12.03[水]~
新宿東口献血ルームで“献血謎”やってます!
「なにやら、献血するだけで、謎解きゲームが楽しめるらしい・・・?」
ある日、そんな内容のメールが編集担当から送られてきました。
献血・・・なんだかんだと機会がなく、これまで一度もすることは出来ないまま(行ったけれども、問診ではじかれた経験はあり・・・)。
それに加えて「謎解きゲーム」が出来る・・・?これはもう、行ってみるしかないじゃないか!!
それに加えて「謎解きゲーム」が出来る・・・?これはもう、行ってみるしかないじゃないか!!
ということで行ってみました“新宿東口献血ルーム”。なにやら「世界を救うのは、あなたの血だ。」と題し、献血をすると同時に“謎解きゲーム”が体験できるとのことです。
かねてから「行くとジュースをもらえたり、マンガが読めたりするらしい」という噂を、耳にしてはいましたが“謎解きゲーム”まで出来るとは・・・。実のところ“パズル系”があまり得意でない私。「解けずに帰してもらえなかったら、どうしよう・・・」という、無意味な不安(そんなことある訳ない)を抱きつつ伺いました。
左)入口にある案内板 右)献血ルーム入口
まず献血ルームの前まで来ると、確かにあった立て看板!「献血謎:謎解きイベント開催」の文字。献血ルームへ入り受付を済ませると、謎解きゲームセット一式がもらえ、献血をする合間に挑戦できます。ということで、さっそく申し込み。
いくら献血が“善意の行為”とはいえ、不健康な状態の人間から血を採取する訳にはいかない・・・ため、様々な事前確認があります。申込票の記入、血圧測定、その後タッチパネル形式の問診回答モニターで健康状態、既往歴、渡航歴等を回答します。
左)献血の種類には2通りあり 右)タッチパネル式の問診回答モニター
次に医師と対面での問診。その日の体調や大きな病気をしていないかなどの確認をします。仮に何か不安があれば、ここで相談できるので安心です!その後「血液検査」があります。
まさかの献血不可判定!!
・・・ここでまさかの事態発生!
なんと自信満々、健康体のつもりで訪問したリポーターの私、まさかの“献血お休み!”との判断がくだされてしまいました!実は、日ごろの不摂生で、“メタボ”リポーターと揶揄されていた私だったのですが、それにより献血が出来る基準値を超えており、あえなく撃沈ということになってしまいました・・・(おい、体験リポーター失格じゃないか!!)
なんと自信満々、健康体のつもりで訪問したリポーターの私、まさかの“献血お休み!”との判断がくだされてしまいました!実は、日ごろの不摂生で、“メタボ”リポーターと揶揄されていた私だったのですが、それにより献血が出来る基準値を超えており、あえなく撃沈ということになってしまいました・・・(おい、体験リポーター失格じゃないか!!)
左)全血献血用の採血ベッド 右)採血室の様子
とはいえ、このように「本人が気づいていない異変」があった場合に、教えてもらえるため、定期的に献血される方の中には「健康診断の事前チェックと思ってます(笑)」と仰っている方もおられるとのこと。皆さんもぜひ献血して、本当に健康かどうかチェックしてはいかがでしょう?
いえ、負け惜しみとかではないですよ・・・。
あえなく「社会貢献」をするチャンスを逃した私ですが、ご好意により休憩室で、いよいよ「謎解きゲーム」に挑戦しました!
謎、難しいんですけど…(涙)
日当たりの良い休憩室
「・・・新宿東口献血ルームにやってきた参加者は、一人の少女と出会います。が、彼女は多くの血を失っており、このままでは生命の危険が・・・」
という、とても“献血ルーム”にふさわしい設定(笑)
制作担当は、なんと東京大学の“謎解き制作集団AnotherVision” によるものです!問題は最初のもので1~10まであり、それぞれに趣向をこらした問題となっております。これが、まあ歯ごたえがあるのなんの!!ネタバレ禁止なので、皆さんに細かい内容をお伝え出来ないのが、ほんとーに残念です!
謎解きゲームセット (持ち帰り可)
献血ルーム内には「ヒント集」が、いくつか備えられており、そのヒントを参考に挑戦しますが…やっぱり分からん!!スタッフのみなさんや、既に解き終わった参加者の方のお知恵などを拝借しつつ、正味2時間半かかってやっとフィニッシュ出来ました!(なおノーヒントで解いていく方は全体の2割程度とのこと)。
左)献血謎を見つめる参加者 右)献血謎を解く手がかりのヒント集
謎解きは、問診や献血の順番待ち、献血可能か確認するための事前検査の結果待ちなど、献血の一連の流れの中で生じる待ち時間を活用出来ます。また、献血が終わった後の時間が一番大きな謎解きタイム。しばらく安静にしてから帰る必要があるため、そこでまとまった時間をとって謎を解く人が多いそうです。スタッフの方曰く「みなさん献血が終わってからも、なかなか帰ることができないくらい好評」だそう。
最後に今回の企画「献血謎」について、責任者の方にお話を伺いました。当イベントについては、冬場に献血者が減少すること、また若年層の献血者が減少していることが血液事業の課題で、普段献血に興味を持っていない方々にも足を運んでもらうことを目的にしているそうです。
「AnotherVisionさんには、若者の献血者を増やしたい・・・という趣旨をご理解いただき、今回はボランティアで協力していただいた 」とのこと。このイベントの開催により、献血協力者を他シーズンと同程度確保出来、目的を果たすことが出来たそうです。
お話を伺った相良係長
中でも目立つのが、「謎解きゲーム」を目的にいらっしゃる方や(地方から来られる方も!)、初めて献血ルームに来られた方が多いということ。この点でも、普段あまり来られない層を呼び込めているとのお話でした。
非常に高いクオリティの問題を提供してもらえたため、3割の方はギブアップ、もしくは時間がなくやむを得ずお帰りになるそうですが、残りの方は「解けないとモヤモヤする・・・」と結構な長い時間、謎と格闘されているそうです。
そのため、解き終わった後「楽しかった!」と満足される方が多いらしく、“楽しい献血体験”という新しい発見がありました。
献血謎を全て解くとこの宝箱が・・・
意外だったのは、「ご来場者様同士の交流が豊かになった」ことだそう。これまで「スタッフとご来場者様」とのやり取りはあるものの、「ご来場者様同士」の会話は少なかったそうです。しかし“謎を解く!”という目標を前に自然に助け合っているそうで、こちらも嬉しい発見だったとのことでした。
なぜ若者の参加が必要なのか・・・?
実は各献血ルームではそれぞれに趣向をこらし、様々なイベントを実施しているそうです。取材日は「タロット占い」が行われており、これまでには“ハンドマッサージ”や、お坊さんを招いての“人生相談”、似顔絵のイベントが開催されました。
というのも10年前との比較で、献血に協力する若者世代(10代~20代)が約60万人 (32パーセント)も減少しており、 “若者の献血への協力拡大”が必須な状況があります。
そのため、今回東京都内の献血ルームで「謎解きゲーム」を開催したという経緯がありました。今後も可能であれば「謎解き体験」を提供したい・・・とのお話でした。「献血」というものに対し、抵抗を感じることなく協力してもらえるような、取り組みを続けたいとのことです。
献血謎をクリアするともらえる証明書~クリアまでの苦労が報われました!~
「献血ルームは“特別な存在ではなく、身近な存在”でなければならない」という言葉もありました。
確かに私自身「献血はしてみたいけど、いま一つどんな感じか良く分からない・・・」というイメージがありました。そんな『なんとなく・・・』を払拭するため、「謎解きゲーム」などのイベントを通じ、実際に訪れてもらうことで、一度きりではなく、継続的な献血への協力を増やすことになるのかもしれません。
現在、日本国内では1日当たりの平均で約3000人の方が輸血を必要としており、それを賄うためには、平均で全国から約1万5000人の方の献血への協力が必要と言われています。
最初は “謎解き”目的でも、“タロット占い”が目的でも、献血に参加することで「確実に助かる命があります」とのこと。
皆さんも、“楽しみながら社会貢献”してみませんか?
※記事内の数値は日本赤十字社のホームページを参考にしています。
2014.12.20 文・写真川方賢史