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メイドを愛する人達の「メイド展」 あなたにとってメイドって何? 

アイコン「メイド」凝縮された濃厚空間

2017/09/16(公開:2017/09/15)
「メイド」と聞いて、あなたはどんな想像をするだろうか?

主人に忠実で、立ち振る舞いも洗練されたメイド?
メイドカフェで、「萌え」 と「癒し」を提供してくれるメイド?
まるで仲の良い兄弟のようにしたってくれるかわいらしいメイド?
あるいは自らも武器を取って戦うメイドだろうか?


実際に存在し、多くの作品のキャラクターとしても取り上げられているメイド像は、もはや人の数だけ存在すると言ってよいかもしれない。

2017年9月14日(木)~18日(月)の5日間、千駄木のギャラリー幻で開催された「メイド展」は、さまざまなな作家のメイド像が一挙に集結した場。

入口には、メイド服を着たマネキンが、「いらっしゃいませご主人様」といわんばかりに迎えてくれている。中に入ると、実際に同じ言葉で迎え入れられることになった。



ギャラリーの壁には、ずらりとメイド作品が展示されている。そしてすでに多くの作家さんが在廊していた。取材時にギャラリーにいらっしゃった数名の作家さんに、ご自身の作品について教えてもらうができた。作家さんとの距離が近いのも、このイベントの魅力である。

飴戸あむさんの作品はとても大きな「目」が特徴的。あむさんにとって、理想のメイド像が表現されているという。顔のパーツも鼻や口が小さくかわいらしく、それにより大きい目が強調されている。



多忙であるため、一旦こうした展示などの活動は休止される予定だというあむさん。今回は、そんなあむさんの作品を観られるレアな機会といえるだろう。

植物と女の子をモチーフにした作品のほか、hachikaさんとのコラボ作品も実現。どちらかというと女性目線でのメイド像を表現したあむさんと、男性目線のhachikaさんのメイドさんが並ぶ。不思議と一見して違和感が無いのが不思議だ。



らいかさんの作品は、一見柔らかい表情で優しい雰囲気をしたメイドさんが描かれている。

しかし、よく見ると、あるメイドさんはタバコを片手に持ち、あるメイドさんは向こうをむいて、スカートをたくし上げているのがわかる。他のメイドさんにも注意してみると、地べたに座り込んだり、ボーッとしているのが見て取れる。



そう、このメイドさん達はタイトルの「休息所」の通り、裏側で休息をとっているのだ。そんな時のメイドさんは表側での振る舞いとはうってかわって、とても自由奔放。女性なら共感を、男性には意外性をもたらしてくれる作品だ。

「搾取」というテーマで、メイドという存在が、他者によって搾取されている姿を表現した作品も。メイドの身体に触れている手は、男性のものだけでなく、女性のものもあるという。



実際にメイドとしてお仕事もされていたNAOYAさんが作成したカチューシャは、メイド経験だからこその着けやすさが考えられている。あえて細目につけることで、頭の締め付けを弱くしているのだそう。

実体験から基づいて制作されたアイテムには、デザインに機能性があって使いやすいと言える。



モデル、パフォーマーである鉄観音サワラさん。今回は主催の帆呂(ほろ)さんハンドメイドのメイド服を着て、スタジオにて写真撮影を行ったそう。素敵なデザインのロング丈のメイド服。腰の編み上げの形がきれいで、帆呂さんは腰の「キュッ」としたところに「キューン」とくるそうだ。


販売されている写真は2種類だが、実際はもっと多くのパターンが撮影されたようで、どれもクールだった。メガネの奥から放たれる凛とした眼差し。端正なお顔立ちと清楚なメイド服がとてもよく似合っている。

鉄観音サワラさんと帆呂さんとは、ほかのイベントで一緒になった際に意気投合し、こうした形でメイド展に参加することになったそう。





お絵かき流人のえずろくさんの作品は、このイベントの声掛けされた際に「メイド」というテーマのみを聞いて作り上げたという作品だという。

とてもキュートで、元気の良い作品。えずろくさんの作品に出てくる「うみねこ」ちゃんと「からすねこ」ちゃんが、それぞれメイド服を着ている。見習いメイドをイメージされたということで、とにかく元気いっぱいだ。

うみねこちゃんらしく(?)ゲソとハマグリをお出ししているのがツッコミどころ。ハマグリはともかくゲソの飲み物はどんな味がするのだろうか?



和風、という言葉だけでは片づけられない、華やかなメイド服をまとっているのはコスプレイヤーのあきらさん。

桜餅をイメージしたキャラクターということで、春の間だけメイドとして仕えてくれる存在なのだという。まさに春の妖精メイドのようだ。カチューシャも、つまみ細工をちりめんで作成し、素敵なアクセントになっている。レースの部分は黒になっており「あんこ」をイメージ。上から下まで、全体で桜餅を表現している。



コスプレ元のキャラクターイラストも。あきらさんご本人のお姿かと思ったら、そこは強く否定されていた。ご本人もとてもかわいらしいお姿である。



今回「メイド展」を主催されたのは帆呂さん。自身もメイド服を着る帆呂さんが今回のイベントを主催されたのは、ひとえに「メイドが好き」の一言に尽きるそうだ。

幼少の頃から「メイド服」の素晴らしさに魅了されていたという。その魅力の第一には、メイド服が持つ「清楚さ」があるそう。帆呂さんが今回作製し、鉄観音さんが着ているメイド服も、白と黒、ロング丈と、まさしく清楚なメイドのイメージを体現している。

しかし、今回主催者として出展者を公募するなかで、メイドが持っている多様性にも驚かされたと言う。ギャラリーを見渡してみても、色やアイテム、露出、表現方法も千差万別である。また女性目線か、男性目線か、セクシャルか否かなどでも作品によって個性が見られる。







メイドという属性が世に浸透し、各地にメイドカフェが出来ている昨今。しかし「メイド」というテーマでくくった作品展示や物販のイベントはほぼ無かった。しかし、実際呼び掛けてみると、先着順で締め切らないといけないくらいの応募があり、メイド展に興味を示す人も多い。

メイドの持つコンテンツパワーは、とても奥深い。このイベントに足を運べばその一端を垣間見ることができるだろう。

(取材:イベニア)

<開催期間>
2017年9月14日(木)~9月18日(月・祝)の5日間
各日15:00~22:00(ただし最終日は20:00まで)

<開催場所>
カフェギャラリー幻
(文京区千駄木 2-39-11)

入場無料










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