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『ここボートレース場だよね!?』 こんな楽しみ方も出来る!女子におススメ♡ アート鑑賞&レース観戦ツアー 「江戸川アートツアー」

アイコン行かなきゃもったいない!女子一人でも安心・快適♪

2014/08/08(公開:2014/08/08)
「よう」 

『おう』

「毎回負けるのにまた行くのー?」

『いやー、だって好きだからさぁ』



そんな会話が交わされるJR平井駅前。

マイクロバスの待合場所に並ぶ‘勝負師’の方々。顔見知りと軽口をたたいている人もいれば、片手に持ったスポーツ新聞を食い入るように見ている人もいる。

海千山千、といった感じのオジサマ達に混ざって並ぶのは、正直勇気が要った。しかし、皆さんキレイに列を作って待っている。「ステキなワンピースねぇ。若い人はいいわねぇ」と話しかけてくれるオバサマもいて、何だか楽しくなってきた。

ピカピカのバスは、平日の午前中だというのに補助席まで使って満席で出発。15分後、到着したのは『ボートレース江戸川』。


・・・つまり、競艇場だ。最近はボートレース場、というらしい。


でかい・・・。大魔神もでかいが、建物全体もでかい。

ボートレース場に来るのは初めて。勝手なイメージだが、競馬よりも‘その道’に深い人たちが集まる、というイメージがあった。まさか自分が、一人でボートレース場に行くことになるとは予想もしていなかった。それくらい『遠い世界』だったのだ。

でも、そんな『遠い世界』が一気に近づくイベントがある。


江戸川アートツアー

08.05[火]~08.22[金] / 東京都 / 江戸川アートミュージアム

(※9月以降も随時開催予定。詳細はHPにて確認。 http://www.edogawa-art.jp/ )

ボートレース場にある「江戸川アートミュージアム」を見学するツアーイベント。

そもそもこんなところ(失礼!)に美術館があることすら知らなかったのだが、実はかなりすごい美術館なのだ。それは、この後紹介する作品を見れば分かるはず。

ミュージアムの運営をしている小高さんにお話を聞いた。元々ボートレース場の各所にアート作品が展示されていたのだが、3年ほど前にそれらをまとめて鑑賞できるようにしたそうだ。

競艇場=ギャンブルのイメージがあり、(特に女性は)なかなか足を向けることはない。そこで建物もキレイにして、気軽に来てもらおうというコンセプトのもと、‘アート’と‘ボート’を楽しめる異色のギャラリーがスタートした。

ツアーは一日限定10名の予約制。口コミで人気が広がり、九州からわざわざ足を運ぶ人もいるのだとか。また、ツアーは初めて来場する人や、ボートレースを全く知らない人向けの初心者ツアー。参加者も8割が女性とのこと。作品やレースについても、ガイドの女性が解説をしてくれるので安心して楽しめる。



それでは、ツアーに出発~!

  
この日は強風でレースが中止になってしまったので全く人がいない

初めてレースが行われたのは昭和30年の8月だが、 施設はとてもキレイでオシャレな雰囲気。広々としていてシネコンのようだ。エントランスには実際のボートや、選手のユニフォームも展示されていた。ボートは木製でイスもないし(選手は正座)、ブレーキもない、かなりシンプルなもの。ボートとエンジンは前日に抽選で決まるそう。


    
モッフモフの可愛い生き物を発見。
外れた舟券を食べてくれる「DREAM GOAT」マッシロ―。名付け親はなんと、あの和田アキコさん。たま~に耳や足が動くことがあり、それは幸運のしるしなんだとか。


ちなみに、太陽光発電で動くエコなやつ。可愛いだけではなく、環境にも優しく、悔しい気持ちを食べて、幸運を招くありがたいヤギなのだ。


  
右)日本で2人しかいないペンキ絵師・丸山清人氏の銭湯背景画
左)最後の映画看板師・久保板観氏の映画看板


  
強風高波浪のためレースは中止だが、こんな間近で観戦出来る。川風が気持ちいい。ボートレース江戸川は、日本で唯一本物の河川(中川)がレース場になっている。

・波、川の流れ、潮の満ち引きが影響する。
・普通の船も通る
(一級河川なので通行止めにすることが出来ない。舟が通り過ぎるまでレースが中断することも・・・)
・川の手前に一般道路があるので、そちらもレースがある日は通行止め

などなど、かなり特徴的な競技場だ。



いよいよ美術館の中へ。

   
隠し扉のような入り口から中に入ると、昭和レトロな看板や人形がお出迎え。



水木センセイ直筆の鬼太郎・目玉おやじ(等身大)と、「妖怪五十三次」。


  
市川健治氏「ピクセル・モンタージュ」
モザイクを良く見ると、一つ一つが写真になっている。この他にもセクシーな女性の唇の作品や、‘ひみつの絵’も・・・。


  
‘金魚絵師’深堀隆介氏「一粒の麦が落ちて死ねば」
以前、展覧会で見てから個人的にかなりお気に入りの深堀氏の金魚作品。 樹脂に筆で色をつけて、それを何層にも重ねている。どう見ても本物のようで思わず触れたくなる。

もちろん 、普通の展覧会では触ったりすることは出来ない。

しかし・・・!この美術館ではなんと、『おさわり用』の作品が用意されている。思う存分、触って作品を体感できる。これってすごいことなんじゃないだろうか?


他にも、○○で出来た壺とか、スペインの老舗菓子店の美しすぎる飴とか、靴なのに楽器とか、犬なのにエアマックスとか、面白い作品がたくさん。


  
林恭助氏「曜変天目茶碗」 
幻の茶碗、神の茶碗とも言われる国宝級の陶器を現代に蘇らせた作品。光によって変化する神秘的で妖しい輝きに吸い込まれそう。

もちろん、普通の美術館では光を当てたり出来ない。

しかし・・・!この美術館ではなんと、ライトで茶碗を照らすことが出来た!光の角度を変えるたびに、違った表情を見せる器。時間を忘れてうっとり眺めてしまう。まさか、こんなことまで出来るとは・・・。


   
左官・挾土秀平氏作品「薔薇の壁」
某ニュース番組のセットにもなっていた。壁から薔薇が湧きだしてくるような、美しい作品。



  
左)日本初!『土壁アート占い』も体験出来る。24枚の作品から直感で好きなものを選ぶ。すると選んだカードに応じて、鏡リュウジ氏監修の占いカードを貰える。アートと心理占いをミックスした面白い試み!

右)美しい‘泥団子’。色とりどりの団子があるが、全て自然の土の色だそう。

 

   
左)折り紙作家・神谷哲史氏「龍神」
3m四方の一枚の紙から作られている。後ろには展開図もあるが、何がどうなったらこうなるのか。恐らく世界一複雑な折り紙作品。

右)えぐちりか氏「バーンブルックのたまご」
どうみても生卵だが、ガラスで出来ている。今にもどろりと垂れ落ちそう!


   
右)万華鏡作家・山見浩司氏「金閣寺」。どこからのぞくかは実際のお楽しみ。
左)こちらも山見氏の作品。万華鏡そのものも美しい。


  
桑原弘明氏 スコープ作品「メランコリア」(作品画像提供:江戸川アートミュージアム)
箱の覗き穴から見てみると、そこには部屋が。これ、どうなっているかというと・・・

 
   
(画像提供:江戸川アートミュージアム)
両手に収まるくらいの小さな箱の中に、ちっちゃなちっちゃな部屋があるのだ。右の写真を見ればその大きさが分かるはず。(写真だと‘卓上のリンゴ’すら良く分からないが・・・)

の側面にはボタンがいくつかついていて、押すたびに箱の中の明るさや景色が変わる。中身が変わっているのではなくて、光の当て方だけが変わっているそうだが、全く違って見えて、すごく不思議。


   
荒木博志氏「眠れるアトム」
思わず『本物だ!』と声を上げてしまった。アニメや漫画でしか見たことがないのに、まるで‘本物’のアトムが眠っているよう。まつ毛の一本一本まで表現されている。


   
ムットーニ氏「無原罪の宿り」(左・・・作品画像提供:江戸川アートミュージアム)
ミキモトクリスマスファンタジーのために作られた作品。手にはミキモトの真珠を持っている。設計図も展示してあったが、これだけでも絵になる。


ここで美術館見学は終了!かなり作品が多く、紹介しきれないものもあったがバラエティに富んでいて、非常に見ごたえがあった。




VIP気分で、ボートレース初体験!


   
和をイメージした空間・指定席「MIYABI」内のレストラン、「takebue」女性専用席でお昼ご飯。お昼ご飯もツアー料金(1,500円 入場料込み)に含まれている。お得!それにしても、
とてもボートレース場の中とは思えない。


   
こちらは女性専用ルーム「kaguya-hime」。お花や着物も飾られ、ゆったり楽しめる。また、この隣には「powerspot」という部屋もあり、かなり癒される雰囲気。
ここがボートレース場なんて信じられない。


   
特別に、普段は有料でも入れないラウンジへ。イベントの時などにしか開放されないそうだ。まるで空港やホテルの高級ラウンジ(きっと、ものすごくVIPな人たちが使うに違いない)

・・・しつこいけど、本当にボートレース場!?


   
スカイツリーも見える。いよいよ舟券を購入!100円から買えるし、6艇から選ぶだけなので、初心者でも気軽に始められる。

当日のレースの新聞(?)を見ながら予想。とにかく数字のオンパレード。選手の成績から、モーターや舟の勝率(?)まであるのには驚き。そのレースが行われるオートレース場での成績もしっかり書いてあった。勘と経験はもちろん、データー処理能力が必要になりそう。

数字を見ているだけでくらくらしてしまうたちなので、ガイドさんの意見をもとにどの選手にするか決める。女子選手のレースを買ったのだけど、名前、年齢、出身、ランクなどはいいとして、体重まで公表されてる!!ちょっとびっくりした。


ボートレースのスタートも特徴的。スタートラインへ加速をつけて進入し、大時計が0秒から1秒を指すまでにスタートラインを通過する。これが0.01秒でも早いと失格(逆に1秒を過ぎてもダメ) 一回でもフライングしてしまうと、即失格。さらに30日間レースに出られないという厳しいもの。もちろんお金も払われないので、選手にとっては死活問題だ。ドキドキしながらスタートを見守る。

想像以上のスピードと勢いで走り出したボートの最高時速は80キロ!体感速度はもっと速いだろう。船体が軽いのでふわっと水面から浮くこともあり、ひっくり返りそうでハラハラした。コーナーのせめぎ合いは大迫力。信じられない角度でコーナーを曲がり、見事に追い抜く選手も。自分が選んだ番号は残念ながら外れてしまったが、良いレースを見られてかなり興奮した。掛け金100円なので、そこまで悔しくないというのもあるが・・・。


☆充実のミュージアム
☆キレイで快適な施設
☆ドキドキワクワクのレース

もちろん、丁寧な解説付き。「えーっ、ボートレースぅ?」と眉をひそめる女子にこそおススメ!絶対イメージが変わるはず。

アートをきっかけに、ボートを楽しんでみるのも良いかもしれない。



※ツアーは要事前予約 http://www.edogawa-art.jp/
基本的にボートレースの開催日(年間約180日)にツアーを実施。
詳細はHPにて確認。
(ツアーの内容は変更になる可能性もあります )



2014.08.07 文・写真 篠崎夏美
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