千葉・QVCマリンフィールド AEROSONIC(エアロソニック)
Aerosmith、B'zのダブルヘッドライナーという、近年稀に見る豪華なライブが行われた。世界で初めてのAEROSONIC、エアロスミス10回目の来日ツアーの‘特別な’イベントである。
エアロソニックという新たな‘伝説’が生まれた日と言っても過言ではない。開場が30分程伸びたものの、ライブはほぼ定刻に始まった。
まずはB'zの登場。スクリーンには今までの曲と映像、そしてXXV(25周年)ロゴが映し出される。会場の熱気が一気に高まるのが分かった。新曲、アルバム曲もあったが誰もが知っているヒット曲ばかりで構成されたセットリスト。懐かしい曲もあれば、最近の曲もあり、25年と言う長きにわたり日本の音楽シーンを牽引してきたB'zの歴史が表れていた。
やはりB'zの魅力はライブだ。全力で走り、飛び跳ねながらも途切れない稲葉のヴォーカル。その声は熱くしなやかに会場に響く。そして、時には繊細に、時にはハードに一音一音を奏でる松本のギター。まるで生き物のようにギターのネックを動き回る指から紡ぎだされる音は、美しい形と色を備え観客の耳に届く。
開演直後のMCで「全てをさらけ出す」と言った稲葉の言葉通り、全身全霊での演奏である。大先輩であり、自分たちが尊敬するアーティストであるAerosmithの前で、自分たちが持っている力を出し切るという意志が伝わって来た。ラストの数曲は、ハードな曲が続き会場全体が揺れるような盛り上がりを見せた。「まだまだ素晴らしいSHOWが続きます!」という言葉を残し、B'zはステージを去った。
<B'z セットリスト>
1.Q&A
2.F・E・A・R
3.LADY NAVIGATION
4.ZERO
5.BLOWIN'
6.MY LONELY TOWN
7.GOLD
8.今夜月の見える丘に
9.ねがい
10.裸足の女神
11.イチブトゼンブ
12.パーフェクトライフ
13.さまよえる蒼い弾丸
14.愛のバクダン
15.ギリギリchop
16.ultra soul
2.F・E・A・R
3.LADY NAVIGATION
4.ZERO
5.BLOWIN'
6.MY LONELY TOWN
7.GOLD
8.今夜月の見える丘に
9.ねがい
10.裸足の女神
11.イチブトゼンブ
12.パーフェクトライフ
13.さまよえる蒼い弾丸
14.愛のバクダン
15.ギリギリchop
16.ultra soul
30分程のステージチェンジ。空が薄暗くなってきた。そして、いよいよAerosmithが登場。歴代の曲をまとめた数分のダイジェスト映像が流れる。エアロスミスが登場する前から大歓声が沸きあがる。そして、メンバーが出てきた瞬間に感じる圧倒的なオーラ。
素肌にベスト(しかも後ろはシースルー)、サングラス、オレンジとピンクのストールという衣装を着こなすスティーブン・タイラー。今日もマイクスタンドには、色とりどりの長い布が付けられており、風になびく。歌、演奏はもとより‘魅せ方’というものが分かっているな、という印象を強く受けた。セクシーに身体をくねらせたり、シャウトしたかと思えば、髪を頭のてっぺんで結んだり、後ろからドラムを叩いたり、ギターのコードを抑えたり、茶目っ気たっぷりだ。
会場全体をAerosmith一色に染め上げてしまうパフォーマンス、そして全く古さを感じさせない曲の数々。全世界を魅了したロックの神髄をまざまざと見せつけられた。世代を問わず口ずさめるヒットナンバーばかり。会場の一体となったコーラスもとても感動的だった。
そしてスティーブンが「TAK!KOSHI!」と呼びかけ、B'zがステージに招かれた。「何をやろうか?」というスティーブンに、稲葉が『Mama Kin!』と答え、AerosmithとB'zというアメリカと日本、いや、世界を代表する2組が一緒に演奏を始めた。スティーブンと稲葉が交互に歌ったり、一本のマイクで歌ったり、ジョーを加えて3人で歌うというシーンもあった。また、松本もジョーの隣でギターを弾き、そこにブラッドも加わり、何とも豪華な三連のギタープレイも見ることが出来た。稲葉が去り際に漏らした『Aerosmith、・・・すげぇ!!』という言葉が、B'zの2人にとっても感動のステージであったことを物語っていた。
結成40周年、メンバーたちの60歳を超えているとは思えないパフォーマンスはただただ圧巻。どこから湧いてくるのかと思うエネルギー。長いバンドの歴史の中では、アルコール、ドラッグで存続が危ぶまれた時期もあった。しかし、そこから這い上がってきて、彼らはまたトップで輝き続けている。そういった‘暗黒’とも言われる時代を乗り越えてきた彼らだからこそ、人は惹きつけられるのかもしれない。
AerosmithとB'z、どちらも生きる伝説と言われるほど、数々の歴史を刻んできた。その2組を同じステージで見られるという僥倖。AEROSONICは‘夢の競演’という言葉でしばしば表されるがまさに、夢のような時間であった。この2組のバンドが一緒に見られる機会は今世紀中におそらくないのではないか、と思うとまさに奇跡の瞬間に立ち会った、という畏れにも近い感動を覚えた。まだまだこれからも多くの伝説を作っていくであろうAerosmithとB'z。その伝説の一つに立ち会うことが出来たライブイベントであった。
1Draw The Line
2Love In An Elevator
3Oh Yeah!
4Jaded
5Cryin'
6Last Child
7Livin On The Edge
8Mama Kin (B'zと一緒に演奏)
9Combination
10I Don't Want To Miss A Thing
11No More No More
12What It Takes
13Come Together
14Dude
15Mother Popcorn
16Walk This Way
17Dream On
2Love In An Elevator
3Oh Yeah!
4Jaded
5Cryin'
6Last Child
7Livin On The Edge
8Mama Kin (B'zと一緒に演奏)
9Combination
10I Don't Want To Miss A Thing
11No More No More
12What It Takes
13Come Together
14Dude
15Mother Popcorn
16Walk This Way
17Dream On
18Sweet Emotion
2013.08.10 文・写真 篠崎夏美