このイベントは、ちょっと珍しい『カワウソ』の合同写真・物販展。SNSなどでも人気の作家が参加し約200点のカワウソ作品が紹介されるほか、さまざまなカワウソグッズも販売されます。
特にコツメカワウソを中心に、テレビの動物番組でも近頃ひんぱんに紹介され、その人懐っこさとかわいらしさで人気を集めています。実は筆者も、数年前からコツメカワウソの魅力に取りつかれたひとり。
「カワウソほんと展」は、一般の人にとってはまだまだ謎が多いカワウソの魅力と、“ほんと”を知ってもらう企画です。
でも、カワウソの“ほんと”ってどんなことなのでしょう? 初日に会場を取材してみました。
◆とにかくかわいいカワウソがいっぱい
ギャラリーに足を踏み入れれば、そこはカワウソたちに囲まれる空間。展示されているのはほぼコツメカワウソたちの写真。
扁平で丸っこい顔、つぶらな瞳、生き生きとした表情。なんともいえぬかわいらしさです! 中には日本酒「獺祭」のビンと写真におさまっている子も。酒好きとカワウソ好きにはたまらないですね……。
いつもはスマホなどの画面で見ているので、大きなサイズで写真を見られるのも嬉しいです。ヒゲや滑らかな毛並みまでくっきり。
もちろん写真だけでもかわいいのですが、個人的にコツメカワウソの魅力は、動きと声にもあると思います。キューキュー鳴きながら飼い主さんの足元にまとわりついたり、水遊びをしたりする様子は、悶絶するほどのかわいさ。
最近はSNSなど動画をあげてくれる飼い主さんも多いので、毎日のように動画を見られて幸せです。しかし、会場では大型プロジェクターを使って、なんと30分超えの大作映像を見ることもできるそう。そのほとんどが初公開・未公開動画で、なかには芸をする映像もあるのだとか。取材中には見ることができなかったのが残念です……。
◆カワウソの“ほんと”を知る仕掛け
会場内のさまざまなところに、カワウソについての情報が書かれた吹き出し型のパネルがあります。
「こんな可愛いカワウソですが…ワニを襲うこともある!?」
「赤ちゃんの時から泳ぎが…上手!」
説明文の背景には、それぞれうっすらと『ウソ』、『ほんと』の表記が。遠くから見ると、キーワードと説明だけしか見えないのですが、よく見るとその情報がウソか本当か分かる仕組みです。これは「しっかりカワウソを見つめないと、本当のことか、ウソのことかは分からない」というメッセージのようにも感じました。
ちなみに、ちょうどトイレの真横に、カワウソのフンについての情報がありました(笑) 「カワウソのフンはいい匂いがするってほんと!?」
◆妖怪チック? 野生のカワウソの姿も
ビロードカワウソやスマトラカワウソなど、野生のカワウソの写真も展示されています。コツメカワウソを見慣れていると、その大きさとワイルドな表情に驚きます。体格が大きいこともありちょっと怖いくらい。しかし、これが本来のカワウソの姿なのでしょう。
日本では妖怪として描かれることもあったようですが、ちょっと納得。水の中を自在に泳ぎ回る姿や頭の良いところも、昔の人にはミステリアスに映ったのかもしれません。
一方で水面からみんなで顔を出したり(まるでネッシーのよう)、芝生でだんご状に重なり合ったり、貴重でキュートな姿も見られます。
日本では野生のカワウソは絶滅してしまったと言われています。しかし、調べてみたところときおり目撃情報が寄せられることもある様子。どこかでひっそり生きていてくれたら嬉しいですね。
◆日本最大級の品ぞろえ? カワウソグッズも盛りだくさん
これだけのカワウソ作品が一堂に会することはめったにありませんが、「カワウソほんと展」では、カワウソのグッズも豊富にそろいます。取材時はオープン直後にも関わらず、多くのお客様がカワウソグッズを手に取っていました。
普段はなかなか手に入らないカワウソグッズ。ここではキーホルダー、アクセサリー、羊毛フェルト、マスキングテープなどなど、さまざまな種類が販売されています。おそらく、こんなにカワウソグッズがあるのは日本でここだけでしょう。
ちなみに会場の外には、カワウソのおみくじまで! どんなことが書いてあるのか気になりますね。
◆かわいいだけでないカワウソ
愛くるしいコツメカワウソを見ていると、飼ってみたい! という気持ちがおさえきれなくなってきますが、ペットとしてカワウソを飼うのは非常に大変です。生体の値段、設備、継続的な正しいケア、きちんとした運動、鋭いキバ、鳴き声などなど課題はたくさん。
もちろんカワウソに限らず、いきものと一緒に暮らすということは、ただ「かわいい」だけではできないことです。
さらに言えば、いくらコツメカワウソが賢いと言っても、ペットとして飼われるようになったのはごく最近。限りなく野生に近い動物なので、犬や猫を飼うようにはいかないかもしれませんね。
また、そもそもコツメカワウソは絶滅危惧種であり、日本への持ち込みが厳しく制限されています。もちろん、きちんと国内で繁殖させたものをペットとして飼っている方がほとんどですが、なかには悪質な業者もいるのだとか……。
詳しくはぜひ会場で説明を読んでいただきたいのですが、カワウソをめぐる現状は他の多くの野生動物と同様に、難しい問題があるようです。
◆カワウソのことを知って、もっとカワウソが好きになる!
「カワウソほんと展」は、ペットとしてのカワウソ、野生としてのカワウソ、どちらも展示することで、まだあまり知られていないカワウソについて詳しく知ることができます。カワウソの『ほんと』を知れば、これまで以上にカワウソが好きになりますよ。
篠崎夏美(イベニア)
<カワウソほんと展>
◆開催日時
2017年7月7日(金)~7月23日(日)
11:00~19:00
◆会場
TODAYS GALLERY STUDIO
(東京都台東区浅草橋5-27-6)
◆料金
500円 / 3歳以下は入場無料
2017年7月7日(金)~7月23日(日)
11:00~19:00
◆会場
TODAYS GALLERY STUDIO
(東京都台東区浅草橋5-27-6)
◆料金
500円 / 3歳以下は入場無料