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本を使った熱きバトル!知識と情熱の知的書評合戦「第12回ビブリオバトルThreeS杯」

アイコン本への愛情を競い合う、知的な戦い

2014/04/16(公開:2014/01/25)

第12回ビブリオバトルThreeS杯&第2回大人のビブリオバトル

マルチエンタメライブ食堂 YOKOHAMA Three S 

「笑(Show)」、「食(Shoku)」、「酒(Sake)」という、3つの‘S’を提供する新感覚のお店。
美味しい料理、美味しいお酒と、楽しいイベントが楽しめる。 http://r.goope.jp/three-s

ビブリオバトルとは・・・ここ数年話題になっている、ゲーム感覚で行うスタイルの書評合戦。 自分の好きな本、感銘を受けた本、感動した本、気になった本などを、自分自身の言葉で熱く紹介するもの。
 

横浜ThreeSでのビブリオバトルは既に12回目。これまでは土日の昼間に行っていたが、『お酒を飲みながらゆったり楽しんで欲しい』ということで、今回が2回目の夜の開催だそう。ビジネス街ということもあり、会社帰りのサラリーマンの方が多かった。お酒や食事を楽しみながら、寛いでイベントを見られるのは楽しそうだ。

また、「大人のビブリオバトル」は、文字通り‘大人のための’ビブリオバトル。色んな意味で未成年にはちょっと教えられない、あんな本、こんな本を紹介。おそらく大人のビブリオバトルを行っているのは、日本でもここだけではないか、とのこと。

 

出場者はFacebookで募集したり、前回のビブリオバトルに出た人、それを見ていた人、そしてこのお店に所属するアイドルまでさまざま。そして、飛び入りもある。実際にお店にやってきた人(店長さんの知り合いらしい)と、店長さんの間ではこんな会話が・・・

店長 「(いきなり)ビブリオバトル出ます?本持ってますか?」
お客さん 『いや、ないです・・・』
店長 「じゃあ、うちに‘ONE PIECE’っていう本あるんですけど、出ます?」
お客さん 『・・・はい』

こんな感じで、気軽に、楽しく参加出来るイベントなのだ。今回行われるThreeS杯のルールは以下の通り。

<ルール>
・発表の順番はくじ引きで決定
・机と椅子、ブックスタンドがあるが発表スタイルは自由
・持ち時間は1人5分間
・その後、2分間の質疑応答
・その後、20秒で出演者入れ替え
・結果は挙手による多数決。出演者も自分以外の作品を選ぶ
・優勝すると、お店の壁に名前が残るという『名誉』が貰える



<第1部:>第12回ThreeS杯 ビブリオバトル

まずは普通の(?)ゲームから。トップバッターはオーナーの久保田氏。これまでに2回優勝している強者だが、「自分の店で優勝すると、空気読めないって言われる」という理由から、ゲームの説明を兼ねての出演。

出演者の後ろには大きなタイマーが表示されていて、残り時間が分かるようになっている。5分の持ち時間は背景が白(残り1分を切ると、ベルが鳴り数字が赤くなる)、2分の質疑応答は背景が黄色、20秒の入れ替え時は背景が緑になる。システマチックで非常に進行がスムーズだ。


1:ThreeSオーナー・久保田氏
「全国あいどるmap」2013-2014(全国あいどるmap製作委員著 エンターブレイン社
ご当地アイドルを紹介する本。ThreeSに所属している『かんない少女隊』も掲載されている。

 


モニターもあるので、ステージが見えにくい角度でも大丈夫。

 

 
2:ツジオカさん
「風が強く吹いている」(三浦しをん著 新潮文庫)
マンガ化、ラジオドラマ化、舞台化、映画化もされた人気作品。紹介者のツジオカさんは、動画サイトで映画を見て、その後足の怪我で手術することになってしまった。その入院中にこの本を読んだことがきっかけとなり紹介することになったとのこと。10人の登場人物、それぞれにストーリーがあるが、ツジオカさんが特にお気に入りの登場人物は留学生の‘ムサ’だそう。

○あらすじ
大学生が箱根駅伝を目指すストーリー。同じ寮の仲間を集めて駅伝をしようとするが、メンバーは長距離を走った経験がなかったり、オタクだったり、ヘビースモーカーだったり、寄せ集め。果たして箱根駅伝には出られるのか?

 

 
3:彩咲あみさん(かんない少女隊)
「モンスター」(百田尚樹著 幻冬舎文庫)
ThreeS所属、関内のご当地アイドル・かんない少女隊のメンバー。いつもはバカキャラといじられるので、知的な一面を見せようと参戦。 人は中身が大切と言われるが、やはりその人の印象を決めるのは外見による部分が大きい。大学で美容整形についてのディスカッションをし、整形を通じて一人の女性の思いを描いたこの本に興味を持ったそう。

○あらすじ
醜い容姿が原因で、さげすまれて育った主人公。上京して度重なる整形手術を受け、誰もが振り返る美貌を手に入れる。故郷に戻りレストランを開いた彼女の目的は、初恋の人に想いを伝えることだった。高校時代の事件も絡み、彼女は一体どうなる・・・?

 


4:マスダさん
「ONE PIECE」(尾田栄一郎作 集英社)
自称:アイドル かんない少女隊メンバー!?飛び込み参戦。お店にあったONE PIECEを紹介。敢えて手ぶらで壇上に上がったように見せて、懐からおもむろに漫画を取り出す手法はさすが。ある日ジャンプに掲載された読み切りだった漫画。それが、ここまで続くとは誰が予想しただろうか?

○マスダさんによるあらすじ
①仲間集め ②空島 ③迷うなってこと(!?)
『アレがアレして・・・。いろいろアレです』というざっくりとした紹介。様々な人間模様、伏線が絡み合い、ラストに向けて繋がっている。作者・尾田さんの頭の中には、大学生のころから結末があるのだという。ちなみに、マスダさんのニットキャップは、ママから託されたものとか。

 


5:イケダさん
「ONE SPOON ~スプーン一杯のしあわせ」(夕暮乃秋著)
地下アイドルという、ひと時の夢を与えてくれる身近な存在。 ステージの距離も近ければ、SNSなどでメッセージのやり取りなども出来るのが魅力。彼もそんな地下アイドルにハマったオタクの一人だという。ちなみにかんない少女隊の‘紫の子’押しで、トップオタ=TOを自認するほど。今回紹介する本も地下アイドルがテーマ。ちなみに著者は目の前に座っていた方だった。
※残念ながらこの本は、一般の書店、Amazonなどでは手に入らないとのこと・・・。読んでみたかった。

○あらすじ
今日も頑張る地下アイドルたち。しかし、そんな彼女たちに迷惑をかける行き過ぎたファンや、ストーカーも存在する。そんな不届きな連中を排除するため、主人公はある能力を使う。少しダークで、最後は泣けるストーリー。

 

決められた時間内に、自分の思っていることを相手に伝えるのは難しい。また、あらすじを伝える必要もあるが、あまり話すとネタバレになってしまう。大事なところはぼかしつつ、興味をひくように話すのはなかなか大変だと思う。しかし、どの人のプレゼンもそれぞれ個性があって面白かった。冒頭の話から、本編の説明へ行く流れなど思わず引き込まれてしまった。


投票は会場の全員による挙手制。出演者は後ろを向き、自分以外の良かった作品を選ぶ。

 


第12回ビブリオバトル、優勝はかんない少女隊の彩咲あみさん!自分の考えを挟みつつの本の紹介も良かったし、何より時間配分ぴったりだったのが驚いた。

 


自己紹介を兼ねたコール。あみちゃんが手を動かしたら・・・

 


お客さんが全員倒れる!!

 


かんない少女隊ファンの方々

 


彩咲あみちゃんファンの方。ペンライトまで!!

 


 
かんない少女隊は、なかなか珍しい「一緒にお酒を飲める」アイドル。未成年はノンアルコールだが、それぞれのオリジナルカクテルもある。非常に距離が近いことが魅力である。色々なイベントを行っているので、ぜひチェックしてみて欲しい。

 

次はお待ちかね、「大人のビブリオバトル」

 

2014.01.24 文・写真 篠崎夏美

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