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めくるめくダムの世界へようこそ・・・。ダムファンによる“ダム版アカデミー賞”「日本ダムアワード2014」開催

アイコン一昨年初開催、そしていきなり伝説へ・・・&公式化した夢のダム祭!

2015/01/16(公開:2015/01/09)
日本ダムアワード2014

12.27[土] / 東京都 / 東京カルチャーカルチャー



一昨年の年末にデイリーポータルZ・「HPダムサイト」管理人の萩原雅紀さんが中心となり「日本ダムアワード2013」を開催しました。ダムマニアによる自主的なイベントであったにもかかわらず、チケットはすぐに完売してしまったとのこと。
 
さらに独立行政法人水資源機構がイベント直後に、「弊社の管理しているダムが日本ダムアワード2013受賞しました!」と公式twitterで発信して大騒ぎになったこのイベント。(実はこの時点では、ダムアワードを開催することすら伝えていなかったそう。)

今年も聖地・東京カルチャーカルチャーで開催が決まり、“ライトなダム女子”を代表して潜入取材してきました!
 
・・・ちなみに、どのぐらいライトなダム女子かと言うと「ダム=社会見学で行きました。後はブラックバスを釣る場所としてたまに行く。」という程度のライト具合。

事前調査によると、とんでもないダム愛を持つ方々のためのイベントである様子だけれど、大丈夫か私!?
 
会場となったニフティが運営するイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」は、お台場パレットタウン観覧車のすぐ足元。 東京カルチャーカルチャーHP http://tcc.nifty.com/
 


 

 
りんかい線東京テレポート駅から徒歩5分ほどでイベント会場に到着。急遽当日チケットが発行されるも、即完売だったそう!
 
ドキドキしながら入り口に向かうと、すでに会場は人でいっぱい。着物で来ている綺麗な女性たちや、ドレスアップした方々を見て緊張と期待で胸が張り裂けそうに。デートっぽい男女ペアや、家族連れもちらほらと。想像以上に様々な年代が集まっています。

 
めくるめくダムの世界!

ステージ壇上にはプレゼンターとして、前出の萩原さん、星野夕陽さん、琉さん(別名ダム王子)、夜雀さんらが並び進行をしていきます。

・・・琉さん、女装です。事前に写真を拝見したときも「イケメンさんだなー」と感じたのですが。美男は何をしても美しいですね♥


こちらは授賞式時の模様。右端が琉さん。
 

様々な賞があり、 投票用紙を使って、日本一のダムを決めます!
 


会場ではダムグッズやダムカレーの販売も。 ご飯の盛り方でお値段が変わるシステムでした。ダムサワーは、灰色の液体。カルピスサワーに色々混ぜて、コンクリートのような灰色にしている様子。 オーダー率高かったです。
 

アーチ式ダムカレー
 
せっかくなので、ダムカレーを実食♪子供も食べることを想定してか、辛さは控えめ。マイルドな口あたりながら、大きめの具がたくさん入っていて美味。アーチ式は女性が食べるのにちょうどいいくらいの量でした。男性にはもっと大盛りのものがオススメ。

 


ダム漫画やダム写真集などの販売も


 
いよいよアワードが始まります。




ダム初心者でも分かりやすいように、適宜説明が入ります。
 
計算式が表示された時には、会場から「やっぱこれだよな」の声が。算数から苦手意識がある私。もう全然分からない世界です。

・・・ダムマニアって、すごいんですね(尊敬)!!!
 
今回のエントリーから、ダム大賞、放流賞、イベント賞、プロジェクト賞、洪水調節賞が参加者の投票により決まります。
 


本来であれば、ダムが活躍しないことが平和である証。
※尚、今年は天候に恵まれ渇水が起きなかったため、低水管理賞は該当なしという結果に。
 
会場が一体となり最も盛り上がったのは、放流賞とイベント賞の発表の時でした。
 

中国地方のダム全体で行われたイベント


かなり大きな規模で行われます。
日本地図の東側が一般的なイベントの大きさ。西が今回の開催範囲。
 
開催規模にともない、経済効果もスゴい。概算で、9,200,000円もの効果を上げた計算になるんだそう




主催者側も予想外の反響で、証書が底をつきかける事態に
 
なによりスゴいのは、50箇所以上ダムを回らないと手にできない、レインボーの証書を持った人が会場に複数いたこと!1週間くらいかけて回ったというコトですよね?プレゼンターの皆さんもその情熱に驚いていました。
 

ダムが日本を守ってる。2つの台風が直撃!その時ダムは・・・?
 

2014年8月1日から数日の間に、続けて2つの台風が西日本を直撃。
 
今年は西日本を中心に、台風の上陸が相次ぎました。交通機関が乱れなければ、さほど降水量を気にすることもない私たち。実はその裏ではダムで働く人たちがこんな戦いをして、ライフラインを守ってくれていたのです・・・。
 

普段の調水操作と、万が一水位が上がった際に行う操作
 
台風の直撃により、ダムの水位が上がり貯水率は限界に。非常事態にのみ行う「但し書き操作」の検討が開始されます。
 





 
刻一刻と上昇していく水位。「但し書き操作」実施の決断が下りました。


 
そのとき所長は・・・!?


ボタンは所長が嫌々押した

所長が操作室に入った時には、ボタンの前の席しか空いていなかったそうです。但し書き操作開始後、無事にダムの水位は下降していきます。

・・・しかし、ここで緊急事態が発生。

急に放流量を上げたため、下流側に流れる水量が増え、既に川の氾濫水位を超えた水が流れているというのです。
 
ダムに雨を貯め続けても決壊する。下流に流せば決壊は防げるが、氾濫し洪水をまねく。

結果、スタッフ達がその場で計算を行い、上限ぎりぎりの水量を流して決壊を防ぐ方法が取られました。
 

ダムの仕事は、水を貯めるだけではないのです
 
戦いの結果、正木ダムが勝利。大きな水難を起こすことなく、正木ダムスタッフたちは市民を守り抜きました。
 
非常事態になって初めて、ダムのありがたみが分かりますね。けれども、活躍しないほうが平和である証拠というジレンマ。ダムマニアの気持ちがほんの少しだけ分かった気がした瞬間でした。
 


ダム大賞はどこのダム?
 
全てのプレゼンが終わり、観客のみなさまによる投票、緊張感が漂う集計・・・と続き、いよいよ結果発表!




授賞式の様子

それぞれの賞は以下のダムに贈られました。

○ダム大賞:早明浦ダム
○放流賞:夕張シューパロダム
○イベント賞:豊平峡ダム
○プロジェクト賞:国交省中国地方整備局
○洪水調節賞:早明浦ダム
 
早明浦ダム、2冠!!受賞したダム関係者の皆様、おめでとうございますー!
 
このイベントが何よりすごいのは、プレゼンターの方々が、自費でこのあと各ダムにトロフィーを届けにいくところ。

遠方のダムが受賞するたびに「・・・マジで?あれ、自費で行くの?」というなんとも暖かい空気が会場を包んでいました。もちろん本職は別にお持ちのため、「早く有給を取らなければ」というコメントも聞かれました。

……………………………
 
参加するまでは、まったく知らなかったダムの世界。会場から出る頃には、もっともっと詳しく調べてみたくなっていました。

私も次のダムアワードが開かれる頃には、ダム式が分かる本物の“ダム子”になっているかもしれません!
 

 2014.12.30 文・写真 小松田久美

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