07.17[金]~07.20[月] / 東京・浅草橋/ TODAYS GALLERY STUDIO
廃墟写真を撮影している写真家や人気ブロガーを集めた合同写真展が開催される。テーマは“180°変わる意識”と”変わる世界”。
廃墟と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、朽ち果てた建物、「立ち入り禁止」、どこかホラーチックなイメージなのではないだろうか? しかし、同展では見ているだけで廃墟のイメージが覆るような、廃墟の”美しさ”に注目する。
会場内の特設ブースでは、時間単により映し出される映像が変わる“KAWARU SEKAI”の展示も予定されている。
6組(予定)のアーティストが参加し、約150点以上の作品が展示されるとのこと。
会場内の特設ブースでは、時間単により映し出される映像が変わる“KAWARU SEKAI”の展示も予定されている。
6組(予定)のアーティストが参加し、約150点以上の作品が展示されるとのこと。
<参加アーティスト> 出展者:6組(予定)
インスタグラム
2006年に廃墟写真を撮り始め、グループ展など多数出展。ブログに加えてほぼ毎日更新されるインスタグラムのフォロワー数は37000人を越える。本展では、変わる廃墟をテーマに今まさに廃墟の島から世界遺産へと変わろうとしている軍艦島の新作を展示予定。
■junk5:55
ブログ「サビれたブログ」
独自の観点で撮影された廃墟写真はファンも多く、廃墟ブログランキングでは常に上位に。本展では、廃墟との出会いを展示予定。
■塔子
2006年に廃墟写真を撮り始め、グループ展など多数出展。ブログに加えてほぼ毎日更新されるインスタグラムのフォロワー数は37000人を越える。本展では、変わる廃墟をテーマに今まさに廃墟の島から世界遺産へと変わろうとしている軍艦島の新作を展示予定。
■junk5:55
ブログ「サビれたブログ」
独自の観点で撮影された廃墟写真はファンも多く、廃墟ブログランキングでは常に上位に。本展では、廃墟との出会いを展示予定。
■塔子
旅好きがこうじて廃墟写真の魅力にはまり、世界各国の廃墟写真を撮影して11年。写真展は初出展。
■krampus
■krampus
写真に立体感を出すために、廃墟写真×独特の文章をインスタグラムにアップしたところ瞬く間に人気に。
上記ほかAKI 、Yasutoを予定。
上記ほかAKI 、Yasutoを予定。
恐らく、過去最大規模の廃墟の合同写真展は、どのようにして開催に至ったのだろうか?
TODAYS GALLERY STUDIOの主宰・沼尻年弘さんにお話を聞いた。
本展の草案的なものは、実はかなり昔に思いついたことでした。 カメラマンとしてアパレルブランドのカタログ撮影のために、 地方の廃墟に撮影に行ったとき、今まで思っていた汚くて怖い廃墟とは全く違うイメージに驚きました。
そして、何度か色々な場所を訪れるうちにその廃墟の持つ魅力にはまり、 いつかこの廃墟のイメージを伝える企画をやりたいと思っていました。
・なぜ、「廃墟」をテーマにしたのでしょうか?
廃墟が非常に面白いのは、廃墟自体も変わってくというところです。そこに惹かれました。 最初は使われていた建物が何か理由がありそのまま残されて、時間とともに変化していく。
そしてそのほんのわずかな一瞬の表情が、対局である美しさを産む。 見たときに驚いてもらう。そして、人に伝えたくなる。裏テーマはそんな感じです(笑)
・出展者はどのように探したのでしょうか?
紹介して頂いた方もいますし、リサーチ段階から目をつけていた方もいたので、直接お願いをしてなんとか出展してもらいました。 皆さま忙しいにも関わらず出展頂いたことは、本当に感謝しております。
・大変だった事はありますか?
私個人のことですが、ギャラリーをやっていくうえで一番大事なことは、自己満足で終わらずお客さまに足を運んでもらうことだと思うのです。
ですので、お恥ずかしい話、最初は企画ベースで廃墟写真の前で怖い話が聞けるとか、廃墟写真の前で撮影会ツアーとか考えたりもしました。
甘かったですね(笑) ことごとく出展者の方々よりおしかりを受けまして……。当初思ったその気持ちだけで勝負しようと思いました。
あとは、廃墟写真家の方々にも小さな派閥等があるということ、そして横のつながりも強いということでしょうか。
・以前と比べて、開催(準備)をしてからは廃墟に対するイメージは “変わり”ましたか?
もし変わったのであれば、どのように変わりましたか?
準備をするにあたり知識を入れなければお話が出来ないこともあり、出展者さまのお写真などをリサーチしたりしていたのですが、 知れば知るほど奥が深いと思いました。
たかが廃墟といっても、なぜ廃墟になったかというストーリーももちろんありますし、 軍艦島のように世界遺産になんてこともありますから。
そして、全ての展示が終わった後のグループ展特有の化学反応も楽しみにしています。
・見どころ、おススメポイントを教えてください。
オススメのポイントは全出展者さまの全面協力で可能になった、“KAWARU SEAKI”です。 時間帯によって映し出される映像が違いますから、ずっと見ていたくなるくらい美しいですよ。 現在調整中ですが、音楽も入れられたらと思っています。
・TODAYS GALLERY STUDIO 今後のスケジュールについて
7月末からですが、夏休みにお子様も楽しめる鉄道企画、 そして8月にも夏休みにピッタリの企画展を予定しています。
どちらもうちにしか出来ないトピックだったり、アミューズメントをご用意していますので楽しみにしていてください。
【7月19日 記事更新】
実際に会場に足を運んでみた。廃墟写真に囲まれた空間に入ると、そこは想像以上の明るさ。
正直、“廃墟=暗い”というイメージを拭いきれずにいたのだが、暗さやおどろおどろしさは感じない。
出展作家による作品集も見ることができる。
一枚一枚の写真が、まるで絵画のように静かで、美しい。割れた窓から光が差し込み、建物の周りには緑が生い茂る。そんな中で、廃墟たちはただひっそりとそこにある。
一体ここはどのような建物だったのだろうか? どのような物語があったのだろうか?
たった一枚の写真から、様々な想像が広がる。
撮影場所はおろか、タイトルすら付いていない作品が多い。
場所も、由来も分からない廃墟たちは、どこか遠い世界のような、すぐ身近なところのような不思議な距離感を持って佇んでいる。
自分の目でその場所を確かめてみたくもあるし、知らないままにしておきたくもある。詳細を明かさないままにしておくことで、見た人だけの物語が生み出されるのだろう。
小部屋を使ったインスタレーション「KAWARU SEKAI」。上下2つのスクリーンに、次々と映し出される廃墟の写真。その時にだけ現れる組み合わせを楽しめる。100枚以上の廃墟写真がランダムに現れるが、ごくまれに上下とも同じ画像になることがあるそう。
軽やかなBGMと共にどんどん切り替わる廃墟の写真を見れば、まさに廃墟に対するイメージが“変わる”に違いない。
タイトルの“変わる”は、これまで廃墟に対して持っていたイメージの転換を意味しているそうだ。
これまでの暗くて陰気なイメージとは異なる、思わず息をのむほど美しい写真や、物語を想起させられる作品は、多くの人が楽しめるはずだ。
この夏「変わる廃墟展」で、あなたの中の廃墟はどう“変わる”だろうか。
篠崎夏美 【画像提供:TODAYS GALLERY STUDIO】