部下に丸投げ、会議では否定ばかり、金にはうるさい……そんな古臭いリーダーは要りません! 未来に残したくない上司コレクション「腐上司アワード2016」が、渋谷ヒカリエで開催されました。
世の中にはびこる古臭いリーダーを世の中に晒し、本当に新しいリーダーとは何か? を考えるためのイベントです。11月に行われた「Tokyo Work Design Week」内のプログラムとして展示されていました。
会場にはペンと紙が用意されており、自由に「腐上司エピソード」を書き込めるようになっていました。では、さっそく紹介していきましょう。
■酒とタバコと上司と部下
「『たばこミュニケーション』はもう古いです。たばこばっか吸わないで仕事してください」
何もしてないとサボりだけど、たばこだと許される風潮がありますよね。
「やたらタバコ吸おうよって言ってくる」
禁煙する意志は一切なさそうですね。
「お酒を飲まないと本音で話さない」
仕事の相談なら会社でしましょうよ。
■上司って、会議好きですよね
「深夜1時くらいに『ちょっと飲も』みたいなテンションで『ちょっと会議しよ』ってMTG設定するのまぢ頭おかしい♡♡ 愛せない♡♡ キレそう」
深夜1時! 普通の人は寝てる時間ですよ。
「ちょっと会話しよ → 会議室で3時間打ち合わせ」
ちょっとの意味、分かっているのでしょうか?
「5時間も6時間も上司をイエスと言わせる(いつもNoしか言わない) だけのうちあわせには興味ありません(せめて上司抜きじゃないと・・・)」
これだけ長いと集中力も落ちてきますよね。
■経費を私物化する上司たち
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「“チームビルディングのためなんだからしょうがないよな”、って言って仲の良い同期と経費で飲んでいる課長(43)」
それ、ただ飲みたいだけでしょう?
「会社の経費で支払っているのに『ごちそうさま』を強要してくる部長(48)」
会社の経費イコール自分のお金、という認識なのでしょうか?
「領収書を切るのに部下から会費をとる上司!!」
えっ……、そのお金はどこへ?
■残業はつらいよ
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「『睡眠時間6時間ないとキツイっす』って言ったら『学生かよwwww』とバカにされたのは数年忘れません」
厚生労働省は6時間以上8時間未満の睡眠が妥当としています。
(「健康づくりのための睡眠指針 2014」より)
(「健康づくりのための睡眠指針 2014」より)
「24:00をまわっての直電話はやめて…」
そろそろ寝る時間なのに。
「土日祝日すべて返上。政府はサービス残業で成り立っています。。。(ある国家公務員)」
ツライのは民間企業だけじゃないんですね。
■上司という以前に、人としてダメでしょ
「あいさつができない人。。。できれば、返してほしい…。」
できればじゃなくて、返すのは当たり前です。
「『ありがとう』が言えない」
上司のために一生懸命つくった資料、せめて一言欲しいですよね。
「発言がほとんど後ろ向き…」
モチベーション、下がりますよね。
■不機嫌な上司たち
「出社してすぐ『疲れた~はぁ~』って言うの何? 何を私に求めているんだー!!」
家庭でのトラブルを職場に持ち込んじゃうパターンかも。
「朝一、出社した途端に不機嫌はやめて! 何があったかしらないけど…まだ仕事のミスもしてないのに…」
こういうの、八つ当たりされそうでビクビクしちゃうんですよね。
「机もいいです。イスもいいです。でも、ゴミ箱を蹴るのはやめて下さい」
机もイスも蹴っちゃダメです!
■プライバシーの境界線があいまいな上司
「あたしのFacebookに全部『いいね!』するのやめて下さい…おかげでもうSNS嫌いになりそうです泣」
これはまさに、いまどきの「SNSあるある」ですね。上司にチェックされるFacebookに自由はあるのか? 問題。
「会社共有のLINEなのに、なぜ主任の奥さんが返事を返してくるの? プライバシーはどこへ?」
まさかの奥さん登場。ジワジワくる不快感ですね。
「聞いてもいないのに、共通の知り合いの離婚の内情をナチュラルに暴露する某社長にはまじでどんびきした。」
俺はそこまで知ってるんだぞ、と言いたかったんでしょうか。
■その他、イラストや意味不明なものも
「やたらパワポ好き。でも資料みない」
PPAPならぬ、PPT(パワーポイント)? ピコ太郎らしきイラスト。上司が似ているのでしょうか?
「『アレをアレしてアレしよう』とかいわれても、アレすぎてアレです」
これは確かに、アレですねえ。
色とりどりのペンで書きなぐられた、無数の線や点。もはや、言葉にならない感情を表現しているのでしょうか? 心の叫びが聞こえてくるようです。
「トルツメだよ! と、どなってくる上司がいます。でも意味分かってるのか…『ネイルをはずせ!』と説明されました。バカみたい…泣」
個人的に一番おもしろかったのはコレです。まさか“トルツメ”が「ネイルをはずせ」になるとは(笑)
一応説明すると、“トルツメ”とは校正の用語で「余計な文字や記号を削除した上、空いた部分を詰める」という指示のことです。
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最後に、今回のイベントをプロデュースした藤本太⼀さん(AHO合同会社 共同代表)にお話をお伺いしました。
――「腐上司アワード」はどのような経緯で企画されたのですか?
Tokyo Work Design Weekのプロデューサーから、「展示スペースがあるので、アホなことやってくれない?」と話がありました。今年のテーマが「新しい時代には、新しいリーダーを」だったので、逆に古臭い上司を排除するような展示ができたら面白いかなと思い、「未来に残したくない上司コレクション」を企画しました。
――ネーミングが面白いですね!
「クソ上司」だと少しきついというか、ネガティブになってしまうかな、と。なにか新しい言葉にしようと考えた結果、「腐女子」から響きだけもらって「腐上司」にしました。
――展示についてのこだわりポイントは?
カラフルなマスキングテープとペンを使って、展示自体はポップな空間にしました。というのも、愚痴エピソードがたまってくると会場自体がどんよりした空気になってしまいますからね。なるべく明るい雰囲気にすることで、みんな笑ってくれるかな、と。そのあたりは意識しました。
――どんな人が書いていましたか?
年齢層はけっこう幅広いですね。面白がって書いていく人もいれば、深刻そうな感じで静かに書いて、黙って帰っていく人もいました。
展示期間中、おじいさんみたいな人に説教を食らいました。「なんだこの展示は! 俺らの若いころは、こんなこと言わずに黙って仕事してた!」と言われましたよ。そのまま腐上司エピソードとして、晒したろかと思いました(笑)
――藤本さんが気になった腐上司エピソードは?
「ありがとうが言えない」ですかね。あと経費がらみのエピソードが印象に残りました。
今回集まった「腐上司エピソード」は、後日アフターパーティーにて“火葬”されるそうです。
筆者も元会社員なので、共感できるエピソードがたくさんありました。将来こんな上司にならないよう、気をつけたいものですね。
(村中貴士・イベニア)
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