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新宿から北極、南極を観察!「北極・南極展」

アイコン北の果て、南の果て

2014/04/16(公開:2013/12/10)

北極・南極展

東京・コニカミノルタプラザ

海外旅行がこれだけ盛んになっても、なかなか行く機会のない「北極」と「南極」という‘極地’。様々な展示を通じて、北極、南極を身近に感じると共に、私たちが暮らしている地球についても考えることが出来る。

 

<生活>

北極(ノルウェー・ トロムソ)、南極(昭和基地)の気候、そこでの人々の生活、厳しい自然の中でたくましく生きている動植物について紹介。北極、南極もどちらも「寒い」という漠然としたイメージしかなかったが、気候の違い、土地などについてもパネルで分かりやすく展示されていた。 

 
南極基地で実際に使われていた防寒着を着て、記念撮影が出来る

 

 


羽毛服。実際に手に取ってみると、かなり軽い。フードが大きく帽子の上から被れるようになっている。

 

 


D型雪靴(防寒靴)つま先が硬く、大きい。なかなか重量がある。外の冷気が入らないようになっているので暖かく、-60℃でも大丈夫だそう。また、汗をかいてもすぐ乾くようになっており凍傷を防ぐ役割がある。

 

極寒の中では、足先、指先の凍傷の危険があるためかなり厳重な装備になっているようだ。防寒靴は日本の雪国でも活躍しそうだ。ちなみにメーカーは、アシックスオニツカタイガー。ネットで調べたところ 税込23310円だった。(残念ながらメーカー欠品中)
●-60℃耐寒用 南極・北極が故郷の作業靴 http://www.senyouhin.com/nagagutu.html#3001

 

しかし、南極観測隊員の方の情報によると、これは飽くまで『つっかけ』であり、脱げやすく、歩きにくいとのこと。

●南極画像満載!観測隊員のブログ http://nankyoku.laff.jp/blog/2007/06/post-df70.html

 

 

 

<動植物>

北極・南極に棲息している動植物の紹介。ここで興味深かったのが、ペンギンの背中に憑りつけたカメラで撮影された映像。驚きの早さで餌をとる様子など、臨場感たっぷりの映像が満載。まるで自分がペンギンになって海の中を泳いでいるようで面白かった。

また、動物自身が撮影するので、人の気配がしないことも大きなメリット。周りの生き物ものびのびとしていて、本来の生態が分かる。

 

 

<気候>

地平線上を平行に動く白夜の太陽や、氷の大地などの美しい写真が展示されていた。ダジックアースという、地球を半球型の立体スクリーンに映す展示があり、手元のコントローラーで、くるくると地球を回すことが出来る。

南極からの中継映像が見られるモニターもあった。今、まさにこの瞬間の南極の映像がライブ中継で見られるというのは大変面白かった。基地の建物が映っているだけだったが、何か生き物でもいないかとずっと眺めてしまった。

ここではオゾンホールなど、環境問題についてのパネルもあり、北極、南極は美しいだけではなく地球環境について考えるきっかけとなることも認識させられた。

 

 

さらに、国立極地研究所の観測活動などについての展示もあった。南極で採取されたという隕石は触ることも出来る。直径30cmにも満たない漬物石くらいの大きさ。しかし、全く持ち上がらない。それどころか、動かすことも出来ない。南極は隕石が多く、しかも風化や汚染が少ないため貴重なデータが採取できるらしい。

また、基地での生活についての映像も興味深かった。ゴミは30種類にも細かく分別し、ゴミを燃やした灰まで日本に持ち帰ってきているのだそうだ。

人が踏み入れない場所だからこそ、タイムカプセルのように地球の歴史、宇宙とのかかわりの痕跡が残っている。領有権の主張が凍結され、軍事利用、核実験も禁止されている貴重な土地である。

 南極というローカルなものだけを研究しているのではなく、そこから地球、宇宙という広い視野で研究している、ということを研究隊員の方が仰っていて、印象的だった。

 

こうした展示や、写真、実際に使っていたものなどを見ると、遥か地球の果て、というイメージがあった北極、南極が身近なものに感じられる。

また、それ以上に温暖化、異常気象、オゾン層の破壊などの地球環境や、地球の創生という大きな謎の研究において、極地が大きな役割を果たしていることを改めて知った。

 

 

2013.12.10 文・写真 篠崎夏美

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