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スイーツの国からの招待状、甘い、甘い一夜限りの特別な晩餐会。‘王子様’にも謁見!?  渡辺おさむ「Sweets Sentiment」展

アイコンお菓子の国、白馬の王子様・・・。子供の頃からの夢が叶いました。

2014/04/16(公開:2014/02/07)

東京・ポーラミュージアムアネックス
 
 
お城(ポーラミュージアムアネックス)で行われる、スイーツの国の晩餐会(展覧会のレセプション)の招待状が届きました。馬車(エレベーター)でお城に到着し、扉の中に入れば、そこはスイーツの国。
 

スイーツで出来た動物たちがお出迎え
 

お菓子、フルーツ、クリームで出来た鹿 
 

ティーカップの池
 

日本風のお城はチョコレートでしょうか?プリンのような水面には小舟も浮かんでいます。

 


街も、建物もスイーツで出来ています

 


まるで雪が降ったようなクリームの地面。あれ、なんだか見たことがある建物も・・・

 

ロココ調の可愛らしい調度品
 
 

細かいスイーツで装飾されています
 
 

晩餐会会場
 
 

スイーツのキャンドルスタンド、ティーカップ 微妙に色合いが違って可愛いです
 
 

お皿(もちろん模様もスイーツ!)には趣向を凝らしたお菓子の家
 
 

こちらは本日の晩餐会限定の、メレンゲとアイシングクッキー(本物)
 
 

本日の晩餐会限定 色とりどりのマカロン(本物)
 
 

本日の晩餐会限定 ユニコーンのクッキーも!(本物) 
 
 
このユニコーンにはちょっとした秘密がありました。それはこの直後明らかになります。
 
 
 
 
 
 
そして、お城の広間(展示会場)にいたのは・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
スイーツの国の王子様!!お菓子のユニコーンに笑顔で寄り添っています。
 
本当に王子様っているんだ!!本当に白馬、しかもユニコーンに乗って(?)るんだ!!
何ともメルヘンチックで、ロマンチックな光景に、脳内処理が追いつかずクラクラしました。
 
(先ほどのクッキーのユニコーンは、これを模したものだったのですね。鞍の装飾まで再現されています)
 
 
小さい頃に夢見た、「お菓子の国に行きたい」、「白馬に乗った王子様に会いたい」が叶うなんて・・・!
私、この国で暮らします!!
 
 
 
・・・と思ったところで、ここに来た目的を思い出しました。
 
 
今回は、身の回りの様々なものに、食品サンプルの技術を応用してデコレーションをする「フェイク・クリーム・アート」の第一人者、渡辺おさむさんの展覧会『Sweets Sentiment』のレセプション。そのためご本人にもお会いすることが出来ました。
 
渡辺さんは甘いマスクと、スイーツデコをアートにまで昇華させた才能から、"現代アート界のスイーツ王子"とも呼ばれています。日本は勿論、海外でも活躍されている気鋭のアーティスト。このイベントは渡辺さんの都内で初めての大型個展です。レセプションでは特別に本物のお菓子もいただきましたが、作品を見た後だと本当に食べられるのかな?と思ってしまいます。そして作品を見ると、今度は逆に何だか甘い匂いがするように感じるほどのリアルさ。感覚が騙されてしまいそうです。
 
 

ユニコーンの尻尾の部分。様々なスイーツが集まって出来ています。かなり細かいものもありますが、ぜひ一つ一つの精巧さにも注目してみてください。
 


色々なケーキを張り付けた作品。ケーキをこの角度から見ることはないので新鮮。



同様のケーキの作品ですが、こちらはモノトーン。色が無くなることでケーキという‘物体そのもの’だけになったという印象。色素がなくなるだけで、ここまで与える印象が違うということを分かりやすく示しています。とても現代アートらしい作品。

 


「考える人」がモチーフの作品 『atlas』

 


非現実、異なる事物の組み合わせという、シュールレアリズムの要素もあります。

 


クリームの髭を付けたモナリザ。マルセル・デュシャンの、「L.H.O.O.Q.」 へのさらなるオマージュ、といったところでしょうか。額縁もクリームでデコレートされています。モナリザが額のクリームをつまみ食いして、口についてしまった?という想像も出来て面白いです。

 

イケメン‘スイーツ王子’、そしてメルヘンチックな作品に目が行ってしまいがちですが、やはり渡辺さんの魅力は「フェイク・クリーム・アート」という新しいジャンルを確立したこと。リアルなモノ(実在の建物、彫刻、絵画など)に、リアルなスイーツをデコレートすることにより、リアルなのにファンタジックという、不思議な世界観が生まれます。  

アートとして楽しめることはもちろんですが、もっとシンプルにただ見て「可愛い!」、「美味しそう!」と感じられる作品たち。美味しそうなお菓子やフルーツは見ているだけで、何だか幸せな気分になります。スイーツを食べると幸せな気分になりますが、その記憶が甦ってくるような感覚です。

これまでいくつか東京での展覧会は開催されていましたが、これほど大規模なものは初の試み。写真、大型の作品や、晩餐会を表現したインスタレーションなど、34作品が展示され会場全体が「スイーツワールド」となっています。現実のような、夢の中のような、素敵で不思議な世界をぜひ体感してみては?

 

 2014.02.07 文・写真 篠崎夏美

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