東京の新丸ビルで、2013年08月30日~2013年09月08日まで開催される、「高野山」が体験出来るイベントに行ってました。東京のど真ん中、丸の内。都心中の都心とも言うべき場所です。なんとここで高野山体験が、しかも気軽に出来てしまうという有難いイベント。それが高野山カフェin丸の内ハウスです。
美味しいものが食べたい、旅行がしたい、服が欲しい、バックが欲しい、靴が欲しい、ゴロゴロしながらマンガ読みたい、何でも言う事を聞いてくれるイケメンの執事が欲しい、プールとお手伝いさん付きの広い家に住みたい、というか、てっとり早くお金が欲しい・・・。
・・・と、ありとあらゆる煩悩にまみれたわたくし。果たして、高野山カフェで少しは煩悩を捨て去ることが出来るのでしょうか?
さぁ、ここが高野山(新丸ビル)の入口です。
高野山カフェは頂上(最上階の7階)にあります。エレベーターであっと言う間に到着! いきなりミラーボールがお出迎え。その前には小さな祠が。何だか、外国人が想像する‘ニッポン’と言った雰囲気です。
テラスへの出口もふすまのようになっていて、雰囲気があります。右から顔を出しているのは‘こうやくん’。高野山開創1200年記念大法会イメージキャラクターです。某県の仏教系キャラとは違い、かなり癒し系。
○こうやくん情報
平成の高野聖(ありがたいゆるキャラなのです)。和歌山出身。男の子。明るく、賢く、しっかり者。でも時々うっかり。好きな食べ物は高野豆腐とごま豆腐。
フロアマップにもこうやくん。
パンフレットにもこうやくん。
ポスターにもこうやくん。(写経体験などのイベントが行われる部屋です)
トイレにもこうやくん。あれ、ここ女子トイレだけど・・・?
物販コーナーもあります。左端のスタッフの方は南海電鉄の制服でしょうか。屋根にも注目!瓦屋根なんですよ。
こうやくんグッズ売ってます。一番人気は高野豆腐だそう。
南海電鉄グッズも。タオル、ペンなどを手に取る人が多いそうです。
そして、レストランでは精進料理や、精進スイーツも食べられます。
HENRY GOOD SEVEN
RIGOLETTO WINE&BAR
欧風小皿料理 沢村
ソバキチ
SO TIRED
自由が丘グリル。ここでちょっと休憩。
どれにしましょうか。米茄子田楽とか、トマト豆腐も美味しそうですが、絶対ビール飲みたくなってしまうので自重。・・・まだまだ煩悩は捨てきれませんが、ちょっとだけ我慢。
ブラマンジェにしました!豆腐と言われなければ分からないなぁ、と感動していたら‘豆腐’じゃなくて‘豆乳’でした。それにしても、まろやかです。後味がかすかに大豆ですが、豆乳苦手な人も大丈夫だと思います。ブルーベリーの甘酸っぱさも良いですね。美味しかったです。
期間限定コンセプトバルも。『バル高野山駅』
TIKI BAR TOKYO(期間限定でバル高野山駅になってます)
レトロな雰囲気です。ここで鉄旅ナイトという鉄道イベントもやるそうです。
ライブの前に、こうやくんがやってきてご挨拶。
深々と一礼。
きゃぴってます。
こんな笠かぶってるのに、着物の裾長いのに、ジャンプとかするんです!!ふなっしーをライバル視しているのでしょうか?いやいや、聖がそんなことしないですよねぇ。単にテンションが上がっているだけだと思います。
子供に手を差し伸べるこうやくん。ありがたやー。
なむなむ。皆が一通り撮影し終えるまで、このまま静止してました。さすが、分かってますね。
さあ、声明(しょうみょう)ライブが始まります。人がだんだん増えてきました。
ここでちょっとした出来事が。他の人にいきなり目の前に割り込まれ、足まで踏まれてしまいました。一瞬イラッとしましたが、「はっ!こんなことでイラついていては悟りは程遠い。心を静かに・・・」と自制しました。いや、悟りまでは開こうと思ってないんですけどね。これは高野山効果!?でも、イライラしながら声明聞きたくないですからね。みんな仲良く、平和に。
声明とは、お経に節をつけたものです。梵語で日本に伝わってきたそうです。元々は、神様や王族をもてなす時、花を撒き、その時に歌われていたそうです。お坊さんから、『お経なので唱える人、聞く人の思いひとつにすることが大切です。また、願い事がある人はそれを願いながら聞いてください』とのこと。
お願いしていいんですね。お金と―、旅行と―、と思いましたが、そういうことじゃないんでしょう、たぶん。家族が幸せでありますように、とか、世界が平和でありますように、とかですね、きっと。
鈴(りん)を鳴らしながらお坊さんがやってきました。
みんな結構若そうです。伴奏などはなく、人の声だけです。しかし、声が楽器のように重なって、とても良く響きます。空気を震わせて聞こえてくるのが良くわかりました。ずっと聞いていると頭の中がすーっと静かになるような気がします。
こんな意味があったなんて知らなかったですねぇ。
ミラーボールとお坊さん、シュールです。
いつのまにやらすごい人が集まっていました。
声明が響き、とても厳粛でした。
ちなみに、ライブ後、ボウズ頭でオサレな服装の男性を数名見かけたのですが、彼らはお坊さんだったのでしょうか。ハーフパンツ、スニーカー、綺麗色のパーカー、など、かなりスタイリッシュな格好でした。
7階のフロア全体が高野山の雰囲気になっています。
こんな意味があったなんて知らなかったですねぇ。
もちろん、高野山、空海に関する展示もあります。
鉄道の展示もありました。レトロです。
外国語で書かれたパンフレットもありました。
無料で写経体験が出来るイベントもあったのですが、16:30の段階で既に19時の回まで埋まってました…。遅かったー、写経の人気甘く見てたー。でも、良く考えれば、無料で、しかもちゃんとお坊さんがついて、写経が出来るってすごいですよね。待っている間、結構お坊さんに話しかけてる方が多かったです。お坊さんが一人一人の話を丁寧に聞いて、優しくお話をしている姿が印象的でした。
写経をするお部屋もなかなかすごいんですよ。スタッフの方に頼んで、中の撮影だけさせてもらいました。
途中の写経を貸していただきました。下にうっすら字が書いてあるので、これをなぞればいいんです。
完成した写経は、持って帰っても良いですし、高野山真言宗総本山金剛峯寺への奉納(1,000円)もしていただけるそうです。
裏メニュー「護摩祈願(ごまきがん)」に使う護摩木。
祈願を書いて、この願掛け堂に入れます。すると、僧侶の方々が高野山に持ち帰って、お炊き上げをしてくださるそう(祈願料は1本500円)
先ほど声明ライブをやっていた場所。椅子とテーブルが出され、すっかりカフェになっています。ペーパーナプキンがカラフルでカワイイですね。
出張高野山とも言える、この高野山カフェ。さて、肝心の煩悩は無くなったかと申しますと、残念ながらそう簡単にはいきませんね。ただ、普段なかなか考えることのない‘仏’とか‘心のあり方’については少し考えることが出来ました。
まずは精進料理とか、写経とか、形だけでもやってみるということが大切なのだと思います。煩悩を失くすことを考える、というよりもっと大きな視点を持って物事を見つめることで、‘欲’や‘悪い考え’が少なくなっていくのではないでしょうか。こう書いてみると何だか難しそうですが、要は【余裕を持つ】ことなのかなぁ、とぼんやり思います。
2013.08.30 文・写真 篠崎夏美