B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-
2013/09/22 神奈川・日産スタジアム 2日目(ライブ編)
いよいよ会場内に入る。近年のライブは、入場まで席の番号が分からない。入口で席の番号を確認するシステムになっている。このため、開場15:30、開演18:30というかなり余裕のあるスケジュールになっている。
会場内ではスクリーンにこれまでのライブ映像が流れていた。映像化されていないものもあったので、かなり貴重だろう。こういったスペシャルな演出、ゲームなどがあることもあるので、早めに入っておくことをおススメする。
また、入口では冊子も配られる。今回のツアーでは、月ごとに内容が異なるらしい。グッズや、ファンクラブの紹介、スタッフの裏話まで、情報満載でなかなかの読み応え。ほぼ毎回こうした小冊子が配布される。
コナンがB'z25周年をお祝い。こうした広告もB'zに関わるもので面白い。
B'zのドーム、スタジアムクラスのものはステージセットもかなり大がかり。今回はスクリーン3つ、中央のものには装飾が付いていた。ステージ後ろには青いカーテンのような布がかけられ、25周年ロゴのついた柱も。まるで宮殿や、博物館を思わせるステージ。
場内が暗転し、いよいよライブスタート。このライブのために作られたギターソロ「OVERTURE」が響き渡る。トラスが徐々に起き上がり、クロスして‘XXV’を形作る。そしてロゴからは火が吹き出し、燃え上がる演出。最初から観客を釘付けにした。
以下、セットリストと共にB'zのライブで押さえておくべき「お約束」をPOINTとして紹介する。特にライブで演奏することが多い曲や、毎回恒例になっているものに特化した。もちろんこの他にも、細かい恒例となっているフリ、掛け声があるので、興味がある方は調べるとより楽しめるだろう。
―――― セットリスト ――――
1.ENDLESS SUMMER(未発表曲)
いきなりの知らない曲に、会場は少し戸惑い気味だったように思う。
2.ZERO
POINT1:ラップ部分は大合唱
曲の中盤にラップ部分がある。歌詞カードには載っていないので、インターネットか、お近くのB'zファンに聞いて覚えておこう。ちなみに、今までの公演では歌詞がテロップで流れたりしたことも。
「君の家につっこもうかなんて~♪」のところでの稲葉さんの動きにも注目(主に腰)
MC.B'zのLIVE-GYMにようこそ!
POINT2:一番大事?! 「B'zのLIVE-GYMにようこそ」に乗り遅れるな
B'zのライブでは、稲葉さんが「B'zのライブジムにようこそ!!」と叫んでライブの本格的な幕開けとなる。ライブ中1、2を争う盛り上がりを見せる。稲葉さんの動きに注目し、セリフを言い終わったら大歓声を上げよう。
毎回、色々と趣向を凝らした演出が行われるので、そちらもチェック。今回は、いつものように稲葉さんが「B'zの、B'zの・・・」と言いだすが、それを遮る咳払いが・・・。振り返る稲葉さん。咳払いの主はB'zのリーダー松本さん。気を取り直して、続けようとするとまたしても咳払いで遮られる。
すると、松本さん、何やら手に持ったヒモを振り回す。稲葉さんが引っ張ると、良く見る手品のように旗がするすると・・・。そしてそこには「B'zのライブジムへようこそ」の文字が。稲葉さんが文字を読み上げ、無事にライブ開始!!!
3.Pleasure 2013 ~人生の快楽~
POINT3:Pleasureの‘アイツ’がどうなるのか?
Pleasureツアー 毎に、二番の歌詞が変わる。Pleasure '91・92、Pleasure '95、Pleasure '98、Pleasure 2000、Pleasure 2003、Pleasure 2008と、‘アイツ’が大手に就職したり、親父になったり、一人になったり、全部捨てて旅に出たり、旅から戻って来たり、生まれて初めて守りたいものが出来たりしている。
そして今回のPleasure 2013の歌詞は、「音無沙汰のないまま ふたつみっつ夏が過ぎていって あいつも 何処かで元気にやっているはずだろ そのうちまた会えるといいね」またどこかに行ってしまったようだ。次はアイツがどうなるのか気になるところ。
4.LADY NAVIGATION
最後の「I・O・N!」を客席が歌うのはもうお馴染み。昔は振り付けがあったそう。
5.太陽のKomachi Angel
夏らしい曲が続く。ややレゲエ風のアレンジのように感じた。LADY NAVIGATIONからこの曲の流れは、あの大ヒットとなったベストアルバム「Pleasure」と同じ。これもPleasureツアーを意識してのセットリストか。
6.ねがい
「赤から黄色、白から黒へ♪」でちゃんと照明の色が変わる。B'zのライブは、毎回照明の色、光り方も大変工夫されているので、見ていて飽きない。
7.さよならなんかは言わせない
ここでまさかの選曲。CDカットされていないアルバム曲を持ってくるあたり、さすがPleasureツアーである。歌詞が「潮風は強く僕の頬をなでている 」のところが「‘君’の頬を」になっていたのは意図的か?
8.GOLD
金色の照明が美しい。皆が心を一つにして聴き入ってしまうような、壮大さを感じる。国歌のような雰囲気すらある。
9.C'mon
この選曲も驚き。昨年発売のアルバムタイトル曲。震災直後に発表され、前を向いて一緒に進もう、というメッセージが込められた曲だけに今後もスタンダードになるかもしれない。
10.松本ギターソロ Rain(未発表曲)
雨の映像から始まり、和のテイスト満載の映像が流れた。
11.核心
なかなかへヴィな曲だが、ライブ映えしていた。
MC:夏と言えば‘井戸’?!
POINT4:B'zのライブには井戸が欠かせない
初めてB'zのライブに井戸が登場したのは、2010年 の‘Ain't No Magic’ツアー。「だれにも言えねぇ」という曲にちなんで、井戸の中に「誰にも言えねぇ」ことをボヤく、という演出だった。観客が井戸から見上げるような映像で、波紋の演出などもあった。
そして、2011年の‘C'mon’ツアー、「DAREKA」終盤、稲葉さんがが「誰かー!」と叫びながらステージ床下に消える。どよめく客席。その、直後に井戸と共にせり上がって来る稲葉さん・・・。観客はまさかの井戸再登場に大喝采。
また、稲葉さんから井戸に入るよう言われるも、断固拒否し続けた松本さん。しかし、ドーム公演からは遂に井戸に入る。だが、普通の井戸ではない。なぜなら『俺は松本だ』から。黄金の井戸を特注した。
稲葉VS松本の井戸合戦はまだ続く。稲葉さnの井戸に「C'mon」の家紋(ダジャレである)が付けば、松本さんの井戸には黄金の家紋が付く。遂に千秋楽公演では松本さんの、井戸が電飾で彩られたのであった・・・・。
今回のツアーでは、稲葉さんの「夏と言えば?」という問いに、会場からは、『海!』、『花火!』などの声があがる。しかし、稲葉さんは一切無視。「100人に夏と言って思い浮かぶものを聞いたら99人がキャンプファイヤーって言うと思うんですけど・・・」と始める。そして、キャンプファイヤーの役目で‘井戸’登場。3度目の井戸の登場にどよめく会場。稲葉さんは「井戸じゃない!」と主張。チャッカマンで着火。実際に炎が上がる。
12.あいかわらずなボクら
サポートメンバーも含め、全員がステージ中央へ。メンバー紹介も兼ねて皆が一言ずつ挨拶。ベースのバリーは、結構長く英語で話すも、稲葉さんは最後の一言しか通訳しない。ドラムのシェーンはかなり日本語が上達した。シェーンも、バリーも、アコースティックギターを抱えて歌う。キーボードの増田さんはタンバリンと、ラッパ?笛?で参加。増田さんがこんなに歌が上手いとは・・・。さすが増田塾長。稲葉さん以外のメンバーが歌い、稲葉さんがそれにコーラスをする、という珍しい形式。カラオケのように歌詞が表示され、最後には「25TH」カロリーの表示。シルエットもB'z。
かなり懐かしい曲だったが、周りは結構一緒に歌ったり、盛り上がっていたように思う。そのまま稲葉さんのブルースハープソロ突入。まさかの「赤とんぼ」。こんなにブルージーでカッコいい赤とんぼは初めてだ。
13.愛のバクダン
巨大な飛行船登場。20メートルくらいあるだろうか。機体にはこれまでのライブツアーのロゴが付けられている。ハート型の紙吹雪を散らしたり、搭載されたカメラで上から客席を撮影したりしていた。人力で下から紐を引っ張って動かしていた模様。数人で紐を引っ張りながら客席を走り回るのはかなり大変そう。
14.イチブトゼンブ
ここ数年のライブではお馴染みになった曲。稲葉さんがイントロでリズムに合わせてジャンプする、「ひとつありゃいいのに♪」で人差し指を立てる仕草がお馴染み。
15.LOVE PHANTOM
これもライブの定番曲。緑のレーザーもセット。ライブの為に作られた曲だけある。
16.Q&A
忍者と侍が登場。殺陣と、アクロバティックなダンスを披露。PVの世界観を演出。侍は炎燃え盛る刀を使って闘っており、迫力があった。
17.NATIVE DANCE
1993年の渚園で行われたライブでは、稲葉さんがクレーンの上で踊っていた姿が印象的。今回も振り付けがあった。
18.さまよえる蒼い弾丸
POINT5:さよならしようで、一緒にバイバイ
ライブの終盤を盛り上げる曲。「さよならしよう♪」のところで大きく手を振る。以前は曲の始めに、稲葉さんが口に含んだ水を吹き出すことが多かったのだが、最近見られなくなり淋しい限り。こう書くと少し汚い感じがするのだが、そこは稲葉氏、非常に美しく、かつエロティックに水を撒くのだ。
19.ギリギリchop
POINT6:タオル回し全開!!!
この曲が来ると思ったらすぐタオルをスタンバイ!イントロ、サビで腕を掲げてタオルをぐるぐる振り回す。タオルの勢いで腕が飛んでいくのでは、と思うほどに。ただし、周りのお客さんに迷惑にならないように。このあたり、B'zファンは心得ていて小さいハンカチを使ったり、タオルも短く持ったりして、配慮しながらのタオル回しが恒例。
20.RUN
歌詞の内容がB’zの二人を反映したもので、それに自分とB'zの関わりも重ねて思わず目頭が熱くなる。これからも歌い続けてほしい大切な曲。
ここで本編終了。今回はウェーブに加え、BANZAIのリズムの手拍子と万歳コールも起こっていた。
<アンコール>
21.juice
毎回観客と稲葉さんの掛け合いがある。そして毎回稲葉さんの声量には驚かされる。
22.ultra soul
POINT7:ウルトラジャンプ!!!
サビの最後、「ウルトラソウル!!HEY!!」の、HEY!で思いっきりジャンプする。ほぼ、ギリギリchopとjuiceとセットで、ライブの終わりには必ずと言っていいほど演奏される定番曲。ネタでしかウルトラソウルを知らない人は、ぜひ本物の迫力を味わってほしい。また、特効も大爆発。
最後は2500発の花火が、XXVを作りながら豪快に打ちあがった。ツアーファイナルということで、特別な演出なのだろうがここまで大規模なものは見たことが無い。圧倒されるくらいの迫力だった。
POINT8:最後のシメ、「オツカレー!」は絶対参加したい。
B'zのライブは最後に「せーの、オツカレー!」というコールで締めくくられる。タイミングが難しいので事前にDVDなどで確認することをお勧めする。コツとしては‘オツ’で片手でこぶしを作り、ためる(やや後ろに引く)、‘カレー’で握った手を上にあげるイメージ。ライブの感動でぼーっとしていると乗り遅れ、かなり後悔することになってしまう。メンバーがステージ中央に集まってきたらそろそろのサイン。稲葉さんの「せーの」を聞き漏らさないようにしよう。
POINT9:まだある、最後のお約束
オツカレー!が終わった後、B'zが客席にお礼の挨拶などをしていると、アメリカの野球場で流れているような曲が流れてくる。この曲は「ひとりじゃないから Theme Of LIVE- GYMというライブの為に作られた曲。最後に地名をみんなで叫ぶところがあるので、横浜とか、大阪とかそれぞれ開催地を叫ぶ。
ロックアスリート、と言われるほどストイックな姿勢を貫き続けるB'z。松本さん、稲葉さん、それぞれ持って生まれた才能もあるが、それをさらに光らせるための努力をし続けていることがひしひしと伝わってくる。やはりB'zの真骨頂はそのライブコンサートにある。
25年経っても、変わらず前へ、前へと進み続ける彼らだからこそ、ここまで愛され続けるのだろう。
2013.09.24 文・写真 篠崎夏美