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レポート&ニュース

『路線図好き』が歓喜する宴.。地下鉄、バスはもちろん、料理のレシピまで!? 「路線図ナイト」

路線図をながめて「いいねぇ~」って言うだけの飲み会に参加してきた。


鉄道好きの形は数あれど、実は一番身近で見逃してしまいがちなのが路線図。数々の色と線、そして図形を駆使した一種のアートといっても過言ではない。そんな一見マニアックに見える路線図好きの集いの全貌とは?




●今宵、路線図狂の宴が幕を開ける!

路線図好きの筆者は、お台場・東京カルチャーカルチャーに足を運んでいた。路線図狂の祭りに参加するために……。

男性の割合が多いのかと思いきや、意外にも女性もちらほらと見掛ける。男:女=7:3ほどの比率だ。鉄道好きのほかグラフィック好きも多いかと思われる。「まさかこれほどまで多くの方が来場されるとは」とMCもびっくりするほどだ。ステージ上には様々な路線図が展示されていた。


今回、開催に至ったきっかけは、以前開催した『路線図をただながめて「いいねぇ~」というオフ』がネットで記事になり、それを見たネットユーザーの「オフ会に参加したい!」という声があまりにも大きかったためとのこと。

この時点で路線図好きの潜在的な人口の多さをひしひしと感じる。今回用意したスライドは累計1,000枚!2時間の枠に収まるかギリギリのラインで時間が無いとのことで早速トーク開始。


●路線図の魅力は「密集度」「時空の歪み」「川と緑」

路線図には3つの魅力があるという。1つ目は「線の密集度」。これは言うまでもなくどれだけ路線が密集しているかに「萌える」ことだ。

東京・パリ・ニューヨークの地下鉄路線図が順にスライドに映されるが、中でもニューヨークは地形の関係で路線が中心地であるマンハッタンに集中しており、密集度が他都市と比べていびつなのだとか。



2つ目の「時空の歪み」とは、簡単に言えば「この駅、ここじゃないよね?」ということ。都市圏の路線網は年々増加しており、それに伴いスペースがカツカツになってしまう。そこでスペースを無理やりひねり出すと、実際の地理を完全に無視した図が出来上がってしまうのだ。


特に関東近郊のJRは年々エリアを拡大し、その様子はまるで制御できないモンスターのよう。「時空の歪み」の酷い例として、東京の都営浅草線、JR北海道の全線路線図、そして横浜のみなとみらい線の路線図が紹介される。都営浅草線は特に乗り入れ先の京急線が酷く「歪んで」おり、三浦半島の先端・三崎口と羽田空港が至近距離。また、北海道に至ってはビミョーに北海道の形になっていないのがミソ。

そして極め付きはみなとみらい線。自社線はダイナミックな曲線で描かれているが、横浜から先の東急東横線、東京メトロ副都心線を経て東武東上線、西武池袋線がコの字型を描くようにみなとみらい線に近づいている。西武線の終点、埼玉県の飯能と横浜のみなとみらいが限りなく近くに存在している。まさに「ファンタジー」なのだ。


3つ目の「川と緑」とは、路線図の中に川と緑地が図示されていること。主に海外の路線図に多い。ワシントンと上海の路線図はうまく図中に川をデフォルメさせている。ボストンは川が実際の地形に即して描かれているのが特徴。

日本はというと……東京の路線図には隅田川も荒川も描かれていない。ただし、都心の中心に皇居がしっかりと図示されており、その存在感を図中に示している。


●こんなにスゴイ路線図を初めて作った人って誰?

そもそも路線図を現在のデザインにした人とは誰か。それは、鉄道のルーツであるイギリスにいた。1839年、世界で最初の時刻表本が刊行され、付録として路線図も収録された。しかし、現在のような直線的なデザインではなく地形図に路線を描いたものだった。これでは路線が延伸され、駅が新設されるにつれ徐々に図が煩雑になってしまい、かえって見づらくなってしまう。

そこで、地下鉄の電気技師であるハリー・ベック氏が電気回路図を参考に、直線的なデザインの路線図を考案した。見やすさを第一にデザインされたため、駅と駅の間隔は実際の距離にかかわらず一定とした。1931年に「これはイケる!」と考えたベック氏がロンドン地下鉄の広報部に持ち込んだ。だが、あまりにも奇抜すぎるデザインに見えたためあえなく却下。


しかし、それにもめげず翌年改めて持ち込んだところ、あっさりと採用。翌1933年に小冊子が発行され、ここに世界初の路線図が誕生した。今やファンにとって路線図はアートである。ああ、ジーク・ベック!ベック万歳!!


もちろん我らが日本も負けてはいない。アートディレクターである河北秀也氏が日本の路線図の始祖とされる。焼酎「いいちこ」の商品企画、アートディレクションで有名な河北氏であるが、東京藝術大学の卒業時に路線図を制作し、営団地下鉄(現・東京メトロ)に持ち込んだところ1974年に採用された。路線図の制作に当たっては、北千住の辺りを1ミリずらすと新宿周辺で大幅に位置を調整しなければならないなど、相当な苦労をしたようだ。

イギリスでも日本でも当局に持ち込めば正式採用になるとは意外と高い採用率なのではないか(他都市で同じように持ち込んで不採用になった例は知らないが……)漫画や小説を出版社に持ち込んでデビューするよりハードルが低いのではないかと思ってしまう。


●難問と思いきや、正解続出。路線図シルエットクイズ



続いてはお待ちかね?の路線図シルエットクイズの時間だ。路線図から駅名や路線名を消し、色をモノクロにした上でどの都市の路線図かを当てるクイズだ。


まずは第一問はJRの関東近郊路線図。これはファンにとっては初級中の初級だったようでほぼ全員正解。ちなみに、駅と路線の数が多くそれを消すのにかなりの時間を要したらしい。この路線図の見所、というかツッコミどころというべきだろうか。「日暮里でさじを投げて」いる。いったい「さじを投げている」とはどういうことか。


昨年(2015年)3月、常磐線、宇都宮(東北)線、高崎線の3路線が上野から東京、品川方面へと直通する「上野東京ライン」が開業した。日暮里には常磐線は停車するが、宇都宮線、高崎線は通過する。

ところが、従来の常磐線、宇都宮線、高崎線を示すラインとは別に上野東京ラインを示す紫のラインを新たに設定したために、線だけでは上野東京ライン上を走る各々の路線が停車するか通過するかが表現できないのだ。常磐線、宇都宮線、高崎線のラインをそのまま東京、品川まで伸ばせばよかったのだが、上野東京ラインをPRしたいがために新たに紫のラインを作ってしまったのがかえってややこしくしている。

苦肉の策として日暮里の左に「上野東京ライン(宇都宮・高崎線)は日暮里には停車いたしません」と表記されている。線だけで表現できないがために文字情報に「さじを投げて」しまったのだ。

大阪市営地下鉄の路線図、なぜか透過処理されており、好きな画像を合成できるのだ。スライド上にはかわいい猫の画像と合成された地下鉄路線図が。なかなかシュールだが、これが和む。

続いて二問目。正解は東京の都営地下鉄。もう一つの地下鉄である東京メトロと一緒の路線図はよく見掛けるが、都営地下鉄単独というところが少しわかりにくかったか。さて、都営地下鉄が発行している地下鉄路線図(東京メトロ含む)を見ると新宿駅がやたら多い。JRの新宿駅がひょうたんのように中央がくびれている。

これは、南側にある都営新宿線・同大江戸線の新宿駅と北側にある東京メトロ丸ノ内線の新宿駅が乗継駅ではなく、別の駅であることを示しているためだ。都営両線の駅から丸ノ内線の駅へは一枚の切符では乗り継げない(新たに運賃が必要となる)。


名古屋とモスクワの地下鉄路線図の比較。どちらも環状線を中心にいくつかの放射状の路線が郊外に伸びている。路線の数から名古屋は息子、モスクワはお父さんなのだそう。


右奥の温泉マークと中央のお城がヒント。正解は四国・松山の伊予鉄道の市内電車路線図。温泉とお城は道後温泉と松山城というわけだ。


レンタサイクル設置駅を示す自転車マークがある関西の阪急電車と、外縁が弧を描くようなダイナミックなデザインのゆりかもめ・青海駅の路線図も紹介された。


五問目からは海外となり、一気に難易度が増す。ロンドンの特徴は、駅間を歩くと何分掛かるかが路線図に書いてあるところ。

シュツットガルトの路線図は、シムシティやRPGのダンジョンのように、路線の描画方向が斜め45度となっていて、なかなかイカすデザインだ。斜めにすることにより駅名が配置しやすいのだとか。残念ながら現在は路線の延長に伴い、通常の直線状のデザインに変更されたという。


駅にシンボルマークのようなものがあるメキシコシティ。シンボルマークにはバッタのようなものや墓、大砲のようなものが描かれている。「墓から乗って大砲で乗り換えてバッタで降りてね!」という説明になるのだろうか。なんだか奇妙だ。


南アフリカ・ヨハネスブルク、北朝鮮・平壌、インド・ムンバイの路線図も紹介される。「世界一危険な都市」と呼ばれているヨハネスブルクであるが、路線図は対照的に直線的でラインカラーも鮮やかだ。治安回復を暗に願っているかのようでもある。


また、平壌は「栄光」駅や「勝利」駅といかにも共産圏らしい駅名が並ぶ。そして、ムンバイの路線図は……大阪と同じく透過処理されていた(笑)。


●「俺が、俺が」になりがち? インディーズ路線図

鉄道事業者公式の路線図を紹介してきたが、ここからは鉄道事業者以外が作成した路線図、とりわけ特定の施設のために作成された路線図が紹介されていく。こうした路線図を「インディーズ路線図」と定義する。


まずは、著名なテーマパークのものから。舞浜にあるテーマパークのものはJR京葉線、そして路線バスが発着する浦安駅を通る東京メトロ東西線が主に描かれている。しかし、舞浜から千葉方面へ目を向けると京葉線の終点である蘇我はおろか大きな展示場やオフィスが林立する海浜幕張ですらディスられている。

ちなみに筆者は海浜幕張で開催されるイベントやライブにたまに参加するのだが、帰りの京葉線で舞浜から大量に乗ってくる「夢の国の民」にいつも圧倒され、格差を感じてしまう。それがインディーズ路線図にも如実に現れていた。

長崎のハウステンボスは、地図に写真が透過されており、各地には現地までの所要時間が示されている。路線図東端の名古屋からは新幹線で5時間半。各地から全力で長崎へと向かっているように見える。「きてね!」という強い思いが見て取れる。


大阪のゲストハウスは、インディーズ路線図の中では路線が省略されずにしっかりと作られている。所々に大阪の著名な観光地がシンボルマークで表現されている。


次いで東京・多摩地区にある病院の路線図。一地域の病院にもかかわらず図に示されているエリアが広い。東は東京・品川・秋葉原・上野、北は武蔵浦和、西は高尾・拝島まで、しかも新幹線もある。明らかに病院に「テツ(=鉄道ファン)」がいるのではないかという疑惑が会場に生まれる。


その次は六本木ヒルズの路線図。病院とはうって変わって情報量が少なくなっている。新幹線が通る東京駅を始め、羽田空港・成田空港に関係する路線、そして最寄り駅を通る路線は図示されている。だがしかし、それ以外は完全に無視。秋葉原はおろか、山手線の北半分も完全に消えている。東京メトロ南北線が四ツ谷で止まっている。栗原氏がこう断言する――「六本木ヒルズにはテツは存在しない」


遊園地シリーズの次は、現場で働く駅員が作成したインディーズ路線図を紹介。横浜・日吉駅にある他路線振替案内図は路線だけではなく、この駅とこの駅が徒歩でどのくらい掛かるのか細かく案内している。また、JR高田馬場駅にあるフリーきっぷの案内は女性が作ったようなやわらかいデザインで、路線図は決してデフォルメせずしっかりと作られているのがポイント。


糸井重里氏が主宰する「ほぼ日イトイ新聞」から発売されている「ほぼ日手帳」の路線図は、JR私鉄地下鉄全ての路線が記載されている。一見すると線がゴチャゴチャしていて読みにくい。さらに、あまりに膨大な情報のため、制作した側でも一部不安があるようで、いったんネットで公開して間違えていたら指摘してくれという一見他力本願のよう。

だが、特筆すべきは先ほど紹介した日暮里駅をうまく処理しているところ……と紹介されたが筆者的には常磐線が上野から品川に伸びていないのが若干のマイナスポイント(重箱の隅をつついてスミマセン!)。

ここまで様々なインディーズ路線図を紹介してきたが、総じて言えるのはみんな「自己中心的」で「手作り感」のあるデザインだということ。自らの施設へのアクセスを第一に示したいがために余計な情報は極力カットされる。

それゆえインディーズ路線図は「オレがオレが」になりやすいのだ。また、インディーズ路線図の中にはエクセルなどで作った手作り感オーラ全開の路線図も多く見受けられる。こうしていろいろ見ていると自分で路線図を探したいという人も中にはいるのではないか。そんなあなたにはこの魔法の言葉で検索を掛ければOKだ。

「電車でお越しの方」「電車をご利用の場合」で画像検索。そうすると、いろいろな施設のインディーズ路線図がゴロゴロ出てくる。気になる方はぜひ検索!検索!


●栗原氏 ソウル最長片道ルート完乗を高らかに宣言。

韓国・ソウルの路線図について、鉄道、韓国をテーマとするフォトライターの栗原景氏が説明する。15年ほど前には10路線500キロあまりの路線網だったが、現在は新線開業、既存路線の通勤路線化に伴い今や18路線1,000キロを超す規模となった。

栗原氏はソウルの路線の最長片道ルートである南部の新昌(シンチャン)から北東部の春川(チュンチャン)までの520キロを踏破すると宣言。ちなみに深夜テンションで一気に考案したのだそう。



●肉じゃが、おとぎ話、歴史、なんでも路線図にしてみる。

普通は路線図で表現しないものをあえて路線図にしてみるコーナー。路線図で表現しないものを路線図にするとはいったい……?

料理のレシピや歴史上の出来事を路線図に。煮物料理の停車駅案内にはシチュー線、カレー線、肉じゃが線、支線に調味料線が、本格スパイスカレーの停車駅案内は「スパイス各停」と「カレー粉快速」のラインが描かれている。ただ、「カレー粉」駅はカレー粉【快速】は止まるのに、スパイス【各停】は通過とあべこべになっているのがミソ。


歴史モノでは鎌倉幕府の将軍、執権の路線図――「源電鉄」と「北条鉄道」や織田、豊臣、徳川「三英傑鉄道」の路線図、物語モノではあまちゃん、桃太郎、スターウォーズと目白押しだ。「北条鉄道」は「会津○○」駅のオンパレードであるローカル線・JR只見線のごとく「北条○○」駅のオンパレードで、「三英傑鉄道」は織田が本能寺駅止まりとなっているところがポイント。


歴史や物語など時系列にまとめられるものは路線図にアレンジしやすいとのこと。一種のフローチャートのようにも見えた。



●路線図を擬人化「路線図ラブ・ストーリー」

いよいよ「路線図ナイト」も佳境に入る。「路線図にはラブストーリーが描かれている」。なんと路線図の線と線との交わりからラブストーリーを作ってしまったのだ。しかし、路線図好きの私からすればあながちこういう妄想もあり得なくはない。



渋谷から伸びる銀座線と半蔵門線の交わりをラブストーリー風にアレンジ。赤坂見附・永田町でいったん別れる二人(二路線)。三越前で運命的な再開を果たし、ついに浅草まで銀座線がやってくる。

押上まで都営浅草線に乗り入れれば半蔵門線に会えると一縷の望みを掛けるが、メトロのプライドと集電方式の違いからそれを許されなかったという、なかなかドラマチックなラブストーリーだ。

ストーリーもさることながら、これは一種の路線「擬人化」でもある。そう考えるといろいろなストーリーや設定が考えられそうでなかなか楽しそうだ。


●路線図には夢や希望がある

楽しい時間はあっという間。とうとうエンディングとなってしまった。壇上の栗原氏は「40年間の鉄道趣味の中で自分をいちばん解放できた」と述べる一方、西村氏は「路線図はいろいろな勉強になる。それにしてもまさか路線図でこんなに人が来るとは思わなかった」など感想は十人十色だった。



私が今一度感じたことは「路線図には夢や希望がある」ということだ。単に情報を提示しているように見えるが、そこには世界とドラマが存在する。そしていくらでもいろいろな想像ができる。本当にファンタジーだ。路線図好きとしても無限の可能性を秘めている路線図にこれからも注目していきたい。


そんな私も実は路線図を作っております。一見実在しているようですが、蓋を開けてみると完全なるフェイクです。興味のある方はぜひ。
URL:http://pixiv.me/amenomiyacity 

取材:ハギ























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