昨年、お台場・カルチャーカルチャーで開催されたラテ1グランプリが再び開催された。今回のイベントもラテアートの達人であるじょーじ氏と、まっつん氏が登場。 観客の目前で見事なラテアート作品を次々に作りだした。
【ラテワングランプリとは?】
Twitterなどで話題になり、海外メディアにも紹介されたラテアーティストのまっつんさん、じょーじさんによる来場者参加型イベント。2人のラテアート対決が目の前で見られる。
その場で出されたお題に即興でラテアートを制作して、来場者の投票や、Twitterのリツイート数などで勝敗を決定する。また、今年も和光大学経済経営学部産学連携実践論スタッフが企画・進行を担当した。
第一回目の模様はこちら⇒http://evenear.com/article/detail/126/
主役の2人に直前インタビュー。
イベント開催前、じょーじさんとまっつんさんにお話を聞いてみた。
左)まっつん(松野浩平)さん 右)じょーじ(山本カズキ)さん
○一年ぶりのラテ-1グランプリですが、一年前と今で変わったことはありますか?
じょーじさん:
大きなこととしては、お店(※)を始めることを含めて、東京に戻ってきて仕事をしていることです。また、僕は変化というよりは、どんどんアイディアが出てきて、それをその都度出し切っている感じがしますね。色々なやり方を試したり、色々な人と関わったりしたいです。
大きなこととしては、お店(※)を始めることを含めて、東京に戻ってきて仕事をしていることです。また、僕は変化というよりは、どんどんアイディアが出てきて、それをその都度出し切っている感じがしますね。色々なやり方を試したり、色々な人と関わったりしたいです。
まっつんさん:
お店もありますが、色々な仕事を経て成長したと思えます。昨年のイベント前は緊張でガチガチになっていましたけれど、今はかなりリラックス出来ていますね。そういうところも経験を積むことで成長したという実感があります。
※じょーじさんとまっつんさんによる、世界一ラテアートを楽しめるカフェ 「Reissue」が、3月1日原宿にオープンする。
○「REISSUE」をどんなお店にしたいですか?
まっつんさん:
色々な人が集まって、そこでの思い出を残してもらえるようなお店にしたいです。ラテアートだけでなく、お店そのものの空間や、雰囲気を楽しんで欲しいです。
じょーじさん:
原宿でカフェをやるというのは、今までの自分、さらには今のままの自分では無理だと思うので、進化し続けていきたいです。原宿ってある意味、日本を代表する場所で、世界的な場所でもあるので、原宿にぶつかっていく、戦うような気分です。
ただ、隣に誰がいても自然でいられるような雰囲気にしたいです。有名人でも、お年寄りでも、子供でも……。みんなが普通に楽しめるお店がいいですね。
○今日のイベントへの意気込みをお願いします。
じょーじさん:
戦うといっても、同じお店で働く店長(じょーじさん)と、スタッフ(まっつんさん)なわけですよ。店長としては負けられないですね。店長のメンツというか、こんなところで負けてたらいろいろダメだろっていう(笑)
まっつん:
やるからには勝ちたいです。店長を立てるとか、そういうの考えてません!(笑) 昨年に比べて取材に来てくださる媒体なども増えていますし、期待に応えられるようにベストなパフォーマンスをしたいです。
○得意なラテアートはどんな種類ですか?
まっつんさん:
僕はモノクロの作品が多いのですが、キャラクターよりアートに近いものを描くことが好きですね。アートに興味もありますし、描きごたえがあります。また、流行に左右されず時間が経っても評価されるような作品を作りたいです。
僕はモノクロの作品が多いのですが、キャラクターよりアートに近いものを描くことが好きですね。アートに興味もありますし、描きごたえがあります。また、流行に左右されず時間が経っても評価されるような作品を作りたいです。
じょーじさん:
立体(3D)です。時間、泡の柔らかさ、表現の方法などやれることに限界があります。その中でどんな作品を作るのか、どうやって早く作るのか? パズルのような思考が求められるのが面白いですね。
○他の人のラテアート作品は気になりますか?
じょーじさん:
あまり見ないです。僕の場合、お客さんに出すものですが自分が作ることを楽しんでいるので……。海外でも3Dラテアート作品がたくさんあったり、(自分のものと)似たような作品があったりしますけど、気にならないです。
自分は作品を作るスピード感というか、何かを作りたいと思ってすぐ作れるというのがラテアートの魅力の一つだと思っています。旅行などは行きたいと思ってもすぐに行くのはなかなか難しいですけれど、ラテアートは思い立ったらすぐ作れるのがいいですね。だから自分が作品を作った後に、誰がどんな作品を作っても気にはなりません。
まっつんさん:
僕は他の人の作品も結構見ますし、同じようにラテアートを作っている人と交流もしますね。じょーじさんともそうやって知り合いましたし。ライバルというか、同じテーマで作品を作る仲間みたいな感じです。
負ければ店長交代? 「ラテアートでモテたい」 悲願は叶うのか?
イベント開始。登壇者の紹介に続いて、じょーじさん、まっつんさんのイベントに対する意気込みなどが語られた。
(司会進行)テリー植田さん:普段はどんな作品を作っているんですか?
まっつんさん:自分が見て感動したものや、動物などが多いですね。モノクロも多いのですが、ラテアートの中にストーリを感じるものを作りたいです。
じょーじさん:良く作るのは流行ものとか、時事ネタです。「こういうの作ったら面白いだろうな」とか、「これはウケるかな?」とか、基本的にチヤホヤされたいんですよ(笑) でもなかなかモテないんですよね……。海外でも3Dラテアートは評判なので、海外に行ったらモテるかと思ったんですけと、ダメでした(悲哀に満ちた表情を浮かべる)
テリー植田さん:今日勝てばモテモテですよ!
じょーじさん:そうですかね~?
テリー植田さん:では、今日の勝負に対する意気込みをお願いします。
まっつんさん:勝ち負けと言うより、皆さんに楽しんでいただきたいと思います。
じょーじさん:スタッフと店長の差を見せたいですね。
まっつんさん:じゃあ、勝ったらオレが店長だ!(笑)
<前半戦>
1:体験コーナー
1:体験コーナー
お客様が舞台に上がり、じょーじさんまっつんさんとラテアート体験。
お題①平面アート「ひつじ」
お題①平面アート「ひつじ」
ラテアート初心者とは思えない手さばき
まっつんさん:羊は色も白(ミルクの泡と同じ色)ですし、フォルムが丸くモコモコしているので、初心者にも描きやすいと思います。そんなに難しく考えず、バランスをうまく取るのがコツです。カフェラテをカップに入れたらミルクの泡を載せて、カクテルピンで輪郭などを描いていきます。僕は線をはっきりさせたいのでチョコレートソースで描きます。
登壇者は昨年もラテ-1グランプリに参加していたお客さん
司会のテリー植田さんをモチーフにした「テリー羊」。
左)まっつんさんチーム 右)じょーじさんチーム
お題②立体アート「しろくま」
ラテアートは一発勝負かと思いきや、意外とやり直しが出来るらしい。しかし、お二人曰く「それを見せないのがプロ!」とのこと。また、やり直しをするとそれだけ時間もかかってしまい、美味しい状態でコーヒーを提供出来なくなってしまう。そのためやり直しは可能と言えど、やはり正確で早い作業が求められるようだ。
左)まっつんさんチーム 右)じょーじさんチーム
じょーじさん:3Dラテアートはマシーンが無くても作れるんですよ。インスタントコーヒーと、鍋で沸かした牛乳の泡を使うのですが、コツさえつかめば家でも出来ます。コツはなるべくしっかりした泡を作ったら、スプーンを2本使って優しく形を作ることです。
2:ラテアートしりとり対決コーナー
ラテアート版お絵かきしりとり。10分間に多く作品を作ったほうが勝ち。“す”からスタート!
手を動かしながらも、会場からの質問に答えていく2人。
・コーヒーに合う調味料は?
じょーじさん:意外とカフェラテに胡椒を入れると美味しいですよ。
じょーじさん:意外とカフェラテに胡椒を入れると美味しいですよ。
・毎日どれくらい練習しますか?
まっつんさん:何時間というのはないんですが、描きたいものが思い浮かんだら、ですかね。やるときは一気に5杯くらい描きます。でも飲むのがツライです(笑)
まっつんさん:何時間というのはないんですが、描きたいものが思い浮かんだら、ですかね。やるときは一気に5杯くらい描きます。でも飲むのがツライです(笑)
まっつんさん 「スルメ→目玉→マリオ→おなら」
じょーじさん 「スナイパー→パラソル→ルービックキューブ→ブック」
ラテアートで表現できる題材をしりとりで考え、短時間で完成させなくてはならない。しかもお客さんが絵を見て分からないといけないという、かなり厳しいもの。だが次々に作品が完成し、結果は2人とも4作品を完成させて引き分け。
前半戦を終え、健闘を讃えあう2人。
<後半戦>
3:リクエストコーナー「ラテアートで描いて欲しいアニメキャラクター」
事前のアンケートで要望があったキャラクターをラテアートで作成。会場の拍手の多さ、作った早さ、TwitterのRT(リツイート)の多さで勝敗を決定。それぞれ平面(2D)と、立体(3D)のラテアートで表現する。
①「Dr.スランプ」アラレちゃん(平面)
じょーじさん作:アラレちゃん
じょーじさん:アラレちゃんと言えば「キーン!」ですよね。そこを描きたかったのですが、全体が入りませんでした……。
まっつんさん作:アラレちゃん
まっつんさん:意外とパーツが多くて大変でした。ほっぺの赤いところはイチゴシロップで表現しています。
②「妖怪ウォッチ」ジバニャン(立体)
じょーじさん「化け猫っぽくなっちゃった……」
原宿にあるカフェの新店長になるにあたり、元店長から『ダサ過ぎる!そんなんじゃ原宿で働けないよ!』と、ダメ出しされたじょーじさん。しかし、そんな厳しい元店長だが、翌日には服をくれたり、コーディネートしてくれたりしたという。
ちなみにメガネは「店長っぽいメガネください!」 、髪型は「店長っぽい髪型にしてください!」とリクエストしたとか。確かに、一年前とは雰囲気が全く違う。
引き続きお客さんからの質問にも答えていく。
・好きなコーヒーの種類は?
まっつんさん:酸味があるものより、コクがあるものの方が好きです。でも、コーヒーよりコーラがいいですね(笑) もうコーヒー飲みすぎました!
まっつんさん:酸味があるものより、コクがあるものの方が好きです。でも、コーヒーよりコーラがいいですね(笑) もうコーヒー飲みすぎました!
じょーじさん:原宿は美味しいお店がいっぱいあるので、色々行きます。エスプレッソを良く頼みますね。「ここは豆がいいなぁ~」とか「ラテアートしやすそう」とか思います。豆について聞いたりもしますし、味はもちろんですが会話が楽しいです。
左)まっつんさん作 右)じょーじさん作
作品を見たお客さんからは、「それぞれオリジナリティがあって良かった」、「自分もラテアートをやっているが、二人ともすごくて参考になった」という感想が聞かれた。
4:似顔絵コーナー
お客さんの似顔絵ラテアートをその場で作成。会場の拍手が多かった方が勝ち。
まっつんさん:(今回は男性モデルですが)女性を描くのは色んな意味で怖いですよね~(笑)
じょーじさん:ずっと見ていたくなる人を描きたいですね(はぁと)
描いてもらった方:格好良く描いてもらえて嬉しいです!
似顔絵ラテアート完成!
じょーじさん作
まっつんさん作
<結果発表>
全試合を終えて、いよいよ結果発表……! モニターを見守るお二人。結果は勝負がつかず「引き分け」!!
まさかの引き分け
しかし、新カフェ店長の座(?)をかけた戦い、このままでは終われない。急きょ試合は延長戦へともつれ込んだ。
5:延長戦 (事前アンケートの中から無作為に一枚選び、お題を決定)
「名探偵コナン」江戸川コナン
今回は参考画像なしで、記憶だけを頼りにラテアートを作成。絵を見ながらラテアートでキャラクターを再現するだけでもかなりの技術を要求されるが、これはさらに難しい。お二人とも苦戦されていたが、特にあの特徴的な髪型を表現するのが大変だったようだ。
じょーじさん:あれ? 丸メガネだったっけ? 髪型が難しい!
まっつんさん:鼻が三角なのは確かなんだけど、うーん……。
会場の拍手で勝敗を決めるはずが、あまりの接戦で決着がつかず。関係者の拍手も入れて再投票でじょーじさんが勝利!
じょーじさん:時間などの制限がある中で、どう楽しむかを考えました。
まっつんさん:前回は勝ったんですが、今回は負けてしまいました。でも、これでイーブンなので、またラテ-1グランプリを開催したら次こそ勝ちたいです!
まさかのパイ投げ! 罰ゲーム
最後に罰ゲームが行われた。内容はなぜか「パイ投げ」。勝ったじょーじさんが、負けたまっつんさんにパイを投げる。
「うわー!! 初めてパイ投げやります!! すごい膨らむ!! 楽しい~!!!」と興奮気味なじょーじさんに、対し(まじかよ……。盛りすぎだよ……)という表情のまっつんさん。
「うわー!! 初めてパイ投げやります!! すごい膨らむ!! 楽しい~!!!」と興奮気味なじょーじさんに、対し(まじかよ……。盛りすぎだよ……)という表情のまっつんさん。
お二人の表情の違いにご注目ください
いったー!!! 遠慮なくスタッフにパイを投げる店長の図
ラテの泡ではありません
最後は仲良くお店の告知
前回よりさらにパワーアップしていたまっつんさん、じょーじさんのラテアート。今回が二回目のラテ-1だが、目の前でラテアートが作られていく様子は、何度見ても飽きない。同じ作品は二度と作れず、作った作品も消える(飲まれる)運命という、楽しくも儚いアート。これからも多くの人を魅了していくに違いない。
世界一ラテアートを楽しめるカフェ「REISSUE」と、お二人の今後に引き続き注目だ。
2015.02.26 文・写真 篠崎夏美