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レポート&ニュース

カワイイ魔女っコから、恐ろしい魔女狩りの世界まで。魔女の真実を覗いてみた「魔女の秘密展」

ネットでのバッシングは現代の魔女狩り? 身の毛もよだつ拷問具にゾクゾク

魔女と言えば、ドジっ子でカワイイ魔女や、大人の色気たっぷりのセクシー魔女など、アニメや漫画に出てくる魅力的な姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? しかし、実際の魔女はカワイイ、キレイとは程遠い恐ろしい歴史があります。 



2月19日~3月13日までラフォーレミュージアム原宿で開催される『魔女の秘密展』では、魔女の歴史について詳しく知ることができます。


オープン初日に登場したのは、『魔女の秘密展』オフィシャルアンバサダーを務める声優の上坂すみれさん。そして、編集者・評論家の山田吾郎さん、『魔女の秘密展』監修の西村佑子さんです。


西村さん「漫画やアニメ、絵画など今の日本には多くの魔女がいます。魔女はブームが終わって定着しています。しかし、日本の魔女は突然出てきたわけではなく、ヨーロッパの暗い過去の歴史を受け継いでいるんです。かわいいモノ、楽しいモノというイメージだけではなく、歴史があるということをぜひ観て頂きたいです」



◆魔女迫害の精神は現代社会の闇に通じる

美術や歴史にも詳しい山田さんによると、魔女狩り時代の精神は現代にも通用するものがあるようです。

山田さん「魔女裁判が盛んに行われたのは17世紀です。ルネサンスも起きています。ガリレオガリレイや、ニュートンも登場しています。そんな時代に教会の異端審問所じゃなく町の裁判所で、法律によって裁かれました。裁くには証拠が必要ですが、魔女の証拠なんてあるわけないので自白が唯一の証拠。自白を得るためには拷問にかけるしかないんです。

魔女裁判はいじめの構図と全く同じですよ。自分が被害者になる前に誰かを訴える。誰かをスケープゴートにすることで、不満のガス抜きになる。魔女迫害はグーテンブルク印刷術がメディア革命だった時代の話ですが、今だとちょうどインターネットがそれにあたると思うんですよね。

インターネットで噂が流布する。噂が噂じゃなくなっていく。ネット上のバッシングも、魔女裁判に非常に似た構図なんじゃないかなと思います。魔女裁判は300年、400年前の日本と関係ないヨーロッパの話ではなくて、今の日本にも共通するところがあります。人の心の恐ろしさだとか、群集心理の残酷さだとか、そういったものを展覧会で感じ取っていただければと思います」
ネットでの過度なバッシングは、確かに魔女裁判に似ている部分があるかもしれないですね。遠い昔の話では済まされない問題と言えそうです。
 

◆こんな魔女なら会いたい! 魔女コスプレで上坂すみれさん登場

上坂さんはカワイイ魔女のコスプレで登場しました。黒のフリフリドレスでほうきに座る姿がさまになっていますね。


上坂さん「私は、ゴシックロリータが好きで昔から着ていました。黒一色っていうのが、私の中では魔女っぽいなって思いましたね。でも展示を見るとこんな華美な魔女はいないので、あくまで私の中のファンタジーですね。

いろんなことが魔女のせいにされてきましたけど、双頭のヤギとか、双頭の猫が生まれるのも魔女のせいなんですね。私はそういう生き物が好きだったので、その展示にテンションが上がってしまいました(笑)。それと、入り口にあるイラストレーターの方々の描いた魔女のカワイイイラストもオススメですね」

入り口には、安野モヨ子さん、真島ヒロさん、吉河美希さん、渡辺航さん、水薙竜さん、石川雅之さん、石塚千尋さんの豪華イラストが飾ってあります。

安野モヨ子『夕暮れ時の魔女』

吉河美希『山田くんと7人の魔女』

石塚千尋『ふらいんぐうぃっち』 


◆展示はだんだんと怪しく暗い雰囲気に……。

現代のカワイイ&キレイな現代の魔女からはじまる『魔女の秘密展』ですが、徐々にダークな世界へと展示は変わっていきます。入り口には五芒星が描かれており、怪しげな空気を醸し出しています。


 
第一章“信じる”

魔女の絵画や、魔女が信じられていた時代のお守りなどが展示されています。

モグラの前脚のお守りは、暗い土の中で動き回ることができるモグラには特別な力があると考えられていたから。また、歯がたくさんあるので歯痛のお守りにもなっていたようです。


また、当時は病気になると、切手ほどの大きさの小さなお札を飲み込んだのだとか。


 

『頭部のミイラ』中世から医学のために用いられ、18世紀の終わりまでは粉にして傷薬や軟膏に混ぜられたそう。

 
第二章“妄信する”

16世紀~18世紀の近世になると、魔女が人々の不満や憎悪の標的になります。時代背景には宗教戦争、小氷河期、貧困などがあります。活版印刷というメディアが発達した時代に、魔女は悪という考えが一気に広まり、イメージが定着していったのです。



『双頭の仔牛』家畜の畸形は、魔女が悪魔の指示と助けによって行った黒魔術と思われていました。この時代、全て悪いことは魔女のせいに……。

 
第三章“裁く”

不安定な時代を生きてきた人たちは、不安を解消するため魔女に全ての罪をなすりつけました。最初は噂話から。ターゲットは社会から疎外されている弱い人が多く、貧しく孤独なひとり暮らしをする老女や、人とは少し違った生活スタイルを送る人も対象とされました。そして、その噂が魔女裁判へと発展。しかし、裁判で魔女と断定するには自白が必要。そのため、拷問を行ったのです……。

『魔女の布』 赤くなるほど熱く焼いた鉄を持たせ、布で左手を包みます。三日後に何事もなければ無実という判断をしたそうですが、普通の人間ならば“何事もない”わけはないですね。黒っぽいシミはよく見ると左手の跡です。


『苦悩の梨』上坂さんも恐ろしいと言っていた拷問器具。口を広げて拷問します。まず、歯が折れて、最後に顎が砕けるそう。想像するだけで背筋が寒くなります。

『スペインの長靴』足を間に入れて締め上げる拷問具。内側に先のとがった棘がついていて、締めるとまずは棘が刺さり、最後には骨が折れます。


『棘のある椅子』椅子に座らせて拷問します。時には鉄製の椅子に座らせ、椅子の前か下で火をつけたそう。

ほかにも手枷、足枷などさまざまな拷問器具が展示されています。どれもこれもぞっとするものばかり……。そして、魔女と自白してしまうと火炙りの刑になってしまいます。遺体は復活しないように灰になるまで焼かれました。

 
第四章“想う”

18紀も終わりを迎え、徐々に魔女狩りはなくなりました。これまで説明のつかなかった事象が科学で説明されるようになったこと、裁判で自白よりも証拠に重きが置かれるようになったことなどが関係しているようです。


不可思議な現象が少なくなった代わりにさまざまな魔女が想像され、ミステリアスで魅力的な存在へと変化していったのです。


テレーザ・フェオドロヴナ・リース『魔女(複製)』モスクワ生まれの芸術家の作品。高貴な大理石で醜いものを作ったことで物議を醸しました。しかし、時の皇帝が作品を気に入ったことから、支持されるようになったとか。
 

◆拷問椅子に座れるフォトスポットも。魔女グッズも手に入れましょう。

フォトスポットではあの拷問椅子に座ることもできます。


 

豪華イラストレーターのグッズも多数あり、売り場には安野さんのサインも飾られていました。魔界の辛口、魔女カレーも販売されています。どんな味なのでしょうか。




 
ネットでのいじめや、過度なバッシング。現代の日本にも通じる、魔女狩りの精神はとても恐ろしいもの。『魔女の秘密展』は現代の日本人の姿を改めて見つめ直すきっかけとなるのではないでしょうか。同時に今なお多くの人を魅了する『魔女の秘密』も感じられそうです。

取材/舟崎泉美



 




















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