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おいしい虫がわんさか! 日本初「虫グルメフェス」で昆虫食を味わう

アイコン昆虫食はもう「ゲテモノ」じゃない! サスティナブルな注目食材

2020/12/07(公開:2020/12/04)
【注意】虫の画像があります

■昆虫食グルメが一堂に

2020年11月26日(木)から29日(日)まで「虫グルメフェス Vol.0」が開催された。最近、世界的にも注目されている昆虫食。それを象徴するかのように、東京駅グランスタのど真ん中、東京駅地下1階のイベントスペース「スクエア ゼロ」が会場となっている。



昆虫食の第一人者である昆虫料理研究家・内山昭一氏を特別アドバイザーに迎え、実際に昆虫料理を提供している酒場「鳥獣虫居酒屋 米とサーカス」や、「昆虫食 TAKEO」 などが出店。素揚げ料理や、コオロギからできたビールを提供。ドリンクやテイクアウトなども幅広く提供され、気軽にさまざまな昆虫食メニューを味わえる日本初のイベントだ。



■虫メニューを食べてみた

会場にはさまざまな昆虫食メニューが並ぶ。さっそくそれらをライターふたりが試食してみた。
 
<昆虫食に対するイメージ>

ライター・きくかお

昆虫食は未経験。イメージは見た目がグロテスク。どんな味がするのか想像がつかない。食欲がわかない。

ライター・篠崎

取材や旅行でさまざまな珍味を食べてきたが、昆虫食は初。タランチュラを食べられたので虫もいけると思う。しかし、まるごとはやや抵抗がある。特に蚕系は噛んだときに「ぷちゅっ」としそうで不安。



【試食したメニュー】

・3種のハンバーグ食べ比べセット~コオロギ・鹿・牛豚~
(鳥獣虫居酒屋 米とサーカス)


 
コオロギの比率が異なる3種のハンバーグ。コオロギ多めのハンバーグは、淡白であっさりした味わい。

同店では駆除されたスズメバチが丸ごと入ったスズメバチ飴も提供していた。冬眠に入る前の秋が旬なのだそう。



・サゴワームとオオスズメバチ幼虫のバターソテー
(はまる食品)



見るからに「幼虫」なルックスで思わずたじろいでしまったが、思い切って噛んでみると外はカリッ、中はジューシーで美味しかった。肉厚なソラマメのような感覚。

・大型オオスズメバチのドライフーズ
(はまる食品)



スズメバチそのもの。幼虫よりかなりハードルが高い……。目があってしまうので視点をそらしながら口に入れる。食べてみるとサクサクした乾燥エビのような、軽い食感とあっさりした味わい。

・はちのこおにぎりセット
(虫グルメフェス実行委員×YouTubeチャンネル「バグズクッキング 昆虫食&虫料理」オフィシャルキッチン)



はちのこおにぎり、コオロギ吸い物、カイコのフン茶のセット。はちのこ入りのおにぎりは甘辛くて、プチプチとした食感が楽しい(雑穀も入っている)。内山先生もイチオシの一品とのこと。

コオロギのお吸い物は、究極まで余計なものを削ったシンプルな味わい。非常に繊細で上品なダシがでている。サクサクしたコオロギの食感もアクセント。



カイコのフン茶は、言われなければ(というか言われても)まったくわからない。ハーブのようないい香りがする。カイコが食べている植物の香りだそう。カイコのフンは漢方にも使われているとのことで、身体にもよさそうだ。

・スズメバチレモネード
(鳥獣虫居酒屋 米とサーカス)




 
レモンとはちみつの相性のよさはみなさんご存知かと思う。何の違和感もないおいしいレモネードだが、たまにスズメバチの脚が口に入ってくる。特にスズメバチの風味(今日初めて食べたのでよくわからないが)は感じなかった。

そのほか、冬虫夏草やシアワームを漬け込んだ薬膳酒もあり、インパクト抜群。


<実際に昆虫食を食べてみた感想>

ライター・きくかお

まるごとの素揚げは最初抵抗があったが、食べてみるとエビのような味でスナック感覚で楽しめた。味付けがしっかりされているので、違和感なく食べることができた。ただ、まるごとはどうしても食べる時に目が合っているようで食べにくい……。

カイコのフンを使ったお茶は薬草のような香りで飲みやすかった。糸を作る、そのまま食べるだけでなく、フンまで使えるとは驚き。

ライター・篠崎

心配だったカイコ系もジューシーな感じで美味しかった。昆虫食マニアが幼虫やカイコを絶賛する気持ちが少し理解できた。

コオロギやハチは脚や触覚がのどにひっかかる感じがするので、よく噛んで食べるべき。昆虫そのものはそこまで味がしないので、味付け次第でいろいろな料理に使えると思う。



■昆虫食の第一人者・内山先生の講演



20年間昆虫を食べてきた内山先生も、ここ数年特に昆虫食への注目度の高まりを感じているとのこと。実際のデータなどを見ながらお話を聞き、あらためて昆虫食は世界中で広がっており、食糧危機や環境保護の点でも有効なものであることが分かった。

講演を聞いているうちに、昆虫食への偏見がなくなり、食べてみたいという前向きな気持ちになった。

日本でも2013年以降多くの企業が昆虫食ビジネスに参入しており、さまざまな商品が展開されている。講演の中でもいくつか紹介されたが、特に印象に残ったのは「タガメサイダー」。

タガメのオスはメスをひきつけるためのフェロモンを出しており、それがラフランス(洋ナシ)のような良い香りなのだそう。



■昆虫食すごいぜ!

昆虫食に対して見た目が気持ち悪いなど、ネガティブなイメージを持っていたとしても、実際に商品を目の前にすると、そのイメージががらりと変わるはず。




パッケージがお洒落でかわいいコーヒーは、昆虫食活動家・昆Tuberかずきさんが開発した虫を使った一品。コオロギ、カイコなど、使う虫によって豆の種類なども変えているそう。

コーヒーやゴーフレット、サイダーなど、虫の形を残さないメニューや商品も多く、種類の豊富さに驚いた。抵抗なく昆虫食を楽しめる時代になってきている。



これまではどうしても「ゲテモノ」なイメージがあったが、ここ数年でそれが変わってきている。一部のマニアが楽しむものからより多くの人が味わえるもの、嗜好的なものから社会的な意義があるものになっている。このイベントを通じて昆虫食はメジャー食材のひとつになっていくことをアピールできるだろう

来年には虫グルメフェスVol.1も予定されているとのこと。ますますムシできない昆虫食、ぜひ味わってみては。

篠崎夏美・きくかお/イベニア

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