<注意!>
このタイトルを見て食事中に読んでいる人はいないと思いますが、念のため。
お食事中の方は、また後で来た方がいいかもしれません。
だって、このイベントは・・・・
こんな感じで・・・
こんな感じで・・・
こんな感じだから。
07.02[水]~10.05[日] / 東京都 / 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーンa
小学校低学年までの男子なら、このイベントのタイトルだけで酸欠になるんじゃないかと思うくらい、大喜び&大笑いすること間違いなし。
‘トイレ’、‘うんち’。彼らはそれらの言葉が汚い、恥ずかしい、大きな声で言ってはいけないものと教わっている。しかし、というか、だからこそ、と言うべきか、先生やママたちが『そんなこと言っちゃダメ!』と叱れば叱るほど、彼らは面白がる。
キャラクターの名前が「ブリットくん」とか「ベンデル教授」で、ここも子供大喜び間違いなし。
でも、なんで言っちゃダメなんだろう?
ものすごく身近で当たり前の存在なのに、語られることのないものたち・・・。日常生活に欠かせない大切なもの、と理解はしていてもなかなか大っぴらに語られない話題。正直私も、こっそり、ひっそり、そっとしておきたい、という気持ちもあった。
だが、今回の展示にはそんな彼ら(?)にスポットを当て、更にはそこから地球の未来まで考えるという壮大なテーマがある。‘トイレ’だけだと恥ずかしいけれど、それが‘地球’規模にまでなると、恥ずかしさが激減する。
そう、これは‘地球’、‘宇宙’、そして‘未来’を考えるイベントなのだ。
ね、もう恥ずかしくないでしょ?
<鈴木おさむ氏・毛利衛氏トークセッション>
颯爽と登場したのはフジテレビの人気番組「めちゃ²イケてるッ!」の名物キャラクター、光浦オンチ。公式「うんち大使」を務める。
今回のトイレ展のプロローグ、エピローグのプロデュースをした、放送作家の鈴木おさむ氏(右)。そして、日本科学未来館の館長である毛利衛氏(左)によるトーク。
トークより一部抜粋
鈴木おさむ氏(以下鈴木):日本科学未来館が「トイレ」の展示をやることが衝撃でした。
毛利衛氏(以下毛利):以前、食べることがテーマの企画展をやったんです。‘食べる’をやったら‘出す’のがあってもいいのでは?と思いました。せっかくやるからには役に立たないと意味がない。生き物は食べたら出す。そこに身近な科学があったら面白いですよね。
鈴木:この企画展のすごいところは、日本科学未来館が本気でやっているところですよね。今回始めて展覧会をプロデュースしたんですが、便器が一斉に歌ったり「アナ雪」とかミュージカルみたいにしました。
毛利:助かった、という感じですね。科学未来館は科学の良いところを紹介してるんですけど、最後トイレが抱える問題でどんどん暗くなって、我々にも問題がある、という風になる。でも鈴木さんがそこで「ありがトイレ」という本質を一つのフレーズ、‘小さな穴からつながる未来’で、明るく表してくれました。
鈴木:子供が楽しむのは分かるけど、大人も楽しめるし考えさせられる展示です。昔、学校で‘大’の方、個室にはいるとバカにされたんですよ。それがいじめにつながったり。みなさんあるあるだと思うんですけど。汚い、とか、恥ずかしいとかいう気持ちが変わってくれたらいいですね。本当にトイレがなくなったら、どれだけ大変か。
毛利:食べることも、出すことも、みんな同じくらい関心があるのに、出す方は隠されてきた。それがタブーではなくなるといいですね。
鈴木:ぜひ家族で楽しんで欲しいですね。
毛利:(退席の際、マイク置きを触って)これは『ブリストルスケール 3』くらいですね。何を言っているかは展示を見れば分かります(笑)
<フォトセッション>
巨大なトイレすべり台の前で写真撮影。毛利さんと鈴木さんが手にしているのは、「うんちの帽子」。これをかぶってすべり台を滑ることで、うんちの気分になれる。
<展示内容>
会場の前にはこんなキラキラ、ピカピカのトイレも。ちょっと落ち着かないかも!?
入り口もトイレのドア風。3つあるので、好きなところからどうぞ。
はじめに:トイレに秘められた心
日本の最先端トイレがお出迎え、トイレに込められた「おもてなし」の心を実感。海外旅行から帰ってくると実感する、日本のトイレの清潔さ、気配り。やっぱり日本のトイレっていいなぁ。
解説をしてくれた日本科学未来館の科学コミニュケーターさん。すっごく真面目に話してるけど、頭!!
うんち(の帽子)乗ってる!ここまで堂々とされると、自分もうんち帽子をかぶりたくなってくる。
プロローグ:もしもトイレがしゃべれたら・・・
いつも黙って私たちの役に立ってくれているトイレ。でも、トイレは怒っているみたい・・・。日ごろ溜まりに溜まったうっぷんを語り出す!
エリア1:今日どんなうんち出た?
うんち=身体からのメッセージ。ちゃんと自分のうんちと向き合ってる?動物のうんちや、腸内細菌の話、そしてうんちの匂いを活かした香料も。徹底的にうんちについて知ることで、偏見をなくす狙いがあるそう。
※敢えてキラキラモザイクかけてます
これがブリストルスケール。うんちの状態を判断する指標みたいなもの。ちなみにスーパーマンみたいなやつは‘4番’のスーパーうんち!
そして、ここの目玉は‘自分のうんち’を粘土で再現するワークショップ(平日のみ)。人のうんちってそうそう見る機会はないけれど、ここでは皆でうんちを作って見せ合ったり出来る。もう恥も何もない。良く出来たうんちは週一回、Facebookで発表されるそう。どんなうんちか気になる・・・。
エリア2:きみはトイレで何してる?
用を足すだけでなく、1人になって落ち着いたり、携帯をいじったり・・・。トイレって排泄以外にも大事な役割を果たすスペースだったりする。
左)トイレそのものを愛でる染付便器。もはや芸術品 右)保育園で使われているお喋りしながら入れるトイレ。
トイレで隠れてゲームをするんじゃなくて、トイレそのものがゲーム。オシッコの量、勢いなどを競う。
一人になれないトイレ。マジックミラーで外からは見えないけど、中からは丸見え!
見えないと分かってても、これはイヤだなー。出るものも出ない、ってやつだ。清潔さも大切だけれど、‘見られない’ことで得られる安心感もトイレには必要。
エリア3:うんちはどこへいくんだろう?
あなたが流したうんち。その後どうなるか知ってる?ここでは巨大なトイレの滑り台を滑り降りて、うんちの気分になれる。下水処理の仕組み、資源の回収などについて学べるエリア。
子供はもちろん、大人も体験出来る。
左)うんちが階段を昇ったり、並んだりしていてカワイイ。 右)ジャーッという音と共に流される
すべり台を降りた先は下水道。うんちが流れていく。
エリア4:宇宙のトイレは未来のトイレ?
宇宙船のトイレから考える、未来の宇宙トイレ。限られた資源を循環させて、最大限に利用する宇宙船のトイレは‘ミニ地球’とも言える環境に適したトイレだった。
地球を見ながら用を足すって、どんな気分だろう…。
エリア5:みんなが幸せになれるトイレって?
育児、学校でのうんちが出来ない子供、尿漏れ、介護・・・。人生のそれぞれの段階においても、トイレは私たちに密接に関わってくる。海外では資金不足などでトイレが作れなかったり、不衛生だったり、危険だったり、命に関わる事態も起こっている。
また震災など非常時の衛生管理なども課題だ。「トイレ」という観点から自分の生活を、そして地球を見直して、「幸せなトイレ」とは何かを探る。ここまでくると恥ずかしいなんて気持ちは微塵もなくなっている。トイレの問題は地球全体の問題でもある。
エピローグ:そしてトイレは歌いだす
ここまで展示を見てくれば、トイレの気持ちまで分かるようになったのでは?トイレに感謝を込めて「ありがトイレ」!
私達に不可欠なトイレ。日常、地球規模の課題、人としての尊厳、命・・・。まさかトイレからここまで色々考えるとは思わなかった。
内覧会では、大の大人が集まって真剣にトイレとうんちについて見聞きしていた。すっごく真面目な視線の先にはうんち。なかなかにシュールだったけれど、照れくさいのは最初だけ。この展示を見ていると、自分でも気づかないうちに真剣になってしまうのだ。
ぜひ皆さんも、恥ずかしいとか、汚いとか、そういう気持ちを取っ払って、純粋な気持ちで、‘トイレ’と‘うんち’に感心したり、感動したり、感謝したりして欲しい。
トイレでうんちが出来るって、しあわせなことなんだ。
2014.07.04 文・写真 篠崎夏美