東京・代々木公園イベント広場
これまで日本(特にここ代々木公園)では、多くの海外文化フェスティバルが行われているが、スペインがテーマのイベントは初めて。スペインファン待望のスペインフェスが遂に開催された。
2013年は、日本スペイン交流400周年の節目の年にあたる。これまでのスペインと日本の400年の関係を振り返ると共に、スペインの魅力に改めて出会うイベントである。食、文化、舞踊、音楽など、さまざまなスペイン文化を紹介・体験出来るという。
週末の原宿はかなりの人出。代々木公園も沢山の人で賑わっていた。あちらこちらからスペイン語も聞こえてくる。こんなにスペインに興味がある人がいるのか、と驚くぐらいの盛況ぶり。逆にこれまでスペインフェスがなかったのが不思議な位だ。
スペインのスパークリングワイン「フレシネ」のブース
ステージではキッズファッションショーが行われていた。スペインらしいカラフルな服を着た、可愛いモデルがポーズ。この他にも、スペインらしいフラメンコショーや、スペインのバンドによるライブが開催された。
あのつな八のブースも。天ぷらとワインや、ドライシェリーを合わせるという斬新な発想。
スペインと言えばワイン。かなりの人が赤ワインや、サングリア片手にフェスを楽しんでいた。ワインセミナーなども行われていた。
グルメの他に、スペインにまつわるグッズのブースも多数出展している。
スペイン・バルセロナの文房具PEPA PAPER日本直営店「アンテナカタルーニャ」
【Antena Catalunya HP http://botiga.catalunya.jp/】
大学の先輩が運営しているので、お邪魔してみた。
オシャレなデザインのノート。通常はネット版売なので、この日は実物を手に取って見ることが出来る貴重な機会だ。
日本におけるカタルーニャ研究の第一人者にして、大学時代の恩師、田澤耕先生のテキスト。一般の書店ではなかなか手に入らないであろう、カタルーニャ語の手引き。
グリーティングカード、消しゴム、ペンなどオシャレな文房具が並んでいた。
映画のプロモーションブースも。
パブロ・ベルヘル監督「ブランカ・ニエベス」
白雪姫、女性闘牛士がテーマの映画。映画で実際に使われた衣装も展示されていた。衣装はカラフルだが、実際の映画はモノクロ。
美しく、怪しい雰囲気。モノクロ&サイレント映画で描くダークファンタジーとのこと。
ペドロ・アルモドバル監督「アイム・ ソー・エキサイテッド」
おネエの客室乗務員3人が主人公の、ドタバタコメディ。一足早く、スペインで観た人によると、アルモドバルらしく、ちょっと一癖ある仕上がりになっているらしい。
最近日本に上陸し、話題となっている「Desigual(デスイグアル)」
ド派手な色使い、斬新なデザインが特徴。ちょっと値段設定が高めだが、この日は小物類が10~15パーセントオフ。アパレルブランドがこうしたフェスに出店するのは珍しいのではないか。 ビニール製の大きなショップバッグを無料配布していた。私含め、大勢の人が持っていたので、良い広告になっただろう。
そして、最大のお楽しみ、フードブース!
しかし、このフェス一番の目玉とも言える、フードブースが大変なことに・・・。
大混雑・・・。
会場に入ったときから、すごい人混み。どの店舗も長蛇の列。しかも、中々列が進まない。お昼過ぎには更に列が延び、どこの店の列か分からないくらいに。おまけに複数店舗の列が入り乱れ、会場内の移動もままならないほどになっていた。
色々気になるメニューはあったのだが、とにかく混んでいて諦めた。残念・・・。
30分弱並んでやっとフードを購入できたが、今度は食べる場所がない。一応テントもあるのだが、この混雑ぶり。
初回で、しかも初日なので仕方ないとは思うが、もう少し行列の整理をする要員を置くとか、何かで列を区切るなどの工夫が必要。皆片手にワイン、片手にパエリアなどを持って、人混みを抜けて歩くので、ぶつからないかひやひやした。
公園の端にようやくシートで場所を確保。
右上から魚介のスープ、パエリア、鶏肉とオリーブの煮込み。この他、ホットサングリア、クルスカンポ(ビール)、エビのフリッター、生ハムなどを購入。
価格が少し高いのは目を瞑るとして、パエリアが・・・。明らかに黄色い色がついているだけのご飯を容器からよそい、その上に魚介(冷凍もの)を散らすという衝撃の作り方。初めてパエリアを食べる人が、これがパエリアだと思わないことを祈る。他の店舗ではちゃんと鉄鍋で作っていたようなので、ここだけだと思いたいが・・・。
生ハムの切り方が厚過ぎたが、きちんとその場で削っていたようだ。スープ、フリッター、煮込みは本格的な味で美味しかった。秋の日差しの中、紅葉を眺めながらスペイン料理を楽しめるのはとても幸せである。
<感想>
様々なスペインの文化に気軽に触れられるというのが、このフェスの魅力だ。パエリア、生ハムだけではない、日本ではあまり知られていないグルメのブースもあり、色々試すことが出来る。
ステージイベントでは、かなりクオリティの高いフラメンコショーなども無料で行われていたようだ。また、様々な講習会も実施されていた模様。しかし、ステージプログラムなどが置いてある場所が限られており、事前に知ることが出来なかったのが残念。もっと会場入り口などで配れば効率よく見る事が出来ると思う。
しかし、今回は第一回目。まだまだ改善の余地はあるし、一回目でこの動員はなかなかのものだと思う。それだけ日本人がスペインに興味を持っていることの表れでもある。
この経験をいかし、今後スペインフェスがどのように成長していくかに注目したい。
2013.11.24 文・写真 篠崎夏美