ブーム最盛期は過ぎたと言われるものの、もはや生活スタイルとして定着したランニング、マラソン。日本最大のマラソン大会とされる「東京マラソン2014」倍率は、10.3倍という高倍率だ。
ランナーが増加し、各地のマラソン大会も盛況のようだが、最近‘ただ走る’だけではない一風変わった大会や、初心者にも参加しやすい大会が増加している傾向がある。
Benefit one SPORTS FESTIVAL2014 ファイナルリレーラン in 国立競技場
2014.01.18[土] /東京都/ 国立霧が丘競技場
これまで、数々の名勝負、大記録の舞台になった、スポーツの聖地『国立』を走ることが出来る、スポーツファンにとってはまたとないチャンス。改修前の最後のランニングイベントは、貴重な機会となる。10名まで可能なチーム対抗なので、友人、家族、ランニング仲間など、グループで国立を走れる。また、陸上選手、野球選手等によるトークショーや、ステージイベントなども行われる。
JAPAN EKIDEN TOUR 2013-2014 KOBE
2014.01.19[日] /兵庫県/神戸総合運動公園 ユニバー記念競技場
日本初のツアー駅伝。駅伝ツーリズムをコンセプとしており、各地で大会が開催される。キーワードの「駅伝やろうぜ」が表すように、上位入賞、速さを競うだけではなく、走る楽しさ、家族や仲間との絆を繋ぐことを目的としている。もちろん、本気で優勝を狙うのも良い。4人でタスキをつないで走れば、悔しさも、喜びも4倍。お正月の箱根駅伝を見て触発された人は参加してみては?
2014.02.02[日] /東京都 / 潮風公園+お台場ランニングコース
大阪、東京で行われる、チョコ好きのためのランニングイベント。タイムを競うのではなく、あくまでも楽しく走ることが目的。「チョコステーション(給チョコ所)では、誰もが知っているチョコのお菓子から高級チョコまで、美味しいチョコ菓子を味わえる。参加の服装にも制限は無く、様々なコスチュームも見どころの一つ。参加賞にはオリジナルグッズやチョコが貰える。
国内最大規模の女性限定のマラソン大会。一般の女性たちが気軽に参加出来るように、と始まったイベント。初心者でも参加しやすい。日本のファッションの最先端の街、渋谷、表参道を走る。普段はジョギングが禁止されている、歴史と格式がある明治神宮を走ることが出来る、唯一最大のイベント。ファミリー&キッズ部門があるほか、多数のスポンサーブース出店もある。
世界が熱狂しているカラー・ランが日本に初上陸。カラフルな色にまみれる‘地球上でもっともハッピーな5km’が体験出来る。ルールはシンプル。白い服を着てスタート、色を塗られてゴールすることだけ。普段走らない人にもスポーツに触れてもらい、健康的な生活を送ってもらうこと目的。マイペースでゴールすることを提案しているため、タイムの計測もない。マラソン大会というよりは、お祭りのようなイベント。
こうして見てみると、家族、女性、初心者など、幅広い参加者が楽しめる大会が多い。2010年の段階でランニング人口は800万人と言われており、一大市場になっている今、幅広い層の要望に応えられる大会が必要とされているのだろう。また、少し前までマラソンは、ストイックに、1人孤独に黙々と、苦しみを乗り越えて走るもの、というイメージがあったように思う。だが、今は多くの人が楽しめる‘イベント’として進化しているようだ。
ただ、飽くまでもタイムや順位にこだわりたいランナーも存在する中で、どのようにイベントとしての大会と、スポーツとしての大会を成立させていくかがカギになってくるだろう。敢えて別の大会にしないまでも、スタート位置や、時間をずらせば両者が楽しめる大会は可能になるはずだ。
楽しく走って健康になる、仲間や家族としての絆を深めるなど、肉体的にも、精神的にも多くのメリットがあるマラソン大会。今後まだまだ増えていく、さらに様々に進化した大会が出てくるだろう。
2014.01.08 文・篠崎夏美