
郵便配達の途中で見つけた石を、仕事の後に取りに行って、庭に積み上げていき、
最後は宮殿のように大きなものを創り上げたというものです。
実際、このシュヴァルの理想郷を見ると、確かに奇妙な形はしていますが、
シュヴァルが目指した世界がありありと理解できるでしょう。
そして、シュヴァルは建築の知識や経験などは一切ない、
本当にただの素人だったという事実ですね。
ただ、彼は郵便の絵葉書を観ては、いつかこんな世界に行ってみたい、
こんな美しい建物を創り上げて観たいという想いを胸に抱いていただけでした。
そして、キッカケを得るや、誰にも教わることなく、勉強することもなく、
ただただ、積み上げ、彫り続けたのです。
彼の残した理想郷を見ると、
なんだか励まされるような、羨ましいような不思議な感覚に襲われます。
それは、どんなものにも囚われることなく、自分の世界を表現し、
創り上げることに成功してしまった男への屈折した憧れなのかもしれません。
シュヴァルが石を運んで33年。
それは執念