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不二家のキャラクター「ペコちゃん」だらけの展覧会。見たことがないペコちゃんにも会える「ペコちゃん展」開催。

アイコン60年間愛される“ペコちゃん”の過去と現在。

2016/02/09(公開:2015/07/08)

07.11[土]~09.13[日] / 神奈川県 / 平塚市美術館


ペコちゃん卓上人形 1959年頃 新関コレクション

戦後から現在まで、60年以上もの間親しまれてきた不二家のキャラクター「ペコちゃん」。

今回の展覧会では、ペコちゃんの容貌とファッションの変遷を追いつつ、気鋭のアーティストによるペコちゃん作品も紹介する。
 
昭和という時代と共に振り返るペコちゃんの「過去」、現代アーティスト17人がペコちゃんにインスパイアされて制作された作品27点を通して見るペコちゃんの「現在」という、2つの要素から構成される。
 
平塚市美術館学芸員の勝山滋さんにお話を聞いた。


内田望 milky cow 鉄・ガラス・真鍮・木・ステンレス 2015


三沢厚彦ペコ・ポコ・ドッグ陶 2015年
 
 
開催の経緯を教えてください。また、なぜペコちゃんなのでしょうか?

昨今の昭和ブームとキャラクターブームを組み合わせ、キャラクターの元祖とも言えるペコちゃんに注目してみました。
 
ペコちゃん人形は1950年ごろに登場しました。同じ人がデザインをしているわけではないので、顔や服装も少しずつ異なるのが面白いと思いました。大人から子供にまで愛される存在ですし、懐かしさと新しさの両方がありますね。
 
また、他の展覧会も同様なのですが、平塚ならではのものにしたいと思いました。平塚には不二家の工場がありますから、そうしたつながりもあります。
 

 
出展作品数を教えてください。

「現在」コーナーは、17作家・27点が出展予定です。「過去」コーナーは300点くらいです。3~4cmの小さな人形や、ミルキーのおまけ、職人が作るペコちゃんこけし約100体、店頭人形10体などもあるのでかなり多いです。
 
 
 
出展作家はどのように決めたのでしょうか?

なるべく全ての人に楽しんでもらえるような作家さんに参加してもらいました。若い方は20代前半の美大生、最年長は60代の方まで年齢も幅広いです。平面、立体、日本画、テンペラ、漆、陶器などかなりバラエティに富んだ作品が集まりました。
 
主な展示品は不二家本社、不二家OBの方、コレクターが集めていたものなどをお借りしました。店頭人形は、神奈川県・秦野にある不二家の倉庫に保管されているものです。
 
グッズや人形だけではなく、銀座のお店の前にあるペコちゃん人形に、子供が抱き着いて笑っているものなど、当時の写真などもありますよ。ちなみに、一番古いものは1950年代の店頭人形を再現したレプリカです。


ミルキー箱 1950年代新関コレクション


小林孝亘 Peko in the moonlit forest 油彩 2015年


企画、準備段階で大変だったことはありますか?

私自身、ペコちゃんは好きですし身近な存在だったのですが、もちろんペコちゃん専門ではありません。ずっと勉強の連続のような感じでしたね。パッケージや人形をたくさん預かるにあたり、最初は年代なども分からなかったのですが、だんだんと見分けが付くようになってきました。
 
それから、仕事が大変なときでもパソコンや展示品にはペコちゃんが笑顔でいてくれるので、癒しをもらい、励まされました!

 
展覧会の見どころはどんなところですか?

まず、何といっても色々なペコちゃんに逢えるところです。一例をあげるならば、ペコちゃんは「永遠の6歳」と言われているのですが、今回はちょっと大人っぽい「16歳」のペコちゃんも登場します。日本画家・上村松園のような構図を取り入れた大胆な作品になっています。それぞれの作品にストーリーが感じられるのではないでしょうか。


木原千春 ペコ16歳。油彩 2015年
 
それから、東京モード学園の現役の学生さんたちに協力してもらい、事業の一環としてペコちゃんの衣装の原画を描いてもらいました。400点の応募の中から、60点を厳選して展示する予定です。
 
そこから佳作10点が選ばれ、最終的には不二家の社長さんが大賞を決めました。そして、この大賞のデザインは実際に衣装になります。かなり凝ったものになっているので、ぜひ実際に見ていただきたいですね。


大賞受賞のデザイン画(島川香織《スイート・ペコ》)
 
 
ペコちゃんについてどう思いますか?

すぐに直接的な思い出は浮かばないのですが……。なんというか、そんな人でも“思い出の向こう”を覗いたら、ペコちゃんがいるのではないかと思います。
 
実は以前、戦後に撮影されたペコちゃんに関する写真を見たことがあります。戦災孤児が店の前にいるペコちゃん人形が持っているミルキーを狙っている、というものでした。店頭人形が持っているのは空箱なのに……。
 
それを見たときに、ペコちゃんはアイドル的な存在。明るくて、楽しいイメージのもの、という考えが変わりました。長く日本人に愛されているからこそ、それだけ日本の色々なシーンを見てきたのではないでしょうか。本展ではペコちゃんと共に、日本の歴史を振り返ることもできるかもしれません。
 

ウエイトレスペコちゃん人形(幡野泰子作) 1960年代




<関連イベント>
学芸員によるギャラリートーク
日時:2015年7月12 日(日)、8月23日(日)、9月12日(土) 14:00~15:00
場所:展示室2※申込不要、要観覧券

ワークショップ
ミルキーをつくろう!
日時:2015年7月18 日(土)、8月1日(土)、8月15日(土) 11:00~、13:30~、15:30~
場所:アトリエB※先着24名、対象:小学生など、各回30分前に整理券配布

ワークショップ
ペコちゃんとダンスしよう!
日時:2015年7月26日(日)、8月29日(土) 11:30~、13:30~
場所:ミュージアムホール ※先着100名

■ ペコちゃんカーがやってくる!
会期中、美術館前庭にペコちゃんカーが登場します。
※不二家創業100周年を記念して作られた、世界で一台のオリジナルカー。
みんなもペコちゃんと記念写真を撮ろう!

みんなでスタンプラリー
館内でペコちゃんスタンプを押そう!3つ集めてミルキーをget!
詳細はHP


インタビュー:篠崎夏美
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