面白いイベント情報を求めてイベニア

| レポート&ニュース |



SHARE

facebook

Twitter

ムーディーな夜の水族館で「性」をじっくり堪能しよう

アイコン性の多様性を実感できる、サンシャイン水族館の「性いっぱい展」

2019/10/05(公開:2019/10/04)


おさわりBOX、のぞきBOX、性いっぱい水槽……。これ、何の名前だと思いますか?

実はすべて水族館のコンテンツ!

池袋のサンシャイン水族館で「性」をテーマにした初の夜限定イベント、「性いっぱい展」が開催中です。開催前からSNSなどで話題を呼んでいましたが、想像以上にぶっとんだ内容になっていました。

※イベント自体はR指定ではありませんが、以下「性」に踏み込んだ内容となります。閲覧にはご注意くださいね。


◆どうして「性」というテーマになったのか?

従来は家族連れも多く、秋冬時期は18時に閉まるサンシャイン水族館。今回の期間中も通常営業は行われますが、夜18時半からが「性いっぱい展」の本番です!



館内はピンクの照明の中でネオンが光り、妖しげなBGMが流れます。「ここって水族館なの!?」と早速動揺しました。

内覧会でイベントの趣旨など詳細を聞きました。



館長の丸山さんが登場。より多くの人に様々な生き物への関心と生命の大切さを伝えたい、という水族館の使命が語られます。

「性」というテーマは扱いづらい一方、多様性に富んでおり是非伝えたいものでもあったとのこと。従来水族館では、情報を歪曲させないため擬人化はしないのですが、今回はより多くの人に伝えるべく、見せ方を工夫する方針としたそうです。



続いて、入社3年目でありながら本イベントを企画した岸野さんが登場。ヒトとは違う求愛や繁殖などの深い世界を面白く感じ、「性」がテーマの展示を実現。さらに他スタッフとも協力して、館内をムーディーな演出にし、パネルやフォトスポットの設置など見せ方にもこだわったとのこと。



期間中の金・土曜日は、飼育スタッフ自らが毎回色々な生き物の「性」を熱く解説する、性いっぱいトークが行われます。今回は具体的な名称が出ないようChinChin♪とベルが鳴らされるサービス(?)付きで披露。



たとえば岩礁に貼りつくフジツボは、ChinChin♪を伸ばして行為をします。体長の8倍という数値は、全生き物の中でもトップクラス。さらに雌雄同体なので、互いに入れ合うのだそう!

◆これが水族館!? 想像以上の「性」表現



では、ピンクのカーテンをくぐって、展示を見ていきましょう。



まず目に飛び込んだのは、ごく普通の(?)水槽。ほっ。説明パネルには、サンゴの産卵をサンゴ女子とした擬人化イラストが描かれているため、親近感が湧いてきそうです。



しかし次にあったのは、のぞきBOX。ハート型の穴に誘惑され、ついついのぞいちゃいました。

うーん、これは……人間だとモザイクが必要な映像だなぁ。それにしても、水族館で「見る」のは普通の行為なのに、「のぞく」となると何故イケない気持ちになっちゃうのでしょうか?



複数あるのぞきBOXに加えて、おさわりBOXもあります。特別にそのうちのひとつをご紹介。

 

なんと凍ったサメ。人間のChinChin♪に当たる「クラスパー」という部位が2つもあるんです! せっかくの機会、じっくりと触ってみましょう。サメ肌が本当にザラザラというのもわかります。

ほかにも、横から触ったあとフタを開けて中身を知るおさわりBOXもあり、遊び心満載です。



生態ならぬ「性」態診断もありました。男女別に分かれているため、カップルでやってみると意外な野性的性癖を知ることになるかも……?

友達同士の場合、インスタ映えするフォトスポットも楽しいでしょう。ネオンきらめく夜の水族館で、ムーディーな雰囲気の中で泳ぐ魚たちとの撮影が可能です。





2階のフォトスポットでは、さらに大胆に水槽の前にソファとクッションが用意されています。普段の水族館ではまず見られない光景です。



近くには「愛の結晶」ともいえる、半年前に生まれたばかりの貴重なバイカルアザラシの赤ちゃんがいます。

性解説パネルによると、オスはメスがその気になるまで交尾をしかけ、メスは全力で拒むのだそう。さらにその下には、人間に例えた説明があるのですが……。「エッチなイベント」「手を握って」「ここから最も近いラブホテル」という単語を、水族館の中で目にするなんて!

なお企画した岸野さんのイチオシは、シオマネキとその性解説パネルだそう。潮を招く……。えーと、これ以上は実際に現地で確認してくださいね!



ついつい性的興奮が知的好奇心を上回りそうですが、もちろん多様な生き物を観察できます。アオリイカは、オスがメスに荒々しく精子カプセルをねじ込むんだとか。



クマノミは、オスとメスが協力して卵の世話をします。また、オスがメスに性転換することもあるそうです。

岸野さんの話では、展示している生き物の大半はこれまでと同じですが、「性」という切り口にとことんこだわったそう。従来の水族館の光景を、まったく違ったものとして見ている自分がいました。



◆おみやげは「マル秘 袋とじ」 

  展示を抜けると、(通常の照明の)物販コーナーがあります。



今回の展示に合わせ、説明イラストが描かれた限定のTシャツや、マスキングテープなどが販売されています。生々しい「性」ではないので、キュートに普段使いもできそうです。



なお、お土産として来場者全員へプレゼントとして「マル秘 性いっぱい袋とじ」が渡されます。 表紙には「水槽に入り切らない性のトリビア集」と書かれており、中には、より奥まで突っ込んだ「性」の情報がぎっしりでした。



以上、夜の水族館での「性いっぱい展」レポートでした。

「性」というテーマは色々と扱いづらいものですが、正面からぶつかると同時にユーモア交じりに演出することで、恥ずかしがることなく楽しく多様性を理解できる展示に感じました。
秋の夜長。日が沈んだ後のサンシャイン水族館を、性いっぱい楽しみに行きませんか?

夜のサンシャイン水族館「性いっぱい展」

◎開催期間:2019年9月27日(金)~11月4日(月・振休)
※10月17日(木)は休業
◎営業時間:18:30~22:00 ※最終入場は1時間前
◎会場:サンシャイン水族館 本館(東京都豊島区東池袋3-1)
◎入場料:大人2,200円の他、ペアチケットなどあり


(イベニア/高柳優)


>さらに読む