コラム「目に留まるイベント記事とは?」でもお伝えした、イベントのタイトルの重要性。
イベント主催者たちが頭をひねって考えており、「イベントタイトル学」と言えるくらい、奥深い。‘良いイベントタイトル’に共通しているのは、思わず興味を持ってしまうという点だ。
面白いもの、勢いがあるもの、様々なタイトルがある。前回は、「第1回 イベントタイトル学考察:ダジャレ編」として、ダジャレを使ったイベントタイトルの紹介と、ダジャレ効果ついて触れた。
今回は第2回「意味不明」編をお届けする。のっけから‘意味不明’だが、このようにしか表現出来ないイベントタイトルは、かなり存在する。『何を言っているか分からない』タイトルとも言える。どんなイベントかすら分からなければ、意味がないと思うかもしれないが、だからこそ目に留まり、気になってしまうのだ。
まずは『何これ?』と思ってもらい、中身を見てもらう‘ジャケ買い’効果である。そんな気になるタイトルのイベントを集めて、勝手に意味を付けてみた。
インベカヲリ★写真展「やっぱ月帰るわ、私。」
10.29[火]~11.04[月] /東京都/新宿ニコンサロン
「やっぱ○○帰るわ、私。」というタイトルだけでも何があったのか気になるのに、‘月’という一般的にはあまり帰る人がいないであろう場所が出て来て、2度びっくり。月に帰る、と言えばかぐや姫だが、現実に嫌気がさした女性の逃避行的だろうか。
2013.12.07[土]~12.07[土] /東京都 /EATS and MEETS Cay
「テクノ」と「うどん」。頭の中にある語彙の中でも、かなり遠いところにいそうな2つのワードがまさかのジョイント。どんなイベントかと言うと‘テクノのリズムに合わせてうどんをこねる’という、タイトル通りだけれどやっぱり良く分からないものだった。
2013.12.15[日]~12.15[日] / 愛知県 /長松寺
あの何でもそろう激安量販店ではない。ひらがなだけだと、良く意味が分からない。天狗や白狐が子供達を追いかけ、顔に紅ガラを塗りたくる、という奇祭だそう。不気味な狐のお面と、顔を真っ赤に塗られた子供の写真は結構怖い。なぜどんき、という名前かと言うと紅ガラを付ける棒を「どんき(鈍器?)」と言うかららしい。そのままだった・・・。
2013.11.01[金]~11.01[金] / 愛知県 / TOKUZO
「演奏会」とは‘楽器’を演奏するものだが、このイベントでは‘数学’の演奏をするらしい。一見結びつかないものだが、音楽を聴くようにリラックスして、楽しく数学についてのトークを聴ける、という意味があるようだ。
2013.10.01[火]~10.10[木] / 東京都 / コニカミノルタプラザ
白鳥三丁目という街に住んでいる、アンという名の女性(何だか水商売をしていそう?)の写真、と思いきや、アンというのはカメラマンの飼い猫の名前。アンというネコ の写真展だ。分かってしまえば、なぁんだ、という感じだが住所と名前(しかも猫)と性別だけで、こんなに不思議な、意味ありげなタイトルになる。
先っちょ展
10.20[日]~10.26[土] / 東京都 / デザインフェスタギャラリー原宿
先っちょ、という言葉自体も気になるし、大体何の「先っちょ」なのか気になるイベント。このイベントは、最先端のアートがテーマの展覧会。アーティストが「これ、新しくない?」と思った新しい作品が集められている。誰も見たことが無い最先端が、先っちょ、なのだ。
内容を見て納得するものもあれば、やっぱり良く分らないものも・・・。実際イベントを探す中でも、タイトルに思わずつられてしまうケースは多い。
1.最初に見て「何これ?」と思う
2.一体どんなイベントなのか想像する
3.実際の内容を確認する
なるほど!と思うのも楽しいし、中身を見ても意味不明だったとしても、それはそれで面白い。
一度で三度楽しめるのが、『意味不明』タイトルの醍醐味とも言える。分かりきっているものには魅かれない、という人間の興味、好奇心を上手くつかむことが出来るのだ。
2013.10.18 文・篠崎夏美