面白いイベント情報を求めてイベニア

| レポート&ニュース |



SHARE

facebook

Twitter

濃すぎる“珍スポット”のナビゲーター、『東京別視点ガイド』管理人に会ってみた。

アイコン格言 「珍スポットとは、人である。」

2014/12/06(公開:2014/12/06)

「なんか変わったとこ行きてー、おもしれえ事がしてー」

そう思ったら、当サイトイベニアと併せてぜひこちらのサイトも見ていただきたい。

東京別視点ガイド は、首都圏の珍スポットや、珍イベントを紹介するサイトだ。大手のサイトが伝えないような、濃ゆい東京のガイドブック。現在は約500の珍スポットを紹介している。

‘珍スポット’とはどんな場所かというと、こんな感じの場所。


愛知県犬山『パブレスト100万ドル』
http://www.another-tokyo.com/archives/cat_10015144.html
2013年度のランキングで1位になった場所らしい。


宮崎県「高鍋大師」
http://www.another-tokyo.com/archives/50514005.html 


ヤバイ・・・。写真一枚だけで、こんなにヤバさが伝わってくる場所があるとは・・・。

そんなヤバイ珍スポットを、これまでに600カ所以上訪れているのが「東京別視点ガイド」管理人の松澤茂信(まつざわしげのぶ)氏だ。


どんな人かというと、こんな感じの人。


(左のアラレちゃん風の人)
【大阪・難波】「わがまま広場愛ちゃん」
http://www.another-osaka.com/archives/1009949206.html


仮装し過ぎで良く分からないので、もう一枚。




顔色悪過ぎでやっぱり良く分からないので、もう一枚。



ヤバイ・・・。写真三枚だけで、こんなにヤバさが伝わってくる人がいるとは・・・。

若干不安がよぎったが、待ち合わせ場所に現れたのは、礼儀正しく爽やかなイケメンだった。
(もちろん、仮装もしてないし、車でもないし、頭にパネルも付いていない)


<松澤氏の経歴>

19歳:大学で珍企画・珍イベントサークル「上智のアレ」を立ち上げ。

なぜサークルを設立したのですか?

イベントが好きだったこともありますが、それまで男子校だったこともあって『モテたい!』というのがありました。イベントサークルなら女の子も来るかな?と思ったんですが、僕らの代は全然ダメでしたね・・・(遠い目)

でもカトリック系の上品な大学だったこともあって「うちの校風に合わない」 と言われてしまって、現在は消滅してしまいました。みんなで集まってお昼食べたり、ゆるーいことしかしてないんですけどね。


23歳:就職予定だった会社の内定を辞退。

なぜ内定を辞退したのですか?

自営業をやりたかったんです。本当は何年か働いてからやろうと思っていたのですが、そんなに待つ必要あるのかな?時間がもったいないし、やっちゃえばいいんじゃないかな?と考えるようになって・・・。

25歳:高円寺にイベントカフェ「こころ、躍る、カフェ」をオープン。

なぜイベントカフェをやろうと思ったのですか?

イベントが出来るハコを作りたかったんです。でもすぐにやるつもりはなくて、最初はとりあえず不動産を見て回って、今後の参考にしよう⇒見学してたら良い条件のものを発見⇒じゃあ契約しちゃおう!という流れでした 

28歳:カフェ経営から手をひく。大喜利と珍スポットにハマる。

珍スポにハマったきっかけは?

面白いことがやりたかったけれど、人とかぶるのがイヤだったので、色々なところに視察に行きました。一番最初に行ったのは、コーヒーラーメンとかを出す『亜呂摩 (アロマ)』という喫茶店だったと思います。

かなりヤバイ、面白いところもあったんですが、そういうところって大体老人がやってるんですよ。とても20代、30代の若者は太刀打ちできないと思いました。それで、じゃあそういう店をやるのは将来にとっておいて、自分はそれを紹介したいと考えるようになりました。

珍スポットの主たちは、一本筋が通った考えを持っています。 それから、高齢の人がやっていることが多いんです。その人が亡くなったら、場所もなくなってしまうと考えると、その時と場所出会いって大切ですよね。

それから、若い人が面白いことや、場所を作ろうとすると『どう?これ面白いでしょ!』みたいなドヤ顔が透けて見えちゃったりするんですけど、老人がやってるところって‘本物の狂気’があるというか・・・。僕も将来はそういうところを作りたいです。


手動販売機でおなじみの「立石バーガー」。松澤氏が1日店長を務めたことも。


2011年4月から「東京別視点ガイド」を運営している。さらには2014年5月から姉妹サイト
「大阪別視点ガイド」も開始。大阪のディープなスポットを、身体を張って紹介している。さらにちょっぴり大人向けな「大人の東京別視点ガイド 」もある。

「大人の東京別視点ガイド」は、なぜ別サイトになっているのですか?

元々は『東京別視点ガイド』に載せてたんですけど、アダルトな内容もあったので、ちょっと色々問題がありまして・・・。ただ、彼女が出来て‘そういうところ’に行きにくくなってしまいましたけど(笑)


(こいつ・・・さりげなく彼女の存在をアピールしてきたぞ・・・)
理解がある人じゃないとキツイですね?

そうなんですよ。昔付き合っていた彼女は『珍スポットに行ってみたい!』と言ってくれて、理解がある子でよかった~と、色々珍スポットに連れて行ったら『ちゃんと楽しいところに行きたい』ってフラれたことがあります(笑) 

 
珍スポットはどうやって見つけるのですか?

最初はネットで変わった場所を集めているサイトを見たり、そういう場所が載っているガイド本を買いあさったりしました。気になるところはGoogle Mapにどんどんピンを刺して、 有名どころは行き尽くしましたね。

たまたま見つけて入ってみることもありますし、最近は友人や『東京別視点ガイド』のユーザーさんから、ここに行ってみて欲しいという依頼があります。みんな自分は行きたくないけど、怪しい場所の中を見てみたいんですよね(笑)

怖い思いをしたり、危ない目にあったりしたことはないのですか?

基本的にあまりにアングラなところや、危険なところにはいかないので、怖くはないです。明るい変人が好きなので(笑)

ただ、珍スポットと思いきや、話を聞いてみたら好き好んで変な場所になったわけではなくて、実は深い事情があった、ということなんかもありました。実際に行って調べてみないと分からないことは多いです。

珍スポットに関するイベントもされていますが、イベントはお好きなんですか?
(例:東京別視点ガイドBAR、珍スポツアー、珍スポ忘年会&新年会など)

大学でもイベントをやっていたし、イベントカフェもやっていたので、ある程度やり慣れていたので、始めることに抵抗はなかったです。やっぱり面白いイベントは好きですね。

今週末にもみんなで茨城県の珍スポットを回るツアーが行われます。今後も色々な土地の珍スポットツアーをやってみたいです。

東京別視点ガイド:珍スポバスツアー 茨城編

大型バスを貸し切って「1人では行きにくい」、「・・・かと言って、彼氏や彼女とも行きづらい」スポットを巡る。今回の目的地は茨城県。ダチョウ王国、ガマ洞窟、牛久大仏という3つの珍スポットを訪れる。茨城出身の筆者ですら、まともに行ったことがない折り紙つきのビミョーなところばかり!道中の車内では「サイト未公開の珍スポスライドショー」も開催されるという。


ガマ洞窟


ダチョウ王国


牛久大仏

イベントにはどんな人が来るんですか?

男女比は4:6くらいで、全体的に女性の方が多いですね。女性の方が好奇心旺盛なんでしょうか。年齢は20代から30代くらいが中心ですが、大学生や50代くらいの人まで幅広いです。


今後の展望を教えてください。

世界版の別視点ガイドを作りたいので、世界一周の旅に出る予定です。こういうスポットを紹介している以上、世界を見ないと嘘になると思うので。

それから、珍スポットの全面的な広報のようなこともしたいです。例えば公式サイト。珍スポットの中には公式サイトがあるところもあるんですが、あまり活用されていないんですよ。全然更新されていなかったり、魅力が伝わらなかったりするものが多い。

『もったいない!!もっとアピールすればいいのに!!』ってすごく悔しく思います。そういうところのサイトをブラッシュアップしてあげたり、なんなら自分がHPを立ち上げたりしてもいいかな、と。

自分のサイトで記事を書くのもいいんですが、それだと一時的なもので終わってしまう。だったら公式サイトに人が来て、その場所の魅力を知ってもらう方がいいですよね

また「東京別視点ガイド」は来年に書籍化されるとのこと。
・仮タイトル「死ぬまでに東京でやりたい50のこと」
・発行:青月社 予定価格:1260円(税込)

こちらで予約受付中 ⇒http://www.seigetsusha.co.jp/tokyo50/



珍スポットの魅力はどんなところですか?

これまでに600以上の珍スポットに行ってきましたが、結局は『人』だと思います。人の心って普段は見えないですけど、珍スポットは店主の心とか思考が具現化されているというか、ありありと分かるんですよね。そのへんに置かれている 一見無意味な物にも、その人なりの意味があるんです。

珍スポットと言われる場所には2つのタイプがあります。1つは自分演出型。オーナーが自分のキャラクターを演出して、それをお店にも反省させているところです。でも、普通の同じように悩んだりして、色々なことを乗り越えている姿に感銘を受けますね。

僕もこんな変なことばっかりやってて「自分は何やっているんだろう・・・」と思うことがあるので、そういうところで自分にリンクするところがあるんです。珍スポットの店主たちを見てると、彼らも自分の好きなことをとことん突き詰めて頑張ってるんだから、自分も頑張ろう!と思えます。

2つ目は天然型。オーナーの人格自体がお店や、オブジェなど、眼に見えるものとリンクしているパターン。どちらが良い、ということではなくて、それぞれの面白さがあります。


珍スポットに行く人に向けてアドバイスをお願いします。

最初は入りずらいと思うんですが、そういう人こそ、まずは『東京別視点ガイド』を見てください(笑) 結構雰囲気がつかめると思いますよ。

記事を書くときに心がけているのは、自分でしか楽しめない楽しみ方はしない、ということです。受け身の姿勢で行くというか、その場所に誰が行っても再現できるようにと考えています。

あとは自分が面白がることと、イジり方にも愛を持つように心がけています。たまにけなして、こき下ろしてる記事とかをみると「あぁ・・・」って悲しくなっちゃいますね。自分と珍スポットの店主は同じだと思ってるので。なんか共感する部分がありますし、将来的には自分で珍スポットを造りたいので‘先輩’ですね。


松澤さんにとって、珍スポットとは?

こんなことやってる自分が言うのもなんですが、「珍スポット」っていう言葉はあまり使いたくないんです。知らない人に説明しづらいので、仕方なく使っちゃってますけどね。全ての場所は突き詰めれば珍スポットだと思うんです。

お店もそうですし、言うなれば個人の部屋は究極の珍スポかもしれません。なかなか入りずらいですし、持ち主の趣味や意向が反映されて固有の特徴がありますよね。 防犯上の理由なんかもあって難しそうですけど、 そういう個人の部屋を巡るツアーなんかもやってみたいですね。


【賃貸してる城】沖縄・うるまの「薔薇園」
http://www.another-tokyo.com/archives/50531029.html


どうしても珍スポット=変なところ、というイメージがあるが、松澤さんの話を聞いてそれだけではないということが分かった。一つ一つの場所に理由があり、存在する意味がある。松澤さんが心から珍スポットを愛し、尊敬していることも伝わってきた。


あなたの知らない世界の一端を垣間見ることが出来る珍スポット、足を踏み入れてみてはいかがだろうか。好奇心と冒険心が日常にスパイスを与えてくれるに違いない。


2014.12.04 文・篠崎夏美
画像提供:東京別視点ガイド大阪別視点ガイド

>さらに読む