近年10月末にSNSでバズる「地味ハロウィン」をご存じですか? ハロウィン定番の派手な仮装ではなく、「回覧板を回す人」など地味だけどひねりの効いた仮装を楽しむイベントです。
2014年に提唱し、実践・開催しているのはwebサイト「デイリーポータルZ」編集長の林さん。今年も開催との報を受けて、行ってきました。
コロナ対策を加味した、2020年の地味ハロウィン
今年はコロナ対策のため、リアル・リモート・twitterの3つで開催。リアル参加は東京・二子玉川が会場で、参加者もキャパの半分以下に制限。合間に十分換気をする全3部の入れ替え制です。
筆者は2部から参加。50名超が入場し、林さんとMC2人の進行で開演。参加者は順にステージにあがり、何の仮装か発表しMCと約1分トークの流れです。「わからない仮装でも笑って盛り上げて、自分も笑ってもらいましょう」と伝えられ、いよいよスタート!
トップバッターは女性の方。ユニフォームを着ただけに見えますが……
「女性eスポーツ選手です」
わかる~、こういう感じあるよね、と盛り上がります。
参加者の男女比はほぼ同じで、年代は20~40代が多め。中には親子で「GAPの店員さんとほうれん草が好きな子ども」の仮装もありました。
細かすぎるシチュエーションもあれば、無機物の仮装もあり。「もはや仮装大賞!」と突っ込まれたのは、(ラーメン屋・一蘭の)「味集中カウンター」でした。
途中でリモート参加と中継。「オンラインミーティングで透けちゃった人」など、リモートを逆に活かした仮装が発表されました。
会場でも「下半身パジャマでweb面接を受ける就活生」があり。他にもマスクやレジ袋関連は多く、今年のトレンドを意識していると好評でした。
スポンサー紹介も相撲の懸賞風の仮装で、会場は拍手喝采でした。
全員の発表が終わり、メルカリから「メルカリで売られた人」へ特別賞が授与され、一旦おひらき。残りの時間、会場では参加者同士で会話や記念撮影が行われました。
気になった仮装とインタビュー
ここからは2・3部で気になった仮装の人たちにインタビューしていきます。
第2部トップの「女性eスポーツ選手」と「ベンチャー企業の人事」。生で見学するつもりでの初参加がすぐの登壇でビックリしたそう。日常そのままかと思いきや、実際は職業や服装も全然違うとのこと。
「マスクしたまま吹きたい人」と「違いが分かる男」。仮装に寄せるのでなく、私服をベースに合わせるというチョイス。過去4回参加したが、今回はお酒を飲めず(前回までは会場で飲食アリ)初めてシラフで見て楽しめました、と違いが分かるコメントでした。
「めぐリズムのパッケージ」。実際に日頃使ってるめぐリズムそのままで低予算での実現。古着屋で百円だったという服の色、角度も含めて、似てる!
「味集中カウンター」は2日前の夜に思いつき、昨日1日がかりで作った力作。ただ費用は3,000円以下。去年は「チーズハットクが伸びなかった人」の仮装だったそう。
ここからは第3部。「ひげ剃りの失敗をマスクに救われた人」は、マスクを外すと鼻の下に絆創膏が……。ビシっと正装なだけにおかしみが強いですね。MC曰く「これは概念の仮装だ」とのこと。
好きだからとの理由での「アルフォート」。箱を作るのは面倒で、地味ハロウィンはこれくらいがちょうどよいだろうとの潔さです。
第3部のメルカリ特別賞は「段ボールを集めて回る、文化祭の高校生」。地味ハロウィンの魅力を、「自分の記憶をたどると出てくる、誰も傷つけないあるあるの共感」と答えていただきました。
「競歩の審判」は、何度も参加の常連さん。どうして思いついたのかなどお互いの仮装について話すのも地味ハロウィンの魅力とのこと。
個人的に“どうして思いついた”感の1位は「蛍光灯のヒモ」。元々はペアでの仮装の予定でしたが、単独でいったほうがよいと考慮の末に決めたそう。
そして「プロデューサー」に仮装した主催の林さんにインタビュー。初めてのリモートで段取りに不安がありつつも、リモートならではの仮装もあって面白かった。来年もこういう形でやっていきたいとのことでした。
おまけ・ステージ上からの風景
実は筆者も第3部で持参した小道具をつけ「お城を案内してくれる地元のボランティア」として登壇。
実際にステージにあがると緊張し、MCとの会話でいかにほぐされるかが実感できます。終わった後「ぽかったですよ」と言われると、リアルに嬉しさを感じました。
参加者のかたにお話を聞くと、皆さんただ笑わせたくて仮装した人ばかり。そして、渋谷での派手ハロウィンはあまり興味無く、地味ハロウィンのほうが自分的にしっくりきて好きというお答えでした。これぞ仮装の神髄かも!?
(イベニア/高柳優)