夜の美術館には、何かがある。
ベン・スティラーが出てた映画みたいに。 (あれは博物館だっけ?)
ひっそりと静まり返った館内では、物言わぬものが語り出したり、動き得ぬものが歩き回ったりしていそうな気がする。
天使に赤い靴下の片っぽをあげたり、
ファラオのミイラに目覚まし時計を掛けてあげたり、
大好きな絵の中に閉じ込められちゃったり・・・。
NHKのみんなのうたで流れていた「メトロポリタン美術館」のイメージ。
※作詞 作曲者 大貫妙子 編曲者 清水信之
あの頃はまだ、美術館という場所に行った事すらなかった。しかし、なぜか分からないけどワクワクして、ミステリアスで、ちょっぴり怖い雰囲気に魅了された。子供心に不思議なものたちが集められている場所という認識はあって、夜になればさらに不思議さを増す気がしたのだ。
『いつか本物のメトロポリタン美術館に行ってみたい』と憧れた。
ついでに『将来の夢は考古学者』というくらい、古代エジプトにも憧れた。
世界三大美術館の一つ、屈指の収蔵品を誇るメトロポリタン美術館。その中から選りすぐりのエジプトコレクションが並ぶ「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 ― 女王と女神」が行われている。
古代エジプト史の中でも、最も重要な女性ファラオであったハトシェプスト女王や、当時の人々から信仰された女神たちなど“女性”をテーマにした、これまでにないエジプト展。およそ3500年前のエジプト女性たちを彩った豪華装飾品や化粧道具も展示される。
あのメトロポリタン美術館がやってくる!というだけでも、子供の頃の胸の高鳴りが甦るが、その展示会場で! 閉館後に! 謎解きが出来る! という何とも魅力的なイベントが行われる。
08.02[土]~08.25[月] / 東京都 / 東京都美術館
【主催】朝日新聞社
【企画監修】takarush BLACK LABEL
【企画監修】takarush BLACK LABEL
エジプト展の会場で数々の謎を解き、古代エジプト人が残した秘宝を探し出すというストーリー。
あぁ、なんて冒険心をくすぐられるんだろう!
憧れの「メトロポリタン美術館」と、「ナイトミュージアム」が一度に体験出来ちゃうなんて!!
何となく「インディ・ジョーンズ」気分も味わえちゃうなんて!!
何となく「インディ・ジョーンズ」気分も味わえちゃうなんて!!
講堂で説明を受た後、いよいよゲームスタート。実際に展示室を捜索するのだが、部屋に入れば、石像、ヒエログリフ、宝飾品など、古代の宝が静かに待っている。
展示品かなり気になるが、まずは謎を解かないと!
今回のイベントは「大人のための謎解きイベント」を楽しめるコンテンツを手掛けるブランド 『takarush BLACK LABEL』によるもの。通常のタカラッシュ!の宝探しより難易度は高めだ。
会場内にも様々なヒントが隠されており、展示品がヒントになっていることも。謎解きに集中しつつ、どんなものが展示されているのかもチェック。
他のゲーム参加者もいるとは言え、夜の美術館は昼に比べてかなり静か。展示品をじっくり見られる機会も多い。古代の宝に見守られながら謎解きをしていると、映画の中に入り込んだような気分になれる。
会場の雰囲気も抜群だが、謎もさすがのクオリティ。展示を活かしたストーリーになっていて、詳しくは書けないが「あれがああなるのか!!!」という仕掛けが、あちこちにある。解けた!と思っても、実はまだその先に大きな謎があったり、大人も満足出来る謎解きだ。
閉館後の美術館で、古代エジプトの宝と上質なミステリーを堪能する。何とも贅沢な夏の夜の過ごし方だ。
2014.07.24 文・写真 篠崎夏美