東京・上野動物園
上野動物園の隣にある、東京藝術大学の学生たちの作品が展示される。今回は、Part1:にほんがずぅ日本画専攻2年生の作品が展示されるイベントに行ってきた。会場は上野動物園西園のズーポケット。動物園の中の展覧会だ。
JR上野駅公園口を出ると、パンダ型の看板がお出迎え
Part2は、メタリックアニマルズと題して鋳型作品が展示されるらしい
平日だがかなりの賑わい
これぞ、正しい‘動物園’という感じ。ちなみに、私は一人だ。
園内を走るモノレール
タイ政府から贈られた、サーラー・タイ(タイ式あずまや)。異彩を放っていた。
幼稚園(保育園かも)、小学校の団体が多かった。
いそっぷ橋から不忍池を眺める。
久しぶりに訪れた上野動物園、想像以上の広さだった。木々が多く、自然の中にいる動物たちを見ているような気分を味わえる。森に視界を遮られるので、道が分からなくなることもしばしば。
ここがズーポケット。周辺には子供たちの嬌声が響き渡っていたが、ここは静か。
日本画研究室の学生たちの作品が展示されている。モチーフとなっている動物は、、オオアリクイ、オオカンガルー、コシジロハゲワシ、、ツチブタ、ニホンザル、白馬、ハシビロコウ、ヒガシクロサイ、ベニイロフラミンゴ、ヘビクイワシ、ホッキョクグマなど。もちろん、全て上野動物園で見ることが出来る動物ばかり。展示替えも含め、およそ25点が展示されるそう。
想像していたほど‘日本画’という感じではなかった。全体的にふんわりとした、やや朧な色合いの作品が多い気がした。油絵にはない独特の雰囲気が出ていて、どの作品も良かった。落ち着いた「上野恩賜公園」にふさわしい日本画ばかり。伝統的な画材を使いながらも、若者らしいスタイリッシュな色使いや、構図が印象的だった。このまま襖など、和のグッズにしたら素敵だろうな、と思う。
会場には椅子がたくさん置かれていて、休憩がてら座って絵を眺めることも出来る。作者がなぜこの動物を選んだのか?なぜこの仕草、ポーズを選んだのか?などを考えながら見るのも面白い。また、実際に動物を見た後に絵を見ても良いし、絵を見た後に動物を見ても楽しめるのではないだろうか。
上野駅前のパン屋にて。チョコ入りコアラパンと、デニッシュ生地のパンダあんぱん。
上野の山周辺で行われているイベントの紹介パンフレットと、上野動物園の月刊パンフレット。上野は様々な博物館、美術館などが集まるので、こういうもので見つけたイベントに足を運んでみるのも面白い。
東京藝大では毎年、上野動物園でのデッサンが恒例になっているといい、そこからこのイベントが行われるようになったそうだ。学生たちにとっては多くの人に自分の絵を見てもらうチャンス、動物園としては絵を通じて生き物たちの新しい魅力に気づいてもらうチャンス、来園者にとっては動物を実物と絵で見られるチャンス、となっている。
動物がテーマの絵画展はあれど、実物を見られるイベントはなかなかないのではないか。そういった意味でも面白い取組みだと思うし、ぜひこれからも様々な作品を見たいと思う。
2013.10.22 文・写真 篠崎夏美