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微妙過ぎるお土産‘いやげ物’が2000点以上!カオスな空間 国宝みうらじゅん いやげ物展 in TOKYO

アイコンその微妙さが癖になる。 独断と偏見による、オリジナル‘いやげ度’評価付き。

2014/04/16(公開:2014/01/19)

渋谷・ パルコミュージアム 

イラストレーター・みうらじゅん氏が、これまで日本各地で集めた「いやげ物」を紹介するイベント。

お土産物は、買った人も、貰った者も、喜ぶために作られるべきものだ。しかし、物によっては「一体、誰が買うんだろう?」と思ってしまう微妙なものがある。なんか変!でも、癖になる。それが「いやげ物」である。今回の展示では、なんと2000点にも及ぶいやげ物が集められているという。

その中から私が選りすぐったいやげ物に、独断と偏見で ‘いやげ度’(★3つが満点) を付けてみた。

 
入口から既に怪しい。

 


一見、お雛様のようだが・・・


雛人形とは異なり、一体一体が主張しまくり。「アタシが!!」、『いや、私よ!!』という女同士の確執すら感じる。なぜか某アイドルグル―プを連想した。
いやげ度:★★

 


右から左まで、謎すぎる人形たち。どうしたらいいのか。これぞ、いやげ物。
いやげ度:★★★

 


カスハガ=カスハガキ。セットにするため、枚数合わせで作られたと思われる微妙なハガキ。


謎の構図、ただのスナップ写真になっているもの、どれも魅力的。こういうカスハガを楽しめる人は、旅の楽しみ方を知っている人だろう。みうらさん曰く、どんなカスハガが入っているかワクワクするそうだが、分かる気がする。
いやげ度:★

 


ヘンジク=変な掛け軸。観光地だけでなく、アーティストまで掛け軸になるとは。同様のものを海外のお土産でもらったことがある。このセンスは万国共通なのかもしれない。
いやげ度:★★

 


アウン・サン・スーチーさんまで掛け軸に・・・。
(手前の伊勢海老も謎だが、あのサルバドール・ダリのアトリエにはロブスターの置物があった。シュールレアリズム気分を出したい人におススメ)
いやげ度:★★

 


かなり壮観、日本的な光景だ。ちょっと格好良く見えてくるのは、既にいやげ物に憑りつかれてしまったからだろうか。でも家には置きたくない。
いやげ度:★★★

 


みうらさん考案「山岳戦隊テングレンジャー」後楽園ゆうえんちで行ったヒーローショーのVTRが流れていて、大人も子供も見入っていた。


天狗らしく(?)法螺貝を装備。山岳戦隊だが、衣装はウエットス―ツ・・・?

 


いまやすっかりメジャーになったゆるキャラもみうら氏考案によるもの。しかし、メジャーになりすぎた感があり、いやげ物感はそこまでない。
いやげ度:マイナス☆(むしろちょっと欲しい)

 


GAPではない。小粋なキャップかと思いきや・・・


土 方 歳 三 ! ! ! な ぜ ! ! !スタイリッシュな外見と純日本の文字とのギャップ。


僕らが生まれてくるずっとずっと前に流行した「アポロキャップ」のようだが、良く見ると「天草四郎」。なぜ歴史上の人物の名前をキャップにしようと思ったのか。


朝青龍。もはや歴史上の人物ですらない。外国人が喜びそうなデザイン。
いやげ度:★★★

 


椰子の実で作られた人形(?)まるで狙ったかのような完成度の低さから目が離せない。


もうなんか、一周回ってオシャレに見えてくる。
いやげ度:★★

 


強烈なビジュアル。例えるなら、妖怪のような人をおちょくった薄気味悪さすら感じる。だが、彼らとて好きで吊り下げられているのではないのだろう。これは個人的にルックス、役に立たなさ、邪魔さなどから、ベスト・オブ・いやげ物だと思う。
いやげ度:★★★+(満点を超えた)

 


こ、これは・・・。マンガ「テルマエ・ロマエ」でお目にかかったことがあるような?いやげ物は、古代ローマ人も魅了する。小さなパーツを一つ一つ、丁寧に組み合わせて作ってある。どこかでこれを一生懸命作っている人がいると思うと、胸が熱くなる。
いやげ度:★★

 


ヘンザラ=灰皿。灰皿とは一体何だっただろうか・・・。しばし深い思案の世界に入りこんでしまう。大仏様の口にタバコを突っ込むのは、なかなか罰当たりな気がする。
いやげ度:★★★

 


二穴オヤジ。謎の二穴はおそらくペン立てだと思われる。どこの地域の看板を背負っても、ほとんど変わらないスタイルに、オヤジたちの強い意志を感じる。


メルヘンチックな外観は、高原や山間部で売っていそうだが、全く関係なさそうな土地の看板も背負っており、神出鬼没だ。ずらりと並んだ二穴オヤジは壮観。
いやげ度:★★

 

 
そんな二穴オヤジになりきれるフォトスポットもある。なぜピコピコハンマーが・・・。

  


ある場所で背後に気配を感じ、振り返るとモコモコ化け物が・・・!!でもちょっと可愛い


隣にヘビがいるので恐らくマングース。かなり大きい。もう何だか分からなくなってきた。

 

 
金プラ=金ぴかのプラモデル。眩い。でも、いらない。金=ゴージャスというイメージで塗られているのだろうが、安っぽさを加速させている。
いやげ度:★★★

 


ヘンヌキ=変な栓抜き。今回の展示の中では数少ない実用品。だが、いらない。ずっと栓抜きを探していて、やっと見つかったのがコレだったら、ちょっと使うのを躊躇してしまいそう。
いやげ度:★★

 


映像コーナーも。地方のラブホテルの駐車場にあるような、ビニールの暖簾が良い雰囲気を出している。

 
3Dメガネも用意されている。

 


ペナント。元祖いやげ物と言えるだろう。しかし、これまで見たいやげ物に比べると、インパクトが薄い、とすら思えてしまう。
いやげ度:★

 


ここまで色んないやげ物を見ていると、自分もいやげ物を買いたい!という気分になってくる。そんな時は迷わず物販コーナーへ。


充実の品ぞろえ 


飛び出し禁止「とび太くん」のミニ看板。お洒落に見えてきてしまうから不思議。


いろんなとび太くんグッズがある。旧東ドイツの信号機がモチーフのアンペルマンが、人気キャラクターになって多くのグッズが作られているように、とび太くんも看板という枠を抜けて大きく羽ばたいているのだ。
いやげ物度:マイナス☆☆☆(カワイイので、とっても欲しい)

 

会場内では『これ実家にある!』、『おばあちゃんちにあったー』となどという声もあった。私もいくつかのいやげ物を実家や、親戚の家で見たことがある。ダサい、うちには置きたくない、けれど誰しも一度は見たことがあって、どこか懐かしいもの。故郷を思い出し、郷愁に駆られる、それがいやげ物だ。

みうら氏は何十年にも渡って、日本各地でいやげものを集めてきた。しかし、今やいやげ物もあまり絶滅危惧種らしい。民俗学的にも貴重なものであることから、イベントタイトルには「国宝」という言葉が付けられている。

絶対に欲しくない!要らない!と思うのに、なぜこのような展示イベントまで見に来てしまうのだろう?それは、いやげ物には日本が捨ててきたちょっと恥ずかしい、昭和な香りが付きまとうからではないか。『いやなお土産=いやげ物』かと思っていたが、いやげ物はどこか懐かしく、思わず突っ込んでしまうような、愛すべきお土産たちなのである
。  

 

 2014.01.19  文・写真 篠崎夏美

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