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ポップでディープな日本酒を楽しむ「I ♥ SAKE日本酒マニアック博 in 東京」がスタート!

アイコンキラキラネーム、二次創作、ゆるキャラ…楽しい日本酒が満載!

2017/03/03(公開:2017/02/11)

池袋パルコ本館7FのPARCO MUSEUMにて、ひと味違った日本酒イベント、「I LOVE SAKE 日本酒マニアック博in 東京」が開催されています。




昨年から大阪ではじまったこのイベントは、日本酒を“サブカルチャー”の視点で掘り下げるというもの。たとえお酒が飲めなくても、アート感覚で楽しめる内容なのです。

■ピンクやイエロー、ポップな展示に目が奪われる

会場に入ると、まるでアート作品のように並ぶ日本酒の瓶。背景は、テーマによって蛍光ピンクや青、緑、レモンイエローなど原色に近いカラフルな色で眩しいくらい。日本酒=伝統的な日本の酒、渋い、というようなイメージを払拭するかような雰囲気に、ワクワクします。


ピンクのエリアに並ぶのは、ラベルや瓶が面白い日本酒。花や猫など柔らかなタッチのイラストで書かれた女子好みのものもあれば、「子宝」に効きそうな瓶のデザインまで、思わず突っ込みをいれたくなるものばかりです。


「川口納豆」は、宮城県で美山錦という酒米を栽培している納豆屋さんに、蔵元さんがお礼にとデザインしたもの。通常、日本酒は納豆の菌と相性が悪いのですが、日本酒に納豆と名前を堂々とつけてしまう思いきった感じがすごい。


可愛らしいトンボのイラストは、杜氏の娘さんが、小学校の時に描いた絵をベースにデザインしたものだそう。見ていてとっても和みます。


レトロな雰囲気のイラストを使った、鬼乙女シリーズ。かわいらしい乙女は、とても鬼には見えないけど、もしかして怒ると鬼に変身するとか? 何かストーリーがありそうで気になります。見かけたら、夢、幸、恋、涙と4種類揃えたくなります。


思わず笑ってしまった「ビクトル投げからの膝十字固め」。これは格闘技の技の名前で、格闘技をしていた蔵元さんの得意技なのだとか。その技の使い手である、ロシアの格闘家、アンドレイ・コピィロフさんに敬意を表して、このラベルになったようです。

それにしてもすごいインパクト。おもしろラベルで有名な「タクシードライバー」を造った蔵元さんのお酒ということで、納得しました。
 

『なぜこの名前?』と思ってしまうような、キラキラネームの日本酒も並びます。


「海風土」と書いて、「シーフード」と当て字にしたり、「死神」という不吉な名前があったり、「辛口ばっか飲んでんじゃねえよ」なんて挑戦的なものまでありました。


全面グリーンで黒板風の展示も。こちらは、全国で選ばれた銘酒たちが、お酒のプチ情報とともに展示されています。


お酒の味わい、ぴったり合う料理といった情報から、クスッと笑える蔵元さんの人となりといったニッチなネタまで。イラストもあって目を引きます。




美味しい日本酒を飲みたいけど、何を飲んだらいいか分からない…という人の参考にもなりそう。「見かけたら飲むべき!」というレアなお酒もあるようなので、日本酒好きな人は要チェックの黒板です。


■魅力に酔いそう? イケメンや美女の写真に魅せられる

続いて、蔵元や杜氏による「酒漢グラビア写真館」。自分が造ったお酒とともに撮影したグラビア写真が並びます。


「獺祭」の蔵元さんは、海外の航空会社のステッカーがたくさん貼られたスーツケースと一緒に。世界22カ国で飲まれる日本酒を造る、蔵元さんらしいイメージの一枚です。


志をもって酒造りに励んで蔵元さんだからこそ、魅力的に見えるのかもしれません。あえて、蔵元さんが好みだから、という理由で日本酒を飲むのも楽しいかも。


「イケメン消防士カレンダー」みたいな感じで、「イケメン蔵元カレンダー」があれば欲しいです。

奥へ進むとグラビア美女たちも。



 
写真家であり小説家でもある、藤代冥砂さんの撮影によるもの。美女が一升瓶を抱えている姿は、なんだか新鮮。ちょっと潤んだ目は色気もあるけど、一升瓶を持っているせいか健康的にも見えました。




■楳図かずおや安野モヨコらのオリジナルワンカップも

有名漫画家やイラストレーターによる、オリジナルの「デザイン・ワンカップ」もここでしか見られない注目の展示です。赤塚不二夫、安野モヨコ、楳図かずお、蛭子能収、ラズウェル細木など総勢30名が参加。

錚々たるメンバーの造ったワンカップが、白木台にのせられ展示されています。






今回のイベントのメインビジュアルも手がけた、イラストレーターの竹井千佳さんのワンカップも。雫形の女の子がチャーミングでした。


ワンカップの生みの親、大関株式会社さんの開発資料もありました。当時は、「若者に飲んでもらえるナウな飲み物」がコンセプトだったとか。


ちなみに、「Sake Pedia」といって、日本酒のトリビアやニッチな情報の書かれたパネルが会場内のあちこちにあるので、うんちく好きは見てみてくださいね。


その他に、全国ご当地ワンカップも「かわいい!」という視点で集められています。


熊本の「くまもん」や仙台気仙沼の「ホヤぼーや」、島根の「しまねっこ」などゆるキャラが目立ちます。電球の形をした「天久(てんきゅう)」はボトルも遊び心が満載です。 









■日本酒を擬人化!? 日本酒キャラに親近感

日本酒をキャラクター化するプロジェクト「日本酒ものがたり」の展示では、擬人化されたキャラたちが並びます。手がけたのは、松本零士や美樹本晴彦などの有名漫画家やイラストレーターたちです。


キャラの設定をよくよく見ると、奥ノ松爽和(おくのまつ そわ)、年齢300歳、明利(あかり)160歳前後とか、年齢がすごいことになっています(蔵の歴史なんですね)。もしアニメ化するなら、ぜひ見てみたいです。やっぱり歴史ものになるのかな。



 
気になるものだらけな展示。その中でもあまりのユルさで目をひかれるのが、山下光男。山形出身、身長189cmのうち、40cmが頭にのった一升瓶という斬新なキャラクターです。


山川光男を仕掛けたのは、山形県の4蔵。「山形正宗」の山、「楯の川」の川、「東光」の光、「男山」の男をとって山川光男と名付けられたそうです。会場では、四コマやアニメーションも展示されていて、すごく和みました。



■選ばれし日本酒が、飲める! 買える!

ひととおり展示を見たら、有料チケットで入場の方はお酒の試飲も楽しめます。ノンアルコールの甘酒もあるので、飲めない人でも大丈夫です。

この日は特別に4種類、試飲させていただきました。シュワっとしたスパークリングやしっかりした旨みのあるものなどさまざまなタイプがあり、どれも美味しかったです。



 
試飲して美味しかったお酒や、展示で気になった蔵元のお酒を買えるコーナーも。展示は希少なものや、期間限定のレア酒も多いので、すべてではありませんが、かなりの種類が揃っています。クリエイターのつくった「デザイン・ワンカップ」も、ここで購入できます。




「酒」、「酔」などの漢字がデザインされたペンダントトップも販売。これをつけていたらひと目でお酒好きと分かるので、酒好きの和を広げるのに役立つかもしれません。


今回の展示で、お酒のキュレーションなど手がけた酒ジャーナリストの葉石かおりさんが監修した『日本酒マニアックBOOK』も販売していました。展示の内容がさらに詳しくギュッと詰まって、日本酒がさらに楽しくなる一冊です。


アート作品のように並んだ日本酒に感心したり笑ったり、イケメンや美女のグラビアに惚れ惚れしたり、擬人化やゆるキャラに癒やされたり。“マニアック博”だけど、日本酒マニアじゃなくても十分楽しめる展示会でした。

取材/橋村望

I LOVE SAKE 日本酒マニアック博 in 東京
<会期>
2017/02/10 (金) 〜2017/03/05 (日) 
10:00〜21:00

<会場>
PARCO MUSEUM パルコミュージアム
池袋パルコ 本館7F

<料金>
一般500円・学生400円(税込)・小学生以下無料
◎有料入場の方には、日本酒または甘酒のちょこっと試飲付き!













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