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吉祥寺が猫だらけ! 日本最大級のネコイベント「吉祥寺ねこ祭り」はねこ好きの天国だった。

アイコンねこ作品展示、ねこグッズ、ねこカフェでの“猫つき上映会”などなど、にゃんこづくし。

2016/02/09(公開:2015/10/24)

今年で6年目を迎える「吉祥寺ねこ祭り」は、日本各地で行われるねこ祭りの中でも最大規模のものと言われ、日本全国から猫好きがやってくるそう。 住みたい街ランキングでも常に上位に入る人気の街、吉祥寺。そこにカワイイ猫まで加わったら、向かうところ敵なし!?




吉祥寺には、猫カフェ、猫にまつわる作品を展示するギャラリー、猫雑貨店などがいたるところにあります。また、地域猫活動が根付いているほか、吉祥寺が舞台の猫を題材にした映画や漫画なども多く、猫にゆかりのある街という一面を持っているのです。

こうしたことから、猫をキーワードに地域活性化、 そして人と猫が共生する街づくりの一助になることを目的として2010年に「吉祥寺ねこ祭り」が始まりました。
 
期間中は吉祥寺のいたるところで、猫に関するイベントが行われています。 そんな猫好き注目のイベントで、猫まみれになってきたレポートをお届けします!


◆アーティストの“ねこ愛”あふれる展示

「kissa kichijojiー猫のいる暮らし展」coppice KICHIJOJI(コピス吉祥寺)5階アートギャラリー



最初に訪れたのはコピス吉祥寺。建物の通路を生かしたギャラリースペースにはソファもあり、休憩がてら気軽にアートに触れることができます。

音楽、アートワーク、イラストなど、異なるジャンルで活躍する4組のアーティストが出展。彼らに共通することは「猫が好き!」ということ。愛猫の写真、猫のイラストなど、それぞれ「猫との暮らし」をつづっています。



猫を愛してやまない4組のクリエイターによる作品展。展示スペースいっぱいに自分が暮らしている(もしくは、かつて暮らしていた)猫への愛が詰まっています。写真はもちろん、首輪、遊んでいたおもちゃ、抜けた乳歯まで……!








ねこを飼っている人は「あるある!」という共感を、ねこを飼いたい人は「ねこのいる暮らしっていいなぁ」という羨ましさを、ひしひしと覚えることでしょう。

カラフルな色合いがおしゃれなイラスト作品も。どうしても本物のネコが飼えない人は、素敵なネコの絵と暮らしてみるのもいいかもしれません。「kissa kichijoji」というタイトルだけあって、まるで喫茶店(カフェ)のような、心落ち着く空間でした。



来場したお客さんがメッセージを書き込めるノートも用意されていました。すでに2冊目があることからも、ねこを通じて、たくさんの人がこの街を訪れていることが分かります。



皆さん、ねこが大好きなようです。メッセージやイラストを見ているだけで、気持ちが温かくなりました。ねこがいる暮らしって素敵ですね。

 
ネコ専門店で、珍しくてかわいいネコたちにメロメロにされる。

coppice KICHIJOJI(コピス吉祥寺)4階necosekai(ネコセカイ)

同じくコピス吉祥寺にある「nekosekai」。ここは、愛猫とネコ好きのためのキャットオンリーセレクトショップ。ねこグッズ、ねこ雑貨が豊富にそろいます。そして、グッズだけではなく、希少なネコちゃんに出会うこともできるのです!



さっそくタレ耳がかわいい、スコティッシュフォールドがお出迎え。なんてかわいさなのでしょう。思わず「はわわ~」と怪しい声が出てしまうくらいかわいいです。しかも、ニャアニャア鳴いて、ケース越しに手を伸ばしてきます。

店員さんに「とても人懐こいですね!」と言うと、『たぶん、もうすぐゴハンの時間なので、ゴハンをもらえると思っているのかも……』とのこと。どうやら目的は私ではなかったようです。若干残念ですが、特別にネコちゃんを外に出してもらえることに!

か、かわいいー!! まだ生まれて一か月くらいだそうで、ポワポワの産毛が生えています。





次はサイベリアンという長毛種のネコちゃん。白と灰色のふわふわの毛、ぱっちりした目のイケメンです。


とても希少な種類だというバーミューズ。小さいけれど元気いっぱい! 目を輝かせてねこじゃらしで遊んでいました。





【動画】小さいけど闘争心は一人前! https://youtu.be/D4ZwhQPhNmo

最後はオリエンタルズ。水色の目と、白い鼻筋のラインがチャームポイント。鼻の模様があるのは女の子だけだそう。猫界の貴婦人とも言われているのだとか。確かに美人さんです。





【動画】美人ニャンコさんです。https://youtu.be/qZna0WLdIWE

店員さんによると、やはり「吉祥寺ねこ祭り」期間中はお客さんが多いのだとか。スタンプラリーの景品交換所になっているほか、イベント期間中にチラシを時参すると猫モチーフ雑貨・猫用品が10%OFFになるそう。珍しくてカワイイねこちゃんに、すっかり骨抜きにされてしまいました。
 

◆アート好きも納得。平面から立体まで、幅広いねこ作品が集結。

アートセッション「ねこの詰め合わせ」展 Gallery FACE TO FACE


油絵、日本画、ペン画、銅版画、木版画、ガラス絵などの絵画作品から陶芸、鋳造ガラス作品まで多様な作品を集めた展覧会。若手からベテランまで、9人のアーティストが作る様々な表情のねこを詰め合わせ!

住宅街の中にあるギャラリーの入り口では、ねこの置物がお出迎えしてくれました。


Gallery FACE TO FACE代表/ディレクター 山本さんにお話を聞きました。

--どういった点が特色でしょうか?
個性派の作家さんが参加しています。作品のジャンルも幅広いですが、下は25歳から上は70代まで、年齢も幅広いです。作品の多さも特色ですね。絵だけでも約40点、その他の作品などを含めると50点近いのではないでしょうか? このイベントのために作られた新作も多いです。

--猫はお好きですか? また、どんなところが魅力でしょうか?
私も猫が好きで、三毛と白黒、2匹の猫を飼っていますよ。何よりもその自由さが魅力だと思います。彼らなりに一定の距離感があるというか。また、絵のモチーフにする人も多いですね。動きやフォルムが面白いです。





温かみがあるクレヨンと色鉛筆の作品、ユーモラスな「猫観音」と「猫大仏」、銅版画で毛の一本一本まで表現されたクールな猫たち……。作家さんによって、猫のとらえ方、表現の仕方が異なるので、見ていて飽きません。





作家さんの中にはこれまで、飼い猫や外猫を含めて、のべ100匹近い猫と暮らしてきた人もいるのだとか! やはり猫好きの人が多いのですね。猫を知り尽くした作家さんによる、生き生きとした猫の表情にも注目です。








山本さんによると、来場するお客さんもさまざまだそう。ディープな猫好きはもちろん、猫グッズが好きな人なども多く訪れるとのこと。作り手も、それを見る人も、思い思いに猫をテーマにした作品を楽しんでいるようです。


◆北欧×ねこ。オシャレなショールームで異色のコラボ。

「ねこだらけ展 in Bellbet 2」 Bellbet吉祥寺
 
北欧家具のショールームで、20人の手作り作家さんの作品を中心に展示販売するイベント。アートからジュエリーまで個性溢れるねこ雑貨が多数そろいます。



実は、「吉祥寺ねこ祭り」発祥のきっかけとなったのが、ハモニカ横丁にある横丁ギャラリーで行われていた人気企画展「ねこだらけ展」。
 
残念ながら横丁ギャラリーはなくなってしまいましたが、それを受け継ぐ形で始まったのが「ねこだらけ展 in Bellbet」です。北欧家具とねこ雑貨の異色なコラボも見所のひとつ。 



確かにシンプルな北欧家具に、所狭しとディスプレイされた和洋様々なねこ雑貨は、ちょっと不思議? しかし、それすらもマッチングさせてしまうのが北欧家具。懐が深いですね。
 
店舗マネージャーの丸山さんによると、普段はこうしたねこ雑貨は一切置いていないため、常連さんが「吉祥寺ねこ祭り」期間中に来ると、お店の雰囲気の変わりように驚かれるのだとか。






 
また、どのように商品を見せるかも腕の見せどころ。家具とのバランスも考え、試行錯誤を繰り返します。さらに、20名もの作家さんが参加するので、グッズの管理だけでも大変そう……。しかし、普段とは違う客層のお客さんが来ることはとても新鮮で、そうした人たちがどのような商品に興味を持つかなど、参考になることが多いそうです。
 
「吉祥寺ねこ祭り」を目当てに、日本全国から人が訪れます。今日までにきたお客さんの中で、一番遠くから来た人はなんと、北は旭川、南は福岡とのこと! (昨日まで、北は札幌でしたが、本日記録更新)
 
ねこ雑貨と言っても、猫そのものをテーマにした作品ばかりではありません。珍しいマグロやアジをかたどったネックレスなど、面白いものもたくさん!繊細なアクセサリーから、ほっこりする小物まで、必ず自分好みのねこ雑貨に出会えるはず。





丸山さんも猫が好きで、子供のころ猫を飼っていたそう。人を癒してくれるところが猫の魅力、と話してくれました。









北欧を感じられるねこ雑貨もありました。北欧の作家とコラボした食器、ポストカード、ティータオル。どれもかわいくてオシャレです。





台湾で作られたねこのグラス。あまりのかわいさに思わず買ってしまいました!


 

◆本物のねこと一緒に。ねこカフェでまったり上映会。
 
今年は特別イベントとして「吉祥寺にゃんこ映画祭」も行われ、さまざまな猫をテーマにした作品が上映されます。猫に癒され、猫をきっかけにして映画の魅力に触れ、また猫について考えることが狙いとのこと。


 
「吉祥寺にゃんこ映画祭 特別企画 ねこだらけ上映会atてまりのおうち」
Cat Cafe てまりのおうち

話題の猫カフェで、本物の猫たちと一緒に夜の映画鑑賞会が楽しめるという企画。平日夜にもかかわらず、チケットは完売! 大人気です。
 
森をイメージした内装の店内は、絵本の世界に入り込んだような不思議空間。天井がとても高く開放的で、お店の中とは思えません。建物の中なのに、さらに変わった形の建物まであって、別の世界に来てしまったかのようです。




当たり前ですが、お店の中にはいたるところにネコちゃんが。建物の上からお出迎えしたり、映画祭ポスターをのれん代わりに部屋に入ったり、お客さんを気にせずゴロゴロしたり……。











メルヘンチックな内装、かわいいネコちゃん。気分は完全におとぎ話の主人公です。浮世の嫌なことも、仕事の疲れも、全部忘れられそう……。しばしの現実逃避にぴったり。
 
マタタビ風味のにゃんこサイダー、「水曜日のネコ」というビールなど、ドリンクも猫にこだわっています。好奇心旺盛な猫ちゃんが、開栓していないマタタビ風味のサイダーをクンクンしていましたが、一体どんな味がするのでしょうか?

 
猫がガジガジ噛んで遊べば歯磨きができる、猫グッズのサンプルももらえました。



おもちゃがたくさん入った袋を独り占めしているニャンコを発見! スタッフさんが取り戻そうとすると、袋にしがみついて抵抗していました。



無事におもちゃは奪還され、みんなに配られました。中身はマタタビ入りのけりぐるみ。夢中になって蹴っている子もいれば、枕にしている子も。



【動画】蹴りぐるみに夢中 https://youtu.be/5MebS_ReXCA


 
上映が始まるまで猫たちと過ごします。この日は大体20匹くらいがお店に出ていました。温かみのある照明、素敵な内装、カワイイ猫。なんて落ち着く空間なのかしら。





【動画】ちゃんとお座りして待っています。 https://youtu.be/xXD4VKtkriQ
【動画】見つめあう二匹…。緊張が走ります。https://youtu.be/AK7aIOhBJTU

でも、中には上映が待ちきれない猫も!? スクリーン横にスタンバイしたり、上映機器の前に陣取ったり。「まだ始まらないの?」と言っているようです。








お客さんはほぼ女性。20~30代の人が多いようでした。皆さん、お仕事の帰りに癒しのひと時を求めて来場したようです。猫って見ているだけで気持ちが安らぎますよね。






 
今回の上映されたのは『ネコのミヌース』。オランダの童話を映画化したもの。人間の少女になったネコが活躍するファンタジー作品です。





実際の猫カフェを映画館にしてしまうという、これまでにない企画。上映は猫に配慮して、音量は小さめ、照明はやや明るめで行われました。猫たちがどんな反応をするか気になっていたのですが、上映が始まっても特に反応なし。気にせず自由に歩き回っていました。







薄暗い中、真横をすり抜けて行ったり、おもむろに横に座り込んだり、猫たちは本当に自由。映画の内容も気になりますが、隣の猫も気になります。さらにはスクリーンの間近で映画を鑑賞する猫も……。一風変わった映画祭を堪能しているようです。

猫たちと一緒に見る映画は、いつもとは違った雰囲気。猫を飼っている人はこんな気分なのでしょうか? とてもゆったりとした時間でした。
 


1か月もの間、街がねこ一色になる「吉祥寺ねこ祭り」。今年は32店が参加したそう。とても一度では周りきれません。訪れるたびに、この街の違った面、違ったねこたちに出会えるのも、「ねこ祭り」の魅力かもしれません。


 

 
取材/篠崎夏美
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