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レポート&ニュース

天はマニアの上にマニアをつくらず! 愛と情熱と発想の大博覧会「マニアフェスタ」

タモリ絶賛マニアから謎マニアまでマニア100組大集合

東京・神田にあるアーツ千代田3331。廃校になった小学校の面影を色濃く残したギャラリースペースで『マニアフェスタvol.2』が開催されました。

第2回となる今回は100組近いマニアが出展し、昨年6月に行われた第1回の25組ほどから大幅にスケールアップしています。

空想地図マニア、銭湯マニアなど、すでにメディアに注目され書籍まで出版しているマニア界のメジャーどころから、ゴムホース、シャッター、コンドーム自販機マニアなど名前を聞いただけでは何がおもしろいのかさっぱり分からないマニアまで。多種多様なマニアたちが愛と情熱と販売用グッズを持って集まりました。

 

メイン会場は校歌の額やバスケットゴールが残る元体育館。開場してすぐにステージ上でディジュリドゥマニアのSMILYさんによる「タカアシガニリドゥ」演奏会が始まりました。

ディジュリドゥはオーストラリア先住民の民族楽器で、本来は中空になったユーカリの木から作られる管楽器ですが、これをタカアシガニの甲羅で作ったのが「タカアシガニリドゥ」というオリジナル楽器。

長く伸びた足の先から息を吹き込み、先端にある胸の甲羅で音を響かせます。「カニの頭の部分が低音をめちゃくちゃ出す」とのことです。


 
「タカアシガニリドゥ」誕生のきっかけは地域おこし協力隊時代。得意の音楽で町おこしをしたいSMILYさんでしたが、まったく音楽に関わる機会がありません。そこで周囲の反対を押し切って、地元名産のタカアシガニで楽器を作ってしまったのだそうです。

「カニは楽器になるべくして生まれた」と言うSMILYさん。「人間の勝手で捕獲され身を食べられ、殻を楽器にまでされたカニの怒りを演奏で表現する」とのことですが、殻で楽器を作ったのはSMILYさん本人なのでは……。



ブースに目を向けると続々と入場者が集まってきて、通路スペースを通るのも一苦労といった大盛況。そんな中、「顔ハメ姿を後ろから撮るマニア」というこじれたネーミングで出展しているのが、裏パネOL・らんちゃんです。



観光地などによくある顔ハメパネル。全国を回って顔ハメ写真を撮りまくるだけでも立派なマニアですが、自分が顔ハメしている姿を後ろから撮影するという、さらにマニアックなことをしているのがらんちゃん。

設置者が気合いを入れて作って、みんなが撮りたがる看板の表側に何が描かれているのか写真からは判別できず、中腰でお尻を突き出した女性の後ろ姿が写っているだけ。

「顔ハメパネルは意外と無理な姿勢になったり、足場が悪かったりすることを言いたくて始めたら、こんな滑稽な写真になってしまった」と、らんちゃん。滑稽とは言いますが、ある種のフェチ心をそそりそうです。週刊誌のグラビアにもこんな感じのやつ、たまにありますね。もしかすると、近い将来ブレイクするかも。顔出しは当然(?)NGです。



アニメ風の着ぐるみを着たカワイイキグルミマニア、顔まで全身レザーで身を包んだ異世界風景マニアなどビジュアルに強烈な個性が表れたマニアがいる一方で、ひどく地味目なマニアもいます。
 

 
ゴムホースマニアの中島由佳さん。ビジュアルの地味さだけでなく、動機もイマイチ分かりにくいので詳しく話を聞くことに。

「無造作に置かれたゴムホースの描く曲線が、この上なく美しいんです」そう言われれば『博士の愛した数式』や『ビューティフル・マインド』で描かれる天才数学者のような境地なのかも? とも思いますけど、気のせいなのかもしれません。



しかし、販売しているグッズはどれも気合いが入っています。写真集は表紙が水色の菱形ウロコ模様になっており丸めればゴムホース。角度を変えると絵が変わるレンチキュラーカードは、こっちから見ると普通の緑のホースですが、あっちから見ると色が変わって黄色い台湾のゴムホースに。

ほかにもホースの形のキーホルダーやホースが浮き出すクリアファイルなど、ゴムホースという地味すぎる素材なのに、どこか魅力を感じるグッズばかりです。



ともかく、みなさん強烈の個性と愛情を持った人ばかり。アンコウ同様、「マニアフェスタに捨てるとこ無し」状態です。
 


囲碁マニアの関翔一さんは、白と黒の碁石で描いたミッシェル・ガン・エレファントのアルバムジャケットや「大迫半端ないって!」を披露。本職は囲碁講師というだけあって、白黒が互角になるように気を遣って石を並べているのだとか。





シャッターマニアのシャッター写真家さんは、そこに漂う寂寥感も含めて景色を切り取ります。



コンドーム自販機マニアの「ニッチな終末」さんは、自販機型のキーホルダーをコンドーム(500円)より高い700円で販売。明太子マニアの田口めんたいこさんは、飲食禁止という完全アウェイ状態で奮闘。




 
『いかレスラー』『地球防衛未亡人』などでカルト的人気を誇る「バカ映画の巨匠」河崎実マニアとして出展しているのは、ご本人の河崎実監督自身。「自分が自分のマニア」という禁断の愛の表現です。





主催団体の「別視点」は、もともと珍スポットを巡っていたのですが、珍スポットの中心にはマニアがおり、そのマニアの脳内が現実世界に具現化されたのが珍スポットなのだ、ということに気づきます。



そして、マニアが一同に会するサミットとして開催されたのが、マニアフェスタ。マニアがマニアを呼んで、規模はどんどん拡大中。今後も年2回のペースで開催していくそう。しかし、規模の大きさは問題ではない、とスタッフの斎藤さんは言います。

「メディアに注目され商業ベースに乗りやすいマニアもいれば、そうでないマニアもいますが、どのマニアも等しくすばらしい。

大事なのは知識の量ではなく愛。同じものが対象でもひとりひとり視点が違うから、みんなオンリーワンの違うジャンルになります。『自分などまだまだ』という人もいますが、言い切ってしまえばマニアです」





マニアフェスタの目的は、さまざまなジャンルのマニアに触れた人が触発されて、普段なにげなく見ていた日常の景色からたくさんの気づきを得られるようになること。「そのためにも、まだまだ埋もれているマニアを発掘していきたい」と斎藤さん。次回のマニアフェスタにはどんなマニアが登場するのか、本当に楽しみです。

(山根大地/イベニア)



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