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【後編】「涙活」で本当に泣けるか体験してみた

アイコンいよいよ泣いてみる。‘泣ける度’付きレビュー

2014/04/16(公開:2013/11/22)

寺井広樹の涙活ナイト

東京 お台場・東京カルチャーカルチャー    


 

前編からの続き。いよいよ、涙活がスタート。
(前編はこちら http://evenear.com/article/detail/87/

それぞれのコンテンツで、どれだけ「泣ける」かを泣ける度(☆)で評価した。

☆☆☆・・・涙が溢れる。泣ける認定!
☆☆・・・・・涙ぽろり。やや泣ける。
☆・・・・・・・少しうるうる。
―・・・・・・・感動するけど、泣けなかった。

 

<涙ソムリエ厳選 泣ける動画>

「僕を支える母の言葉」
泣ける度:☆

貧しい母子家庭のお話。最後に衝撃の事実が・・・。泣ける話として、ネットなどでも有名なようだ。確かに感動的だったが、文字を追う事に集中してしまい、入りこめなかった。しかし、後半BGMにKOKIAの「ありがとう」が使われていて、かなりぐっときた。この歌は反則級に泣ける。どちらかと言うとBGMで泣けた。

 

「タイの保険会社のCM」
泣ける度:☆☆☆

以前ネットで見たことがあるが、またしても泣いてしまった。アジアの広告コンテストでグランプリを受賞しており、各国のCMフェスティバルなどでも紹介されている。聴覚に障がいのある父親と、思春期の娘の話。記事を描く為に、改めてストーリーを見ただけでまた泣けてしまう。周りの様子でも、ここで泣いている人が圧倒的に多かった。これで泣かない人はいないのでは?と思えるほど、個人的にはイチオシの泣ける動画。

 

「東京ガス CM 家族の絆・お弁当メール篇」
泣ける度:-
三年間、毎日息子にお弁当を作り続ける母親。色んなことがあって、色んな思いがあるけれど、愛情を込めて毎朝、お弁当を作っていた。そして、最後の日にお弁当箱に入っていたものは・・・?子供を持つお母さんなら共感出来るのかもしれないが、お弁当が美味しそうで、そちらに気を取られてしまった(笑)

 

「象の背中 旅立つ日」
泣ける度:☆☆
原作は秋元康の小説。絵本のようなアニメーション。幸せに暮らしていた象の一家だが、父親が家族を残してこの世を去ることになる。命に終わりがくる日告げられ、残される家族への思いと、感謝を綴った歌。夫婦、親子、それぞれの関係に自分を投影して泣いてしまう。 

 

「A Lion Called Christian」
泣ける度:-
つい先日もテレビで見た話。イギリス人の青年2人と、子供のライオン・クリスチャンの絆のストーリー。愛情たっぷりに育てられ、野生に帰ってからもライオンは2人を忘れていなかった。まるでディズニー映画のような話。感動的ではあるが、泣くには至らず。クリスチャンがモフモフで可愛くて、そちらに目を奪われる。

極めつけはBGM。Whitney Houstonの「I Will Always Love You」が使われているのだが、この曲はもしや・・・と思っていたら、あの『エンダーァァァー♪』のところで、ライオンが青年にがっしり抱きつくので思わず吹き出してしまった。 ストーリーも感動的だし、もちろん「I Will Always Love You」も名曲なのだが、ネタ動画を思い出してしまい撃沈。全く泣けず。

 

 

「振り子」
泣ける度:☆
お馴染み、鉄拳の泣けるパラパラ漫画。夫婦の出会いから最後の時までを、パラパラ漫画で描いている。曲も静かで感動的。・・・だが、最初見たときは泣けたけれど、今回はあまり泣けなかった。

 

こうして何本か見てみると、自分がどんなものに‘弱い’のか良く分かる。同じテーマのものでも泣けるものと、泣けないものがある。これは内容はもちろん、見せ方も大きい。

文字を追うことに集中してしまうと、感情移入出来ない。本は自分のペースで読めるが、動画だとそれが難しくなってしまう。また、結末を知っていても泣けるもの、泣けないものがある。死、障害などがテーマの悲しい話の方が泣ける。ハッピーエンドで泣くのは難しい。

 

涙ソムリエの 嵯峨崇司さんは、涙活でその人に合った泣きのツボを提供している。 今回の動画も、文字、映像、セリフの有無、テーマなども様々。親子の絆を扱ったものが多いが、それは誰にでも‘親’がいるから、感情移入しやすいからとのこと。

 


心をほぐすためにキルケゴールの詩を朗読

 


本日出演するLEOさんのPV「涙」
嵯峨さんも一部作詞をしているそう

 

 

 <泣語家>

泣ける噺をする泣語家が出演するはずだったが、急遽その‘弟子’が出演。ちなみに弟子入りしたのは3時間前(!)らしい。これはサプライズ。





「院内学級」
泣ける度:☆

病気と闘いながら、強く生き、どんなことにも幸せを感じようとした男の子の話。日々不平、不満ばかりの自分が恥ずかしくなる。

 

「ほのかちゃん」
泣ける度:-

夫婦ゲンカを必死に止めようとした2歳の女の子の話。子供は親の事を良く見ているし、親が思っている以上に心を痛めている。自分と家族の接し方などを思い出し、反省。

 

どちらも良い話だったが、目の前で人が話しているとそちらに集中してしまう。それから、照明も落とした方が人目が気にならないし、自分の世界に没頭出来る。

 

 

<アーティスト・LEO ライブ> 

歌に救われたという経験から、自分も多くの人に音楽で感動を与えたいと活動を始めたそう。歌の持つパワーに助けられたので、今度は伝える側になって、誰かの力にならたら、と語っていた。


「forever」、JUJU「やさしさで溢れるように」、「涙」を披露。

泣ける度:☆

シンプルで、ストレートな歌詞が印象的。シンプルだからこそ、万人に刺さるのだろう。歌詞も良いが、曲の盛り上がりで感動する。特に「涙」の、ビブラートが効いた高音のサビは‘盛り上がりどころ’。「やさしさで溢れるように」

人の心に響くメロディーというのは、確実に存在する。歌詞が付いていなかったり、分からなくても感動するものがある。それが音楽の力というものかもしれない。

 

こうしてイベントは終了。結果として号泣には遠く及ばなかったが、何だか優しい気持ちになれた。

 


ライトアップされた幕張メッセと月。それに向かうゆりかもめ。
こういう風景を思わず撮影してしまう位、心が浄化されたのか?

 


おみやげに「いいちこ」をもらった。これをお湯割りで飲みながら、泣ける動画を見よう。

 

 

「涙活」という、わざわざお金を払って、知らない人たちと泣くという不思議なイベント、というイメージだったが、想像以上に面白かった。課題点は、参加者それぞれの泣きのツボが違うこと、どうやって泣ける環境をつくるか、という事かもしれない。

私は参加してみて、自分の泣けるツボが見つかったし、何より心が柔らかくなって、感動しやすくなった気がする。心のストレッチ効果があると思う。

普段泣くことを我慢している人、ストレスがたまっている人にはおススメ。現代社会ではそんな人が殆どだろうから、涙活は今後も広がっていくだろ。

 

 

2013.11.22 文・写真 篠崎夏美

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