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120人の忍者が出現! 「忍者百人衆 江戸で伊賀の気配を探れ」忍者になって潜入取材

アイコン「忍んでいない」忍者たちが東京を歩く

2016/12/11(公開:2016/12/09)
去る2016年12月4日、東京・新宿や新大久保に突如として現れた多くの忍者たち。忍者たちを写真や動画で撮影する通行人や、忍者に向かって手裏剣を投げるふりする理髪店の店主まで現れて、街は騒然……。

もしかして、現代にタイムスリップしてきた忍者なのでは? 果たして、忍者たちの目的とは一体なんなのか……。



■忍者はタイムスリップではなく、一般人!

『千駄ヶ谷に忍者が100人ほど現れるらしい』と聞いて駆けつけると、そこには普通の人が受付で忍者の衣装を受け取っているではないか。



実は、ここに集まった“忍者”とは、伊賀上野観光協会・甲賀市観光協会主催の「忍者百人衆 江戸で伊賀/甲賀の気配を探れ」の参加者たち。現代に忍者がタイムスリップしたわけではなく、現代に生きる一般人だったのだ。

せっかくなので、イベニア取材班も忍者の衣装に着替えて加わってみた。



■個性派忍者たちが続々

「忍者百人衆 江戸で伊賀/甲賀の気配を探れ」の忍者の衣装は、伊賀と甲賀の2種類用意されている。イベニア取材班に渡されたのは真っ赤な忍者衣装(伊賀バージョン)。目立つ、かなり目立つ。





参加者は事前申し込みで、身長と体重を申告し衣装を用意してもらう。また忍者の衣装を持参した人にはイベント参加費が安くなる嬉しい特典がある。今回のイベントでは120人の参加者の中で、20人ほどがマイ忍者服だった。





伊賀忍者と甲賀忍者は互いに対立していたとイメージしがちだが、ともに互いを認めつつ共に忍者として時代を生きていたという。


■まったく忍んでいない忍者たちが街を歩く

このイベントでは、忍者の姿で忍者とゆかりのある地を巡りながらゴールを目指す。今回の移動距離はおよそ10km。着替えた忍者たちは、鳩森八幡神社にて無事に完歩できるよう祈願をしてもらう。





当日は、鳩森八幡神社にてフリーマーケット「だがやん」が開催され、多くの人が忍者たちを見送ってくれた。嬉しいことにおしるこや豚汁のサービスまで。出発前に腹ごしらえしていってきます!



大人数で、しかも忍者服で歩くからかなり目立つ。道中では道行く人にスマホで撮影されたり、テレビ電話で生中継されたり忍者は大人気。



ツイッターでは、新宿や新大久保で大量の忍者を見かけたという報告が相次いだ。いうまでもないが、まったく忍んでいない。
 
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■多国籍な忍者たち。女性忍者(くノ一?)も多数!

「忍者百人衆 江戸で伊賀/甲賀の気配を探れ」の開催は今回で3回目。なんと3回連続で参加している常連忍者もいるという。

年々問い合わせや取材が多くなり、今回は宮城や兵庫など遠方からも含めて、120人が参加。親子連れや夫婦、会社の同僚やシングルでの参加者もいた。また日本人のみならず外国人忍者の姿も。



主催者も外国人忍者にも楽しんでもらえるよう、パンフレットを英語にするなど親切心を忘れない。

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忍者をゲームで知って虜になったというフランス人忍者。今日ほかの外国人忍者と友達になったというから驚き。スマホを取り出し、いたるところで忍者仲間とともに撮影をしていた。



そして意外にも女性の忍者が多いので驚いた。今回初めて友人と参加したという女性は、小学校の頃から忍者になるのが夢で、今日夢が叶ったとご満悦。また、高校時代の同級生2人と参加していた女性は、滅多に忍者姿で街を歩くことがないのでとても楽しいと語ってくれた。


■忍者の痕跡を発見



道中にある忍者ゆかりの地に到着すると、ラスボス感漂う忍者姿の三重大学の山田教授が貴重なお話を聞かせてくれる。山田教授は忍者の研究のみならず海外でも講演活動などを行っているすごい人。ときにユーモアを交え、忍者初心者でもわかりやすく解説をしてくれるのが嬉しい。





出発地の千駄ヶ谷からほど近い四谷の笹寺(長善寺)は、武田信玄の家臣高坂昌信が庵をたてたのが起源とされるお寺。笹寺に伊賀の忍者(伊賀者)が集合し、伊賀者の頭の服部半蔵正成の長男・服部半蔵正就に対しての不満を、鷹狩りへ来ていた将軍の徳川秀忠に直訴したという。

服部半蔵正就は、自らの屋敷を建てる手伝いを強いるなど、まるで家僕のように、伊賀の忍者を扱ったそう。忍者が将軍へ直接訴えかけるなんて忍者たちも相当のストレスがあったのだろうな~と人間味を感じてしまった。






■イベントを通して忍者の地「伊賀・甲賀」にも興味をもって

主催者である伊賀上野観光協会の担当者は『伊賀や甲賀に遊びに来てと言っても難しいところがある。だが、東京都内を忍者の格好をして歩くことで、自分たちの身近なところにも忍者のゆかりのある地があるんだと認識し興味を持つきっかけとなり、伊賀・甲賀へも足を運んでもらえたら』と期待する。



今度はどんな所を歩きたいか聞いてみると、『皇居』という意外すぎる答えが返ってきた。皇居内を忍者の格好をして練り歩くのはいろいろと大人の事情があり、今回は実現しなかったがいつか、歩いてみたいとのこと。今後の伊賀上野観光協会の取り組みに注目していきたい。



「忍者百人衆 江戸で伊賀/甲賀の気配を探れ」の開始直後は、どうしてもはずかしい、道行く人にみられるのが嫌だという思いに駆られた。だが、いつの間にか多くの人に『忍者だ』と声をかけられたり、手を振られたり。度重なるスマホのシャッター音にも慣れっこになってしまい、次第に見られることが楽しくなっていった。

それどころかまたいつか忍者の体験してみたいと思うまでに。どうやら今回のイベントで、“伊賀・甲賀の忍者の魅力にとりつかれる”という忍術にかかってしまったようだ。

唐沢未夢/イベニア



































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