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「怖くない絵」
「怖い絵」ツアーから
【なずな】 2014年01月05日
http://evenear.com/article/detail/108/
怖い絵ツアーの記事がかなり膨大になってしまったので、一部のあんまり怖くなかったな、
と思った絵をブログでご紹介します。
レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」
ダ・ヴィンチのデビュー作とも言われる。書見台に掛けられた透き通ったヴェール、
マリアの髪の毛の表現など、精緻に描かれている。当時、髪の表現は大変難しく、
布をかぶせたり、ぼかしたりする画家が多かったそうだが、ダ・ヴィンチは金色の
巻き毛も一本一本描いている。正面から見ると、天使がマリアに比べて大き過ぎ、
またマリアの右手も長すぎるように感じる。しかし、この作品は壁の左上に飾られる
ことが決まっていたそうだ。
ダ・ヴィンチは斜め右下から、見上げるようになることを計算してこの絵を描いたのだ。
確かに、右から見ると不自然だった部分が自然になる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」(修復後)
レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」(修復前)
修復前後の作品を並べて鑑賞できるのは、この美術館だけ。元は修復前の作品しか
なかったが、‘本家’の修復をきっかけに修復後の作品も展示することになったそう。
他の画家が重ねた塗料を落とし、ダ・ヴィンチが描いたものだけを残している。
これによって、キリストの口がやや開いていることが判明した。「この中に私を裏切った
ものがいる」と言った瞬間の、驚き、ざわめきが伝わってくる。この作品は、他の「最後の
晩餐」を描いたものに対して、ユダを分かりやすい‘裏切りもの’として描いていない、とも
言われる。しかし、使徒たちには画面左にあると思われる窓からの光が顔に当たっている
のに対し、ユダは光から顔をそむけており、暗く、表情も読み取れない。また、他の人物の
衣の青色には高価なラピスラズリが使われていたのに対し、ユダの衣の青色はアズライト
という安価な顔料だったという。
ルーベンス「キリスト昇架」
今まさに十字架にかけられようとするキリストを劇的に描いている。中央に光で照ら
されているものの、このキリストからは神々しさと同時に、死の間際の悲壮さも感じる。
今まさに死に向かうイエスの表情がリアルに描かれている。
また、この絵はアニメ「フランダースの犬」のラスト、ネロ少年が教会で見た絵でもある。
絵の左下にはルーベンスが飼っていた犬が描かれているのだが、犬の名前は‘パトラッシュ’
だったそうだ。
実は私が知らないだけで、本当は隠された「怖い」意味があるかもしれませんが・・・。